イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイドルタイムプリパラ:第8話『ライスをねらえ!』感想

正気にて大業はならず、アイドル道シグルイなりと言った塩梅の女児向けアイドル新世紀、今週は待ってましたのにのちゃん回。
……と言いたいところなんですが、ふでやす節全開のやりたい放題し放題エピソードでしたね、実際のところは。
とにかく拾わないボケ、誰が判るかわかんない引用を乱発し、狂気の速度で一気にぶっちぎる。
しかしアイドルナメてたにのちゃんが『アイドル熱いかも!』と思うまでには引っ張り、7話積んできたゆい&らぁらのシンクロナイズもちゃんと表現し、やるべきところはキッチリやってるのもふでやすだと思いました。

眠狂四郎"に"エースをねらえ!"、女児はぜってぇ判んないネタを全力でぶっ込んできた今回ですが、久々に『一切ブレーキを踏まない』プリパラの笑いを叩きつけられた感じがありました。
かなり時間を使った円月ダンス、本筋に一切関係ないもんな……ただ頭がおかしくて、楽しいだけという。
ダンプカーで全て轢き潰すような頭のオカシイ展開が頭から尻尾まで詰まっていて、主役も例外ではありませんでした。

いやだって、今週ゆい&らぁらにのちゃんにまとわりついて、スポーツの邪魔してるだけだもんぶっちゃけ……。
そこからなんか前向きな教訓を得て、お話を一手転がしたにのちゃんのレシーブ能力には涙がでる。
カップラーメン抱えて、『無理です、無理無理無理無理……』の口癖推すだけ推して去っていったみちるもちょっとは見習えよ!?

今回一番キレてたのは、いちいち自分の行動理念を口で説明しながら、可愛いキグルミでプロテクトを掛けるゆい。
上の方から『あんま女児ヒドい目に合わすな。表現にクッションかけろ』とでも言われているのか、はたまた編み物得意という属性を無理押しするためか、とにかく強引にバイオレンス表現にオブラートをかけてくる豪腕に、何か凄まじいものを感じました。
『やりたい放題しすぎて、流石にキッツイの食らったのかな……』と、いらん心配してしまうキツさだった。


そういう大暴走シナリオの中で、芯になっていたのは2つ。
一つはにのちゃんがアイドルのど根性を再評価し、今後ステージに上る道を整地すること。
アイドルの地位が低く、認知度が最低なのはパパラ宿のルールなので、ナメたところから入って見直すのはシリーズ全体の空気を踏襲している感じですね。
アイドルパワーをスポーツでも活かし、なんか凄い活躍して見直す、みたいな展開にならないのも、白紙からアイドル色に世界を塗ってく作品らしい。

にのちゃんは脳筋ですが素直で、視野も広い子です。
キグルミ着てふざけているようにしか見えないアイドルたちに怒らず、『なぜアイドルが自分は気になっているのだろう?』と内省して答えを出す辺り、脳筋でもないのかも。
というか、お目々虹色のガンギマリ生命体になんか聞いても、まともに答え返ってこないと思ったのかもな。

アイドルタイムはじっくり進んでいて、にのちゃんがステージに立つのはそれなりに先になりそうです。
フィジカルが圧倒的なこと、常時自分を追い込むストイックさがあることは今回よく見せたので、あとはトモチケ交換するだけかな、って感じはある。
筋トレがのきなみ一番キツい、キッチリ負荷がかかる方法(手の反動を使わないスクワットとか)なのが、フィジカルエリートの描写として切れ味あったなぁ。
……そう考えると、円月ダンスもにのちゃん天性のダンスセンスを見せるための繋ぎ……いや、ぜってぇやりたいだけだ。


にのちゃんの周囲をブンブン飛び回り、ブレーキの壊れた大暴走していたキグルミのアホ達。
今回のゆい&ラァらは完全にコンビとして描かれていて、積み重ねた時間を感じる……というと綺麗すぎるか。
根性と熱意だけしかない、暑苦しいチャレンジャー・コンビとしていい塩梅になってきたんだな、と思いました。
まぁ束で描くことで時間の隙間を作り、にのちゃんのキャラと投げっぱなしのボケを詰め込むために必要だったんだろうけども。

アイドル不毛の地を開拓し、伝説を作っていくためには強い絆が必要。
二人セットで暴れまわり、ステージも初のデュオステージ、メイキングドラマもガール・ミーツ・ガールがテーマと、徹底して『二人』で回した今回は、気持ちだけあるぞ! というパパラ宿の現状を見せる回でもあったかなぁ。
この気持がなかなか世界を変えないもどかしさが、アイドルタイム序盤の原動力になるのか、一年通してコンパクトな成功を積んでいく形になるのか。
ビッグな成功と変化で『神』にまで至った無印とは、やっぱ色々変えている感じですね。

今週二人がダメダメだったのは、プリパラという『夢の園』から出て、現実メインで回したからかな、とも思う。
システムの力を借りて、衣装どころか身体的特長まで書き換えてしまうプリパラの魔法が、現実では解けてしまう。
それでも、プリパラでアイドルをやるためのハートの強さだけは、にのちゃんにちゃんと届いて意味をなしたという……これも綺麗に見すぎてるな。
ほんと、にのちゃんが物事の真の姿を真っ直ぐ見ようとする、賢く優しい子で助かったと思います今回。
真っ直ぐなアホバカ共だからこそ、その真っ直ぐさがちゃんと届いた、と思っておこう。


というわけで、じっくり攻めていくアイドルタイムに相応しく、にのちゃんが夢の国に来るための準備をする回でした。
フィジカルだけではなく、己の間違いを己で正し、他人を認める視野の広さもある。
散々にボケ倒しつつ、にのちゃんが気持ちのいいやつだとちゃんと分かる回だったのは凄く良かったです。

おそらく1クール目のピークににのデビューを持ってくると思うので、次回は今週妙に目立ってたチア部がメイン。
アイドルタイムがサブキャラクターをどう輝かせ、使ってくるかという横幅試験にもなると思うので、結構楽しみです。
さてはて、どんな話になるんでしょうね。