キラキラ☆プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
坪田エンジン大暴走、やってきましたゆかり回。『闇に染まった』とあるが、『闇に染まっていた』というか『自力で闇から這い出した』というか…なかなか独特の運びだったが、完璧だからこその歪みと寂しさを持つゆかり、彼女の周囲の人々が良く書かれていた。
完璧で妖艶で飽き性で寂しがりや。流石に半年以上付き合ってくると、複雑で分かりにくいゆかりのキャラクターも判ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
それはキラパティのメンバーも同じであり、厨房でコメディチックにネコちゃんの良さを語り合うシーンは、テンポが良くて面白い。たどり着くべき答えは、今回既に出ているのだ
ここらへんは同じくエリシオが精神攻撃をやった第27話とは正反対で、あの時は『あおいらしさ』を自分も他人も把握していない状態で、誘惑に巻き込まれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
今回は周囲の人々は既に、ゆかりの性格も面倒くささも可愛げも把握し、それを肯定した上で隣り合うことを選択している。既に許されている。
そのひだまりを肯定できないのが面倒くさいところで、ムード満点のデートでも、『みんな』に良い顔するあきらの善性を、どうしても受け入れられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
なんでも闇色に塗っちゃうのはゆかりの性分なので、それはしょうがない。後ろめたさで距離を取るのではなく、認めた上で間を詰める必要があるのだ。
最終的にゆかりは、エリシオの鏡の罠を逆に利用して自分と向かい合い、幼少期のトラウマを肯定し前に進んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
完璧に思えるゆかりも当然脆い少女で、それを乗り越えるためには自分が強くなる以外に方法はない。そしてそれが可能になるには、仲間の支えが絶対に必要になる。
外部の障害、仲間の支援、己の底力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
少女(というか人間)が成長するために必要な要素を丁寧に回収し、超絶面倒くさいゆかりをその面倒くささに溺れさせず、より善い方向に踏み出させる、良い少女小説だった。
なんだかんだ、凄く普遍的な『子供の物語』をやってるのが、ゆかりエピの良いところだ。
エリシオが能力を使う時、『ノワール・ミロワール』と言っているが、miroirは菓子の表面にゼリーを入れてテリを出す技法であり、原義は『鏡』だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
鏡に写った弱くて弱い自分。それはエリシオに都合の良い闇だが、一つの真実でもある。ちょっと"白雪姫"的な話だったかな、今回。
ここまでこのアニメ、基本的に主役のいちかが解決役を一手に引き受けてきたわけだが、今回は二重の意味で変奏があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
一つはゆかりが独力で闇の鎖を引きちぎり、新たな境地に跳躍したこと。ゆかりのタフさが強調されて、僕は良い解決法だと思った。位置賀にやらせすぎると、特権持ち過ぎちゃうし。
もう一つは独力での解決を導く、掛け替えのない仲間としてあきらが強調されていたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
王子様類型を背負い、確実にロマンスのお相手として描かれている部分もあるが、エゴがおもたすぎて『みんな』に踏み込めないゆかりの影を、あきらの強烈な光が照らす構図はやっぱり良い。
『みんな』に優しすぎるあきらの善性は、ともすればエゴのない非人間性につながってしまう。のだが、その根源に妹への偏愛があることを強調して、ちょうどいい臭みを付けていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
自動的に善というわけではなく、痛み含めて身内への思いがあればこそ、善人であることを選択しているあきら。やっぱ立派
デートの最後にあきらが言った「ゆかりの良さ」を、ゆかり自身が肯定する形で、今回の鏡との対話は終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
もしあきら(を代表とするキラパティの仲間)がいなかったら、ゆかりは傷ついた幼年期の自分を肯定できたのだろうか。そう考えると、今回の解決、独力のようで見えて強く他人に助けられている
無論、賢いゆかりは理屈では現状を理解している。でも、どれだけ頭が良くても(むしろ良いからこそ)感情が二の足を踏ませる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
ここら辺の心理を、キッチリ画面を割るレイアウトで強調していたのは面白い。ゆかりエピは心理派の演出が冴えるなぁほんと。あきらの影は花壇に邪魔されて見えない所とか。
マカロン下手くそな伏線を回収して躊躇したり、『完璧』を名に背負うシエルがアドバイスを入れたり。結構細かい目配せも効いていて、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
ひまりがグニャグニャに煮崩れつつ、綺麗なお姉さんとの交流を愉しんでいるシーンとかすっげぇ良かった。ああいう横の繋がり、ガンッガンやって。
完璧で、強くて、寂しくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
ゆかりはその能力の高さで構築したセルフイメージに雁字搦めになっとるわけだが、その奥にある靭やかさみたいなものには気づいていない。
ネコ特有のタフさと可愛げがゆかりにあることに気づいているのは、心に踏み込めない他人が先だったりする。
座組が自動的に産んでしまう『高校生が中学生に交じる』ヤダ味みたいなものも、ゆかりに心からの現状肯定を叫ばせることで、上手く弾き飛ばせたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
そういう所含めて、色んな『鏡』を巧みに使い、ゆかりの脆さとタフさ、優しさと危うさをよく混ぜ合わせた回だった。
ゆかりの闇を鏡にして、あきらはは真っ直ぐな善性が強調されていた。『みんな』のために己を殺しているようにすら見える彼女の、エゴイズムの在り処はどこか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月28日
来週のエピソードは綺麗に、今回の話を反転した構図になりそうだ。どう描くのか非常に楽しみだ。いい具合に少女出来ると良いんだが。