メイドインアビスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
アビスの呪いは帰らじの逆棘、常人には見えぬ憧れという呪い。世界観の根っこを解説しつつ、更なる謎と残虐が深化していく回。
冒頭に地上での呪いを描写することで、世界全体を貫通するアビスの存在感が、巧く出る話となった。
それに巻き込まれた子供たちの、純真と無残
アビスの呪いは不可視の力場であり、人を誘い込んで逃さない構造になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
世界の真実をなぜナナチが知っているのか、そもそもそれは真実なのか。
一つ謎が明かされるたびに、どんどん疑問が増えていくこと、それを解消するべくアクションを積むのが、テンポよくて良い。
ナナチが見ている、透明な牙に包まれたアビスの実像。これが事実だからこそ、格上のタマウガチ相手に奇襲をかけ、退散に追い込むことが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
ランダムエンカウントモンスターが余裕で未来予知してくる世界で、ガンガン潜れる白笛ってどんだけ人間やめてんだって話だが、その片鱗くらいには近づいた
火葬砲で焼き殺すことができなかったのは、自分の腕を守るために『鼻』を手放す一瞬の間に意図を読んで、回避行動を取ったからか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
あそこまで追い込んで詰めれないのだから、深層に適応したイキモノは桁が違う。それでも火葬砲を撃ったのは、ナナチにその威力を見せ、ミーティ殺害を決意させるためか
力場を認識でき、アビス生物のインチキ知覚を理解できるナナチは、彼らと同じくアビスに適応した生物だといえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
とんでもない姿と精神に変貌してしまったミーティも、同じ存在。チラホラ見える描写からは、それが望んでのことではなく、強制の結果であることが透けて見える。
アビスに適応することは、普通はミーティのような怪物になってしまう、ということだ。智慧と優しさを維持したまま、人型のまま力場が見えるナナチは、特別な存在なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
オーバードであるレグや、アビスで生まれて死んで生き返ったリコと同じだ。彼らはメイドインアビスの試練に合格したのだ。
合格できないと、ミーティのようになる。あるいは死骸か苗床か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
妖しくぬらつくアビスの煌めきは、あこがれと財宝で引き寄せた子供をけして帰さない。それは境界線を飛び越え、街にまで『誕生日の呪い』を撒き散らしている。
清廉な海に漕ぎ出すまで、母なる呪いは続く。逃げ場所はない。
キユイはジルオの助けを借り、街=アビスの影響圏内から逃げ出し薬師の力を借りることで、命を繋いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
リコはレグの力を借り/力になり、アビスの深奥にあるエアポケットに逃げ込み、ナナチの医術を借りることで、命を繋いだ。
穴から出るか、奥に入るか。どちらにしても、子供たちは必死に生きる。
レグが優しい黒笛のオジサン(あの状況下で子供を心配できるまともさが、殺伐とした展開でとても嬉しかった)にメッセージを託したのは、子供たちを飲み込もうとするアビスの貪欲に、彼なりに抗う方法の一つだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
もう返ることが出来なくても、そこには思い出がある。生きているなら声も届く。
黙って母に喰われ、同化されるだけではないというのはミーティも同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
醜い怪物に成り果て、言葉と知性を奪われても、ミーティはリコを温めよう/温めてもらおうとする。傷つけて食らうのではなく、寄り添おうと動く。
そこに意志がなくとも、動物と同じ本能だとしても、ミーティは優しい。
リコをベトベト濡らすよだれは、食欲の記号ではなく涙の代理品だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
人間であることを略奪され、怪物になった彼女は泣けない。澄んだ瞳は何も映していない…ようにみえて、ミーティはずっと泣いている。
混濁する意識の中で、リコはその涙を感じ、瞳を触れ合わせ、ミーティの涙を知る。
クソみたいに苛烈で強力なアビスの奥で、子供たちは結束し、母の同化圧力に耐えている。手をつなぎ瞳を触れ合わせることで、『お前もアビスになってしまえ』という引力に抵抗している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
その必死な姿を描く筆は、過剰な悪趣味とイノセントな祈りによって色づけられている。ヒドいアニメだ(褒め言葉)
あの仮面野郎がミーティとナナチをアビスに喰らわせ、生贄にしたのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
子供を食い殺して平然と『おかわり』を要求するなら、それはアビスの価値観と同化した行動だ。ミーティすら耐えている人間性の消失、アビスの引力に身を任せ堕ちていった結果か。むっちゃ許せんなマジ。
当たり前のようにあまりに巨大に存在する、アビスという世界律。満足を知らずに咥え込み、戻りの付いた牙で咀嚼する母なる暗黒。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
これに抵抗し、外側に出る、あるいは内側から貫通し切る欲望を抱いて、子供たちは冥府を歩いている。人でなしの場所で、人であり続けるように努力している。
苛烈な場所で人であり続けるためには、代価と資格が必要だ。伝説の白笛の娘、アビスで生まれ心で蘇ったもの。あるいは遺物そのものであり、伝説の白笛の同行者。望まざる実験によって、呪いと同化した成功例。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
そういう資質があっても、彼らは人間の形を捨て、あるいは血のションベンを流す。
そういう資格がなくても、ミーティは傷を負ったリコに近寄って、傷つけたり殺したりという欲望から遠く離れようとしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
善くあろうと必死に頑張ってるミーティちゃんを、ナナチは殺してくれという。可憐であるがゆえの無残を思いっきり飲まされた今回、その願いにはうなずける。うなずけてしまう
人間じゃなくなっても必死に人間であろうと、魂の一番奥底で戦ってるミーティちゃんを見せられただけに、ラストの引きは強烈だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
どうにかならんかなと願うが、どうにもならん場所だということもここまでたっぷり見せられた。人間から外れきってしまった存在に手向けられるのは、尊厳ある死だけか。
棘の生えた母の口腔に捉えられつつ、子供たちは必死に己であろうとする。『奈落製』の印を刻まれつつ、アビスのルールに同化することを拒んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
生きるか死ぬか…まともに死ぬことすら略奪されてしまった極限で、火葬砲だけが最後の希望となるのか。その地獄は、いかにして導かれたのか。
来週の一時間スペシャルは、ミーティとナナチがどうやって極限におこまれ、それにどう始末をつけるかを具体的に描くことになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月22日
序奏段階でこんだけキツいのに、フィルターなしの至近距離で叩きつけられたら僕はどう感じるのか。怖くもあるし、楽しみでもある。
次回最終回、期待して待つ。