サクラクエストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
しおり回後編ッ! つーわけで、前回のドタバタをヒキづっての悪戦苦闘…というわけではなく、堅実なアイデアと根回しを駆使してトントン拍子に進む回。
スムーズに進めて作った時間で、熊野さんの四ノ宮姉とのラブコメ・ミステリも転がす欲張りな作りだった。
正直もうちょっとゴチャゴチャさせると思っていたので、アイデア出しから根回し、交渉に現場までスムーズに展開するのは意外だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
が、実際見てみると国王PTの頑張りが地元とガッチリ噛み合い、イベントが形になり人もたくさん来て大・成・功! という流れは気持ちがいい。
国王達は時折迷うこと、間違えることはあっても、根本的には善良で真面目だ。成り行きで背負い込んだ地域振興のシビアな現実に悩まされつつ、女五人の仲良し世帯を大事に、スクラム組んで前に進んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
そんな彼女たちの善良さがスッスと報われていくのは、やっぱ見ていて嬉しいものだ。
対立の落とし所としても、納涼会とB級グルメのあわせ技として、地元を巻き込んだそうめん大会を出すのは納得がいくし、キッチリナシを通せば認めてくれる会長の懐の深さも、急な話ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
やっぱ自分なりのスジを持って立ち回る会長の描写は、内にこもりがちなお話に風を通す大事な要素だと思う。
ここら辺のスッスッと落ちていく感じは、しおりらしく地味で美味そうな新メニューにも現れている。手元の材料で普通にできそうで、グランプリは取れない程度に地味。しーちゃんらしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
国王がドクとぶち上げた、ぶっ飛んだそうめん体験装置との対比で、二人のキャラ性がよく出ている。
しおりは責任者、吉乃は地元に密着した地盤がため。お互いがこれまでやってきた立場を交換することで、相手の苦労も判るし、新しい知見にもたどり着ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
同時に、似合わないことをしていても自分らしさは勝手に顔を出す。代わりの利く仕事だけど、『らしさ』は顔を出す。ここらへんは第7話の再演奏
スムーズにクエストが解決していく今回は、国王PTの仲良しっぷりがよく目立った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
これは僕が一番好きな要素なので、気の置けない感じがムンムン出る準備&本番が分厚かったのは、とても良かった。
外向きだと結構良い司会するIT大臣の達者ぶりとかね。キラキラブログの外面の良さが反転してる。
会長と絡めて、凛々子の描写を次回に向けて積んでいくのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
五人目の仲間として正式な参加許可をもらったり、しおりに役職をつけたり。今回は9話まで来た子のお話の中で、もともと仲良しだったPTが更に関係を深めた証拠がそこかしこに見えて、彼女らが好きな僕としてはご褒美だったなぁ。
四ノ宮の家が持つ閉鎖性、自覚されないトンチキっぷりは、姉と熊野さんとの恋路で広げていく形に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
当たり前だと思っていたカレンダーの取り違えは、家の外に出れば致命的なエラーになってしまう。その修復が姉が家を出て行くタイミングで行われるのは、結構示唆的だ。
内側から外側に出ていくものだからこそ、己の歪みに気づくことが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
外側から内側に入っていくものだからこそ、出来る動きというものがある。
実は今回対照的だったのは四ノ宮姉妹ではなく、姉と由乃だったんじゃないかなぁ、と思ったりもした。
とまれ、変わること、正すことに遅過ぎはない。
自分が案外ズレていることに気付いた姉は、過去の間違いをただし、熊野と交際を深めていくだろう。結婚ということになれば、四ノ宮とはまた別の『家』が生まれ、そこ独自のトンチキな『普通』も生まれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
『普通』は停滞するものではないし、不変でもないのだ。
しおりが作った『メンマが乗らないそうめん』は、グランプリを取らない。だが『内側』の人たちが憩うアンジェリカの店で、新たな定番…『普通』として受け入れられ、地味に愛されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
内向きで、インサイダーで、地道なしおりに訪れた少しの変化と不変。巧くまとめたなぁと思う。
しおりが新しい可能性…『メンマが乗らないそうめん』を思いつくのが『家』だというのも、象徴性があって好きな演出だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
しおりはまだ『家』を出ない。時折過剰な間野山への偏執を見せる彼女の物語は、今回で終わりきったわけではないと思う。後一回、もしくはそれ以上。『ある』と思うんだよなぁ。
早苗や真希のように、劇的な再発見や変化があったわけではないが、しおりが『家』から少し首を伸ばし、新しいことに挑み報われるエピソードとして、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
前半で見せた問題解決をスムーズに展開したのも、一歩目に見合った軽みがあって、安心して見れた。
来週はもうひとりのインサイダー、『家』に閉じこもりつつ『家』に興味がない(と言い張る)凛々子のターンだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
二話かけてPTメンバーの気持ちを掘り、間野山を掘り、『外』と向かい合っていくベタ足の構成が、ちょっと不思議な女の子をどう描くのか。とても楽しみである。
追記
サクラクエスト追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年6月1日
今回のサブタイトルは『淑女の天秤』だが、天秤は英語でBalance。
間野山と『家』、内向きに寄りすぎていたしおりのバランスが、似合わない前線に身をおくことで整えられ、次の一歩への準備を整える展開と合わせると、なかなか趣深い副題である。