アクションヒロインチアフルーツを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
檀家への圧力により、ホームである本堂を追い出された主人公一行。陽菜野名産感情拗らせた重力女が面倒くさく絡んでくる中、新たな打開策と可能性へと少女たちは飛び出していくッ! というお話。
相変わらず緩くてトンチキで青春ど真ん中。素晴らしいアニメ
今週は主人公・杏にライバル意識を燃やしまくる、絵に描いたような金髪ドリル金持ち・紫村果音のエピソード…と思わせておいて、杏のキャラを掘り下げる話だった気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
エピソード主人公である果音が強い感情を寄せることで、杏の陰影がはっきりしたというか、どういう人間かよく見えたというか。
今回杏が見せた最大の特徴は、『スイッチが入るととんでもない力を発揮する』ということだ。39度の高熱が出ても、雨のコンクリで足を痛めても、アツいセリフやライバルの挑戦があれば、理屈を超えて思いっきりやりきれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
元々の才能に特定条件で火が入る、変則的な覚醒型主人公と言えるだろう。
しかしそれは『誰かの声を聞いてより大きな力を出す』という、ヒロイックな資質ではない。杏は結構視野が狭く、それが猪突猛進な勢いを生むキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
これは第1話で妹のために頑張った美甘や、路子の面倒くささをちゃんと受け止めた会長とは大きく異るところだ。それが杏の主人公たる所以でもある。
果音が杏を求める、強く捻くれた気持ち。自分自身ですら気づいていないその思いを、当然杏は受け止めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
マイペースでゴーイング・マイ・ウェイ。空気を読まず、強い信念で思いっきり突っ走る特質が、ライバルの思いを空回りさせる。それが許されるだけの才が杏にある、ということでもある。
秀才の絶好調を遥かに上回る、スイッチが入った天才の不調。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
新体操にしろ、ランニングにしろ、ステージングにしろ、杏と果音の競争の背景には常にこの構図がある。笑いで包みつつも、結構残忍な構図だ。
全精力を傾けて杏を追いかけても、杏は果音を振り向かない。そらこじらせるわな。
そんな二人が対等に向き合い、ズレが修正されるのはアクションヒロインの現場である。下らないと否定していた特撮の現場に、暴走した感情に背中を押される形で飛び込んでいくことで、ようやく果音は杏を振り向かせるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
しかしそこはステージ、勝ち負けではなく観客の笑顔が大事な場所である。
流れに巻き込まれる形でステージに立った果音は、チアフルーツの仲間として、杏と関係を深めていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
しかし彼女はあくまで、自分を引きつけるライバルと白黒付けたいのであり、勝負に勝ちたいのだ。部活でも競技でもない特撮では満たされない欲求に、果音は今後どう向かい合うのか。
果音の想いをずれた角度で受け止めている杏を見ていると、そこが心配でもあり、楽しみでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
『気もそぞろでやってたら、新体操に失礼だから』で止めてしまう杏は、真面目は真面目なのだ。その現れ方が常識からズレているだけであり、そしてそのズレ方が彼女の力でもある。
『物を投げて、的確に拾う』という新体操の技術を盛り込み、打ち合わせ無しで一気に魅せるステージングは、二人のライバルが共鳴する場として強い説得力を持っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
路子はアドリブで収めようとし、果音は乱入して限界まで行こうとした。二人の悪役の立ち回りの差が、キャラ性の違いを伝えてくる。
周囲が見えるやつ、見えないやつ。裏方に向いてるやつ、スターをやるやつ。全体の統制を取るやつ、自分の才能で押し切るやつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
色んな輝きがぶつかりあうから、ステージも青春も面白くなる。そういう多様性を笑いの中でサラッと魅せる手腕は、やっぱ良いな、と思う。青春モノとして強いよねこのアニメ
雨中で見せた切れ味の良いアクションは、そこでなら杏と対等に向かい合えるという果音の答えであり、果音が相手なら全力以上を出せるという杏の答えでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
凸凹噛み合わないライバルが、今後どういうステージを作り上げるのか。そこに仲間がどう関係するのか。色々楽しみだ。
Aパートは果音の面倒くささ(と、それを加速させる杏の特性)を強調するため停滞気味だったが、Bパートは一気に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
廃ホームをステージに、人数増えた世帯で力を合わせ作り上げる。スキップ気味ながら、やっぱり小さな努力が積み上がるローカルな空気は最高に気持ちがいい。コンパクト&パワフル
問題解決の緩急が独特のリズムになって、見ていて気持ちのいい展開につながっている感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
ノリと勢いで押し流しているだけ…とも言えるが、タメてキャラをじっくり見せるパートと、問題をクリアしていく快楽はかなり計算された上で配置されている気がする。
小さな障害を多数用意して、それを各々の才覚を活かしつつ乗り越えていく気持ちよさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
新たなステージ作成もそうだし、アクシデントで足を痛めた後、路子のアドリブから果音の乱入に繋ぐアクションもそうだ。凄くベーシックで丁寧な問題解決の快楽が、トンチキコメディに埋め込まれている。
ギャバン、ポワトリン、けものフレンズ、快傑ズバット、ワタル、ゼロから始める魔法の書。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
ネタ多すぎて拾いきれないパロディやオマージュ、ボケボケの笑いの中に、凄く普通のお話の面白さがちゃんと埋め込まれている。この独特の硬軟バランスが、僕にはとても気持ちがいい。
みんなで相談して、考えて、ホームを文字通りの『家・拠点』にすると決める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
何が起きるかわからないけど、ドキドキ・ワクワクする気持ちを反映するように、ちょっと歪んだ魚眼でその全容を切り取られる夢の舞台。
緑が目に優しい色彩といい、あのシーンは絵に広がりと希望があってとても良かった。
第1話のダンボールステージにしても、このアニメは等身大の奇跡を切り取るのが巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
しょっぱい制約に縛り付けられつつ、それでもみんなで協力して、ホコリまみれの輝きを手に入れる。毎回そういう、体温のあるピカピカ感を出してくれるからこそ、ローカル特撮ヒロインに青春をぶつけるお話も輝く
先週面倒くさい道を歩いて仲間になった路子が、非常に頼れる実務担当者っぷりを見せてくれているのも含めて、やっぱ『みんな』の話になっているのが良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
それは同時に、それぞれ癖の強い『一人』だからこそ成立する話でもある。ここらへんのバランス取りも、やっぱ巧いなぁと思う。
先週と共通と言えば、既に出来上がっているサークルからちょっと離れた視点を軸に据えて、置いてけぼりで進んでいくメインの順調さ、置いていかれるキャラクターの寂しさを強調する構図は、先週の路子と今週の果音とで同じものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
輪に入りたいけどなかなか入れない。面倒で繊細な気持ちを描く手練だ
路子は想い人の人格完成度が高く、しっかりキャッチしてくれたので収まるべきところに収まった。キャップとして全体を統括するのが、会長のキャラクター性だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
しかし自由人たる杏は、なかなか果音を受け止めてはくれない。すれ違いは続くだろう。でもそれも、これからのお話を面白くする大事な要素だ
今後果音がどう馴染んでいくか、またどうすれ違うか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
お楽しみを抱えつつ、来週は心配していた著作権法と二次創作権益が追いかけてくる話だ。憧れとオリジナリティ、銭金と夢。
妙に生臭い要素をネたと笑いにまぶしてしっかり拾い、楽しく食べさせてくれるのもこのアニメ独特の味だろう。
先週『100万円儲けた!』と調子に乗らせることでやがて来る破局を予感させ、その禍が『自分たちだけのヒロイン』という独自性、ワクワクな福にも繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年7月21日
ここらへんの運び方も結構スムーズで、巧いこと障害とカタルシスを作るなぁと関心。ネタと愛情と技術と夢。色々詰まって面白い。来週も楽しみ