ID-0を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
アリスを拾ったところから始まった移動天体との追いかけっこも大詰め! 封鎖空間での死が迫る中、クルーがそれぞれの持場で死力を尽くし、0に近い生存可能性に向けて冷たい方程式を加速させるお話。
命がけのドラマをテンポよく進めつつ、新情報もドシドシ出てくるキーエピソード
今更ながら思うのは、やっぱこのアニメ宇宙炭鉱夫というよりレスキューの話なだなあ、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
人間の生存を阻む宇宙を舞台に、生きるか死ぬか、命を見捨てるか否かの決断と行動を、毎回必ずやっている。それは戦ったり殺したりするよりも遥かに大事な英雄への問いかけだ。
ラジー部内部のイド-マヤ-アリス、外部のリック-アマンザ、船のクルーたちと、始点が三分割されて進行する今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
物理空間だけではなく、時間的にもマヤやイド、リックの回想が挟まって行ったり来たりする話なのだが、距離が開けばこそ印象的に描けるものがたくさんある。
冒頭、イドとアウトローが船で出会うところからエピソードが始まるわけだが、怜悧に命の値段をつけるイドは一見クールな機械だ。相対するリックもカーラも、どこか気取っていて冷たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
トップレーサーだった過去を誇っていたリックだが、時間軸が現在に戻ると、慣れ親しんだ二枚目半の人情家がいる。
過去と現在の間にあるのは、イドがどんなやつであるかを思い知り、仲間として家族として命を預け合う関係性が生まれる変化だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
それはリックが命を助けられた思い出であると同時に、ここまで7話イドを見てきた視聴者の経験にも重なる。ここら辺のシンクロ率が高いのは、このアニメの強いところだ。
クールなロボ忍者がどれだけ熱い血潮を持っていて、『可能性がなければ見捨てる(キリッ)』とかいいつつ、生存確率七%の修羅場に迷わずツッコんでくるタフガイだということを、リックも俺たちも知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
命と尊厳にまつわる限り、絶対に諦めない心。やっぱりそれが、この話の真ん中にはある。
既に修羅場をくぐり抜け、タフなアウトローとして、仲間として鍛え上げられたクルーだけではなく、新参者たちも危機を前に鍛え上げられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
まだ素人根性が抜けないマヤは他人と自分の死体に危険なほど接近し、アマンザも無言で仲間のために、命のために現場に赴く。誰かの命令ではなく、自分の意志で
酸欠で混乱したマヤは、うわ言のように本心をつぶやく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
『滅茶苦茶だったけど、これまでの物語は楽しかった。アウトローでいると、自分の居場所が見つけられた』と。
マヤの意外な度胸と適正、巻き込まれた冒険の面白さもまた、視聴者がこれまで見てきた物語の中にある。ここもシンクロ率が高い。
命をめぐる物語として、幼女にして超越種であるアリスにも『命のリミット』があることを最初に示し、緊張感を持続させていたのは良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
あそこで限界を見せておいたからこそ、自分の命を削ってマヤに分け与えるアリスの決断が、小さく確かな輝きを持つ。
文字通り手でデッドエンドを掘り進めたイドにしても、金よりも命を選んだ船長にしても、巨大なラジーブを前に諦めなかったリックとアマンザにしても、今回はクルー全員が一丸となって、ギリギリのところで命をつなぐ話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
こういう窮地を共有すれば、そら船は家となり仲間は家族となる。
運命は人を窮地に追い込むだけではなく、思いがけない出会いももたらす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
難破船に残った情報からイドの過去、世界の秘密にまつわる色々も明らかになった。断片からイドがしっかり全体像をまとめ上げ、コンパクトに言語化・共有しているのが素晴らしい。無駄に迷わずにすむ。
Iマシンやミゲルジャンプという『人智を超えた超技術』の描写がうまいので、真実を隠蔽してでもオリハルト技術を運用したい思惑に納得も行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
ここまで見てきた、高度でどこか歪な世界の謎が、カチリカチリとハマっていく感じがして今回非常に面白かった。
移動天体ラジーブが船を追いかけてくる理由、そこに政府とオブザーバーが絡んでくる理由も見えてきて、一気に話の輪郭がクリアになった話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
断片的なメッセージを聴き直すと、異生物とのコミュニケーションだの何だの言ってるんだよな…現状のオルハルト技術は副産物に過ぎないのかもしれない。
そして何より、軍のバックにいる仮面の男の素顔が公開され、3人目のアリスガワ顔だということが解った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
博士、社長、サム・テイラー。おそらくイドもこの系譜に連なる事を考えると、アリスガワ博士がどのような存在だったかが、お話全体にとってとても重要になってくる。
イドはアリス=オーアと出会ったことで、諦めていた過去を取り戻し、己のIDを蘇らす可能性に出会った。それがゼロでないのなら、どこまでも追い求めるのがイドという男だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
命をつなぐことと、己が誰であるか見定めること。それは不屈に値する価値であり、生きることはIDを定めることなのだ。
そういう意味で、船長が半年分の稼ぎをオリハルト弾頭として射出し、それを追いかけるように不正に手に入れた財を投げ捨てて命をつなぐのは、とても象徴的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
金の亡者のアウトロー、不法行為の採掘屋という看板を掲げつつも、不実な銭よりも大事なものを、己のIDとしてエスカベイト社は選んだのだ
この決断に、ラジーブ内部で命を削って手に入れた情報…『ラジーブはオリハルとを狙う』という智慧が生きているのも、このアニメらしいなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
危機は命がけの試練であると同時に、クルーをまとめ上げ、真実への手がかりを与えてくれる恵みでもあるのだ。
汗水たらして現場に立って、命をかけて危険を掘り進めなければ、命もIDも獲得できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
そういう緩みのない価値観が背景にあるからこそ、ヒトの身体を持たないエバートランサーが凄く人間らしく、輝いて見える。彼らの魂はいつも本気で、尊厳と生命に向かい合っているからだ。
物語の輪郭を支える謎が解明されると同時に、血潮であり魂でもあるテーマ性、物語内部の価値観もしっかり伝わってくる、大きなうねりの回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月22日
偶然か運命か集ったクルー全員が一丸となったことで、これまでのお話の総決算的な楽しさも非常に強かったです。いやー、面白かった。