キラキラ☆プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
己の才で最愛の弟を踏みにじっていたことに気づいたシエル。悲しみに暮れる…暇もなく現場主義ラスボス・ノワール様が闇の誘惑をぶち込み、ジュリオのひねくれた心が救済され、新しいプリキュアが生まれジュリオが死んだ。
凄まじいテンポで展開する運命の回
というわけで今回、いろんなことが超高速で起こる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
それら全ては必要なエピソードであり、絵の作り方も話の運び方もいい感じ…なのだがとにかく早くてたっぷり詰め込んでいて、余韻がない。
しかしこの異常なテンポが独自のドライブ感を生んでいるのも事実で、どう評価したものか悩ましい。面白いが
まずはシエルの落ち込み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
正直次回予告を見た段階では、これをクリアするために一話使うと思っていた。が蓋を開けてみると、あくまでノワール様本拠地到達の前座だった。
それでもシエルの心に乗っかれるのは、先週ジュリオをメインで描く中でちゃんと受けたショックを描写していたからだろう。
プリキュアのスーパーパワーで心をこじ開け、本音を暴力的に開放してしまうことへの疑問を、ジュリオがちゃんと言葉にしていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
必要な処置ではあるんだが、素直に受け止められない不自然さもあるので、ああやって言葉にして一旦背中を向けるのは良い。お前ホントツンデレな。
このまま拗れるかと思った所で、フランクに敵本拠地に上陸してくるノワール様。今回のプリキュアラスボスは思いっきり前出てくるな! 仕事する上司は好感持てるぜ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
ジュリオは姉が好きすぎて嫌いになったと思いこんでいる、超めんどくさいタイプのシスコンなので、ここで闇に引っ張ってもらわんとな
悪事に手を染め、スイーツを作れなくなった闇の存在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
ノエルがノワール様に誘惑されることで、ジュリオは望んでいた姉との同質化を果たす。
が、それは本意ではない。実際になってみなければ分からなかったが、ジュリオが望んでいたのは関係性の回復であり、自分と同じ地獄に姉が降りることではない
『実際になってみないとわからない』というのがジュリオの非常に面倒くさいところであり、人間っぽいところでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
頭でわかって止まるなら、コンプレックス極限までこじらせることも、それでもスイーツにこだわることもないのだ。世界は優等生(プリキュア)ばっかりではない。
主役たちが踏み込めないカルマの茨道を、超高速でジュリオは進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
姉やプリキュアの優しさに背中を向け、それでも愛されたいと願う。『どうせオレなんて』と卑下しつつも、心の何処かで奇跡を願っている。
人間なら誰しも持つ、クッソ面倒くさい複雑さ。ジュリオはそれをたくさん持ってた。
結果として、ジュリオが求めていたものはホイップが直感的に見つけたものと同じだ。プリキュアは主役でありヒーローだから、基本的には正解を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
そういう道では救いきれない存在もいる。だが、ジュリオがもう一回ワッフルを焼くためには正解を見つけられる存在が隣りにいることが、必要だったのだ
かなり高速で展開するジュリオ(と、彼への罪悪感で闇落ちしているシエル)の救済だが、先週と合わせて見ると結構いろんなものを語っていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
『人間はやり直せる。お菓子は何度でも作れる』というのはガミーの贖罪行脚と似通った表現でもある。闇は強力だが、乗り越えられないほど絶対でもない
しかしまぁ、ジュリオはノワール様射手形態(サジットフォーム)の一撃を受けてぶっ殺されちゃったので、『やり直し』たその先は描けないわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
いや、正直無茶苦茶ショックです。話の積載限界を考えると退場させなきゃいかんのは判るが、殺すか…そうか。オレ、ジュリオのこと好きだったんだなぁ
次回予告でシエルはハッピースクールライフを堪能していたが、肉親の死という超絶ヘヴィーなネタをどう処理し(あるいは無視し)て、輝かしい日常を泳ぐのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
コンパクトでも説得力のあるクッションを挟まないと、ちょっとジュリオの死は僕の中では処理しきれない。忘れていい男じゃないだろ。
パルフェの闇落ち→復活→変身の流れも、急ぎ足ながら勘所は抑えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
誰かのために、罪悪感で自分を押し殺す。弟は肥大化したエゴイズムで闇に落ちたが、姉はエゴイズムを抑圧することで闇に落ちる。この対比は好き。
ノワール様は本当に、心の歪んだ児童を闇に落とすのが好きだな…御影草時かよ
エゴの肥大、不遜を許される才能というのは、シエルの特徴だ。(そればっかりでもないだろと、僕は思うが)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
自分らしさの適切な運用法を忘れて、過剰に枷をはめて闇に落ちていく。姉弟ともにそれを取り戻すために、ワッフルを作る/食べるという工程が大きな仕事をするのは、作品テーマに沿っている。
ジュリオは悪態をつきつつ、非常にテキパキとワッフルを作る。巧く行かなかったと呪詛しつつも、積み上げた努力はジュリオを裏切っていないわけだ。シュールな絵で面白かったな、テキパキクッキング。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
それが形式上のキラキラルの消失を乗り越え、ノエルに光を取り戻す。そのことでジュリオも救われる
『私は私、やりたいことをやる!』というエゴイズムの健全な肯定だけではなく、シエルの才が世界に生み出したものとか、突っ走ったことで見えた風景とかを拾っても良かったかな、と思うが、何しろ忙しいエピソードなのでやる余裕はなかったか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
シエルの不遜は掘り下げると面白そうなので、今後に期待
新戦士・キュアパルフェのお目見えは、センスの塊のような衣装デザインが圧倒的に強く、バトルでもビブリーちゃんを圧倒。蹄ブーツがすっげぇ凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
六人目でパフェ・アラモードらしく、五人の力をまとめて使っている感じも良かった。虹色というパーソナルカラーとも噛み合っている。
そんなジュリオ-シエル-いちかラインだけではなく、残りの四人とビブリーちゃんのセッティングまでしてくれるんだから、今週のノワール様は大車輪である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
まぁ新展開に入る前に削れる人数は削っておかないとね…明確に消失したわけではないので、再登場の目がある。あると信じよう。
ぶっちゃけ今回のビブリーは、妖精姉弟の面倒くさい旅路から、四人を切り離すための装置ではある。ボーッと黒い球体見上げながら、心配だけしてても辛気臭いだけだからない!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
しかしノワールに向ける狂った独占欲、『黒いキラキラル』の体現として暴れまわる姿は、痛ましい迫力に満ちていた。
転校生として学校に足場を持ち、話数を使ってプリキュアと交流したジュリオ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
風来坊として街をウロウロし、対話もなく暴力を振りまいたビブリー。
『敵』の描き方にも色々あるわけだが、個人的な好みとしてはヒーローは遍く衆生を救って欲しい。ビブリーのパーソナルに誰か切り込まんかな。
劇作的に見ると、ビブリーの仕事はノワール様本格参戦までの場を繋ぎ、キーフレイズである『黒いキラキラル』の背負い手をやることだけだったのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
キラキラした思いだけが人間のカルマではない。どすヨゴレた感情も力に変わるし、それもまたキラキラし直すことは出来る。
ジュリオとノエルが今回演じた闇から光への相転移が、ビブリーには(未だ?)無いのが不満なのかもしれない。まぁ今週そこまでやってる余裕は絶無ではあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
ガミーに見せたようなフォローアップを、ビブリーにも期待したいところだし、それは結構叶うんじゃないかな、と甘く見積もっている。
ノワール様はこれまでの出番の無さを補うかのように、獅子奮迅の大暴れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
現場で直接勧誘はする、弓は撃つ、ボロボロの幹部も最後まで使い切る。頑張り系悪の首魁であり、やってることは悪事なのに不思議な可愛げがあった。直接的被害が描かれてないのがデカイかなぁ。
今後ノワール様が抱える悪の理念が明らかになり、主役たちが立ち向かうべきロジックが言葉にもなるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
『プリキュア』が前提条件としていた『悪の結社』の構図を折り返しから作り、見せるという構成は、やっぱ『プリキュア』を解体・再構築しようという意思の現れに見える。成功するかなー。
プリモードはこれまで、『スイーツは物質ではなく心を宿す媒介。なので大事』という大まかな骨格はありつつ、主役五人が明確で太いロジックを持って悪と論戦する展開はなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
今後その領域に踏み込んでいくのか、はたまたこれまでどおりのフワッと路線を維持するか。そこら辺も注目である。
かくして天才パティシエは自分の不遜さを知り、それを飲み込んで再び立ち上がった。プリキュア化は心理的成長に伴う、一種のご褒美みたいなもんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
しかしその代償として、『弟の死』は重い。重すぎる。
その事後処理含めて、来週は今後を占う要の回となりそうだ…その割にゃ次回予告緩いが
しかしとりあえず今は、イケメン枠かと思ったらボッコボコに踏まれるポンコツで、クソみたいにコンプレックス拗らせつつ主役が背負えないカルマを背負って走りきってくれたジュリオに、お疲れ様と言いたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
お前がいたから、プリモードマジ楽しかった。必死で不器用で、可愛いやつだった。
いやオレホントさぁ…色々あって店にいつくようになったジュリオが、持ち前の不器用さと必死に取っ組み合いしながら、スイーツちょっとずつ上手くなってく未来、夢見てたんだよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
でもま、サブキャラにそこまでリソース裂けないシリーズだよねプリモード。英断といえば英断、処理といえば処理。
4クール全部かけて相棒の死を吹っ切れなかったゆりさんとか、期待の名エピソードを葬送に使った無印22話とまでは言わんが、『死』を描いたならそれを受け入れるためのセレモニーを、敬意を込めてやってほしいとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月16日
『その夜…シエルは泣いたんだって。涙が枯れるまで泣いたんだって』くらいな