Re:CREATORSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
被造物全員集合！ 大乱闘だよスマッシュクリエイターズ！！ という展開に水を入れて、色々と状況が動き設定が見えてくる回。
弥勒寺が味方陣営に入った瞬間、絡まった糸が一気に解けるようにまとまりだしたり、まみかが被造物の軛を超えて立ち回りだしたり。
陣営入り乱れるゴチャマンから水入りで会話ってのはこのアニメ得意の流れで、三回目くらいだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
戦闘での意思疎通が途切れるんで歯がゆかったわけだが、今回はまみかの変化と弥勒寺の参入、トリックスター兼ジョーカーキラーとしてのマガネが鮮明にと、それなりに実りのある水入りだったと思う。
マガネが親殺しを達成して特に変化がなかったことで、被造物は現実に召喚された時点で創作の人物であることを離れ、作品の世界律よりも自己の意志と欲望に従う存在だとわかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
殺す側のマガネと、秩序サイドに付いた弥勒寺、この作品の地頭ツートップが同じ結論に達しているのは面白い。
被造物だろうがなんだろうが、己の意思と尊厳を持って生きている以上、それは別個の命である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
これは松原がセレジアをモノ扱いされたとき見せた不快感と、背中合わせの倫理だ。作者は被造物の独自性を認め、世界もまたそういうルールで被造物を記述する。
被造物が『現実』という作品世界の中で、リクリエイターズという物語の登場人物として再話されている、ということも出来るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
どっちにしても、作品世界の悲惨さを背負い込みすぎ、原作の文脈を頑なに守ろうとするアリスは新しいルールに適応出来ていないキャラだといえる。
作者を殺しても、記述を書き換えても、『現実』はキャラクターがやってきた物語に影響を及ぼしえない。リクリエイターズのテキストと、各キャラクターが背負う原作のテキストは内包関係にあっても、相互に影響を及ぼす方法はまだ見えないわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
アリスが悲惨な故国を救う方法は、未だ見えない。
一方、原テキストから離れ、この作品の方式で再記述-ReCreate-されている自分に自覚的な連中は、比較的盤面に手が届くプレイヤーとして記述されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
味方陣営に行動指針を与え、全体的な世界観をあっという間に構築した弥勒寺も、敵/味方という思考法を離れ独自に行動しだしたまみかも
筋書きが決まった決定論的『創作』世界から、予測不能なカオスと圧倒的情報密度が待ち受ける『現実』へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
被造物は移民みたいなもんで、故国のルールやそこでの感情に縛り付けられて動かないか、新天地で変わっていく自分に適応するか、岐路に立っているわけだ。
とはいうものの、被造物は原テキストの影響を様々に受ける。思考法、世界観、人格、異能力、強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
原作者殺しのタブーを速攻で破ったマガネと、愛と正義の魔法少女を『現実』で信じたいと叫んだまみかは、綺麗な対比を為したと思う。作りかけのメシを無駄する女。カフェで敵と飯食う女。
自分が生まれた場所に誇りを持ち、新天地でもその輝きを守ろうとする意志の強さは、やっぱ見てて気分がいい。俺が女児アニおじさんだっていう贔屓目だけではなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
アリスの頑なさは、ここら辺の誇りが暴走している結果なんだろうなぁ。頑なでなければ生き残れないルールの創作物だったのもあるだろう
まみかが歩こうとしている『創作』と『現実』のバランスをとる路線を、登場段階で『虫かごの暮らしだろうと、結構気に入ってんのよ』と先取りしてしまってる辺り、やっぱ弥勒寺は（色んな意味で）話がわかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
優秀有能便利すぎて、話に波風立てたいならある程度のところで絶対殺されるよなぁ…。
オズマがいたら『ノリでほざいてんじゃねぇぞ！』とぶん殴られそうなくらいC調な生き方してる瑠偉くんと、アイスとお菓子で一気に意気投合するところとか、人間力高すぎてびっくりした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
ぶっちゃけ口調でも分かりやすく、難しい概念を操れるしなぁ。メテオラ殿が苦手なとこだね、ここら辺。
食事が接点になってるのはまみかと颯太も同じで、敵と味方、男と女がいっぱいのコーヒーを足場に混じり合う、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
ユーフォーテーブルカフェってセッティングは、境界線が接触する現場として良いチョイスだと思った。制作会社の壁、アニメと飲食、二次元と三次元が溶け合う、不可思議なるマージナル。
颯太の情報握り込みに激怒した中之鐘が、怒りの図書館ロール貫通で独自に情報出してきたのは、ひとしきり笑った後頷いた。そこで足踏みされてもマジ困る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
颯太以外はアルタイルに感情の色がないので、ヤベーから対策のためにとっとと情報欲しいんだよね。
味方に明かしていない秘密を、敵であるまみかと共有する。アルタイルの狙いをほぐす緒になりそうな個人的な感情を、『僕を…この世界を』という言い直しで飲み込んでしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
この揺れが悪手なのか指し手なのかは、この後を見ないとわからんところだ。マガネも見てるしなぁ。
颯太はプロに圧迫かけられ、重要な情報を握り込む厄介なワナビーってだけではなく、アルタイルの創造主として被造物のルール（つまり作品のルールと行く末）に直結する特異点でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
お前がポップなヲタカルチャーばっか食ってるから、時代劇の剣豪とかが実体化しねぇんだよ！とみ新蔵とか読め！
彼の観測範囲が被造物の実体化範囲であるというルールは、『知っているか雷電！』とばかりに元ネタを当てまくる颯太の活躍？ と、巧くシンクロしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
主人公だから補正かかってバンバン当ててるかと思ったら、こういう事情があるとは。こういう設定の暴露は驚きが楽しくて、非常にすんなり飲める
ワナビとして創作の最前線からも遠ざけられ、無能力な傍観者としてインチキ人間バトルからもハブられていたはずの颯太は、事件の始点（つまり騒乱の解決）にガッチリ食い込んだ重要人物でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
颯太の変化が物語のルールの変化になる状況が、今回ようやく整った感じもある。
誰か（アルタイル、匿名掲示板）に憎まれること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
己（創作物）を世に問うこと。
颯太が一端の大人、クリエイター、人間になることが、問題解決のルートが意図的に複雑化しているこのお話を解明する、大事な足場になるわけだ。
颯太が胸を張って自分を誇れるようになると、話が終わるんだろうな。
現状の足踏み加減では、それは相当先になりそうだ。主役が完成したとき物語は大概終わるので、先送りしなきゃ話しにならんわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
しかし完成の前段階、つまりホントのことは言わないわ、信念は無いわ、体は張らないわの半端モンの時代が長く続くと、主人公のことをすきになれないまま話が続く。
過去の自分を誇りに思いつつ、変化を受け入れたまみかと颯太の接触。これをポジティブな方向に活かして、ちょっとずつ主人公が変化している姿も見てーなー、とか思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
被造物のド派手なバトルだけでなく、一少年のちいさな成長もまた、立派な物語だと期待してはいるからね。
つーか、メタメタに入り組んだ大きな物語と、身近でつまんなくて普遍的な小さな成長物語のサイズ比を当て込んで、颯太が主役に配置されてると思うし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
そろっそろ胸がすくような、主人公らしい魂の強さを見てみたくもある。来週颯太とまみかとマガネをどう回すかは、非常に気になるところだ。
追記
リクリエ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月21日
ボッ叩かれて筆を折り、心通わせたメガネちゃんも自殺しちゃった『過去の物語』に支配され変化できないという意味では、颯太もまたアリスと同じく物語の奴隷なのだ。
そこから開放され、あるいは誇りを思い出して新天地に対応していく展開も、巧く共有して欲しいところ。
