キラキラプリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
第12話から話を引っ張ってくれた敵役、ジュリオの退場回…だと思ってたんだが、巧いこと新たな疑問を投げかけ、今後の展開を作りつつバーカバーカ言いながら歩いて帰る回だった。
ジュリオを鏡にいちかの描写が深まり、敵役の仕事について考えさせられる回。
先週意地悪猫ちゃんにこてんぱんに転がされたジュリオくん、このままだと無様を晒し続けるしかないが、事情を知っているやつにツラ見られたら即ボッコ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
かなり立ち回りが面倒な状況で、いちかとそれ以外を完全に切り分け、ギリギリの線でタッチダウンを決める流れはなかなかの職人芸だった。
ジュリオはプリキュアの壁役として、嫌なことを言って相手の主張を試す仕事をしている。ジュリオが大切なものを踏みにじることで、プリキュアの思いはしっかり確認され、少女たちがどんな表情で、何を守って戦うのかは明確になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
その仕事は、いちかを直接的にかける今回も変わらない。
これまで間接的な被害が直接プリキュアに及ぶことで、タブーに踏み込んできた緊張感もあったし、作品のコアにダイレクトに触れた感じもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
第1話、第7話でいちかに助けられたペコリンが、無邪気で無力であるがゆえにいちかに心の力を取り戻していく展開も、善因善果を感じられて良い。
キラキラルがあるから、スイーツがあるから美しい心が形になるわけではない。常に精神は、物質の先に立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
なので、今回の解決はジュリオをぶっ倒してキラキラルを開放するのではなく、ペコリンの言葉でいちかが大好きを『思い出し』、キラキラルを生産する形になる。
『思い出す』…もともとある材料を作り、手を動かす中で形を作っていく。いちかのリハビリがスイーツというモチーフとしっかり重なっていたのは、なかなかに力強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
それは何回でも繰り返すことが出来るタフなものだし、形となって共有もできる。味わって楽しむことすら出来る。
今回いちかが(ペコリンとプリキュアの助けを借りつつ)自力で復活したのは、心が持っているタフさを大事にしている感じがして、とても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
そういうタフネスを持っているからこそ、宇佐美いちかは主人公なのであり、ドジでバカで猪突猛進ながら、キラパティをまとめ上げる中心なのだろう。
ペコリンはヒロイン役として非常に美味しい役をもらっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
ぶっちゃけプリモードは人数の捌き方がそこまでクレバーではなく、当番回でワッと持って他はチョイチョイ…という塩梅だ。足りないわけではないが、バランスは悪い。
ペコリンも妖精にしてはヤバイくらい出番はない。
のだが、担当回である第1話、第6話の仕上がりが圧倒的なので、いちかを立ち直らせる仕事をするのに違和感はなかった。もうちょい普段から、色々キャイキャイしてたらもっと良いとは思うけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
ゆるーい回なんだけど、俺は第6話が好きでなぁ…。
ペコリンはキラパティの最年少として、『幼い』ことがキャラ性である。なんもできない、気持ちしかない存在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
だからこそ、いちかに助けられた経験、スイーツに救われた過去をいちかに返す無垢な健気さが、よく映えていたと思う。
誰かに優しくされて、誰かに優しくできたなら、それは大人ってことだ
プリモードはいろいろ『プリキュア』の固定観念を外しているシリーズなので、『妖精は販促の軸であり、めっちゃ目立つ』という見方も、ペコリン相手には外す頃合いなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
キラパティの隅っこにいる、小さな、でも健気で頼りがいある仲間。時々良い仕事をする。こんくらいの認識でどうか。
そういう見方からすると、ペコリンはコンパクトな自分の物語を小さく積み上げつつ、幼さを失わない程度に大人になりかけている、良いキャラだなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
良いキャラなだけに、もうちょっと巧く役割分担してあげても良いんじゃね? とも思うが。そこもひっくるめてプリモードの味、ってのは甘すぎるか
ジュリオが提示した『お前らいい子すぎるだろ。子供なんだし怒ってもいいだろ!』という問いかけは、僕は結構大事だと思う。なので、今回答えを出さずに引いたのはすごく良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
親の都合を飲み込む、健気な子供の哀しさ。ハートキャッチ第9話で掘った題材を、今後しっかり考えていくのか。
ジュリオは世界の不都合を飲み込まない、怒れる子供なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
スイーツに、愛する人に裏切られ(たと思い込み)、自力でキラキラルを取り戻せなかったいちか、主役の影であることを、噛みつきまくり感情出しまくりのムーブで匂わせていた。
そういう対比性があるのは、悪役として良いことだ。
ひねくれて世の中拗ねたシャイガイを武力で制圧した後、いちかがロッドを下ろすのは象徴的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
武器で殴り合うより大事なことが、プリキュアにはある。矛を止めるのはあくまで話し合う前段階であり、対話の場で物を言うのはスイーツだ。そういう答えに、いちかは直感的にたどり着いている。
仮面を外したジュリオは、キラキラの目をしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
前回ゆかりさんにボッコにされたことで、彼の余裕が強がりであり、敵であると同時にプリキュアが救うべき被害者でもあるということは示されていた。巧く先週のムードを引き継いで、ジュリオの問題点が見えた回でもあったろう。
しかし弱さや正しさを見せるほどに、乗り越えるべき障壁としての仕事はできなくなる。目が見える相手を殴るのは、なかなか大変なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
なので、前髪パッツン色白目つき悪ゴスロリ千葉千恵巳が大乱入! 『勝てる』ビジュアルでカンフル剤注入!! となる。
『圧』あるよ、デザインにホント。
素顔を晒し、向かい合ってしまったジュリオ。彼には担当できない部分を、ビブリーちゃんにはしっかり担当し、話の牽引役を頑張っていただきたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
俺やっぱ、ジュリオは壁役頑張ったと思うんだよね。この一ヶ月半でプリキュアの顔、凄く鮮明になったもん。何が大事で、どんな子か見えるようになった。
逆にプリキュアは、ジュリオが投げかけた『お前らいい子すぎるだろ!』という問いかけに真剣に向かい合い、そこに込められたSOSを受け取らないといけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
ジュリオの捻れを解消していく中で、いちか達の歪みも露わになり、より良い形で解消されていくと思うので。
いちかとジュリオを密室でぶつからせることで、主人公とヒロインの資質がよりクッキリする、良い転換点でした。ペコリンのヒロイン力も高くてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
こっからまた、お話の潮目は変わると思う。対話可能なジュリオの投入は妙手だったと思うので、ブブリーも巧く使いこなし、盛り上げて欲しいものだ
余談
プリモード余談。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月28日
母を『思い出す』菓子がマドレーヌなのは、プルーストの"失われた時を求めて"を踏まえた引用なのか、偶然の一致なのか。例によってさっぱりわからんが、そうだったら良いなと思う。https://t.co/ptEmXsB4St