セントールの悩みを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
さらば虐殺、さらば差別。重たい先週が嘘のように、楽しいデートを男と女と女と女がする回…と見せかけて、ずーっと現代美術と美術について語ってる回。
ある種の看板詐欺が気持ちいいアニメなので、冴えない男が急にベンヤミンっぽいこと言い出したのは妙な面白さがあった
というわけで、きらら系名物『可愛いキャラがかなりどうでもいいことをダラダラと喋る回』である。本当に名物かどうかはわからん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
そこでモダンアートと、凡人芸術家家庭の懊悩をチョイスする辺り、やっぱこのアニメ変だなぁと思う。好きなポイントだ。
前半はモダンアートの文脈と、南極人のメンタリティ/政治的立場について。ごくごく平和なデートの裏側で、諜報機関が総動員なあたりに『南極人が哺乳人類の世界にいる』ことの意味が見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
ここまで警戒されるって、接触点はほんと凄いことになってそうだ、南極人類。
文化装置としてか、生来の傾向か。アートを蓄積する人類の傾向を、スーちゃんは理解できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
出来ないなりに学習し、理解に近づこうとのんびり努力してくれる人の良さが、断絶に満ちた世界では理想である。そういう意味で、南極人も哺乳人も共通して『よくわかんない』モダンアートは、いいネタか。
中史くんは謙遜してたが、アウラの拡散とアートの焼け野原、その後の文脈製造産業化はよくまとまっていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
素朴な時代は終わり、それでも新しい美を求めて人はのたくる。古くてもシンプルでダイレクトなものを大多数の人が素直に受け取りつつ、それで我慢できない人たちがもがく。
その果てに、モノそれ自体よりもそれが置かれた文脈、その説明であり文脈自体を生産するキュレーションが前に出て、あの現代美術館がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
このねじれた構造の前段階、素朴な美の積み重ね(って言うほど素朴でもないが)がスーちゃんにはわからない。ロジカルで、冷血だ。
アートがモダンになる前から、美術は常に文脈にあったし、評価という行動は常に評価対象それ単体では完結しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
配分が変わっただけなのだが、それで全ての様体が変わってしまったようにも感じられる。変化の足場はどこにあるのか、どこからが変容なのか。
そういうグダグダを結構真面目に触りつつ、高校生たちはデートしたり、デートを監視したり、デートの中で人生相談したりを愉しんでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
そういうふんわりした真面目な不真面目さが、ちょっと良いな、と思った。気分次第で色々ブレつつ、日常を謳歌できる平和さ。
まぁその裏には、カエルと人間のぶっ殺し合いとか、過去と現在の強制収容所とか、南極人との根本的な断絶とか、色々ブレないものがあるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
だからといって、高校生たちの呑気な日常が偽り、というわけではない。真実の一つの形として、あの後景はちゃんとある。
というわけで、Bパートはもう一つの現代美術館デートを描く委員長編である。委員長ところは家庭事情と感情の拗れ方に遊びが少なくて、タイトな運営してるなぁホント…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
経済的・社会的に恵まれてる姫サイドとは結構な対比で、そこだけ空気が違う感じもある。差別との分かりやすい明暗とも、また違う
芸術家と絵描き。ただ自分らしく突っ立てるだけで世界がチヤホヤしてくれるような天才は、世界の99.99%の人間にはない。非才を色々デコレーションして、プロデュースして、ようやく人間は流通可能な素材に変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
文脈依存なのはモダンアートだけではない、ということか。
そういう世界でなお、飾らない自分のまま輝きたい男と、それを愛しつつ振り回される娘達。幸せなのか、不幸なのか。愛情なのか、依存なのか。判断はなかなかつかないが、それもまた一つの形である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
幸せの形は家それぞれでいいが、委員長にしわ寄せ行き過ぎだなとは思う。
そういう絡まった状況に、御牧くんは気軽に、しかし真剣に踏み込んでくれていてとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
他人事と理解しつつも、節度を持って重い荷物を一緒に持とうと語りかけてくれる。愛である。
ふわっとした高校生の幸福から半歩踏み込んだ、生っぽい重さの愛情。それが委員長のそばにあることは、良い
完璧超人だって悩みを持つ。委員長のモヤモヤのガス抜き相手として。一人では背負いきれない重荷を、手伝ってくれる相手として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
人間力の高い小牧くんがいるってことは、やっぱ幸せなことだと思う。そういうパートナーが女性なのは、進歩的描写なのか、考えなしの百合敵消費/消費的百合なのか。
そこら辺の判断は保留するとして、委員長の面倒くさい家庭事情と、そこに寄り添ってくれる人がいる救いが見える回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月10日
スーちゃん達には『面白いトリビア』くらいもモダンアートは、委員長の家だとゼニが絡むリアルファクトなのだな。いろんな対比が面白い回でした。来週も楽しみ。