シンフォギアAXZを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
さらば錬金術師! さらば四期!
五期への伏線をばら撒きつつ、わかりやすい怪物とかしたアダム曲長をボコ殴りにし、四期の物語に決着をつける最終話。
サンジェルマンの煮えきらなさが、響の胸に刺さって五期で活かされるのなら、ああいう書き方も良いかなと思えた。
というわけで最終回である。ラストに堂々『続く』と揮毫されたように、四期は五期を前提とし、一期から三期までの『シンフォギア』を整理・整合する繋ぎのシリーズであった気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
それが事件とキャラクターの中途半端さ、煮えきらなさに繋がってもいるわけだが。
アダム局長はカストディアン謹製のヒトの雛形(エルキドゥ?)であることが神コンプレックスの原因であり、人でなしの怪物になっても力を求める理由。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
なのだが、ここまであくまで背景として扱われてきたカストディアンへの恨みつらみは、あんまり切迫感がない。
涼子さんは持ち前のキャラの濃さ、味方から敵に転化するだけの情念の濃さで乗り切っていたが、アダム局長は意図的に薄っぺらい無能として造形されていて、背景設定と現実のドラマを繋ぐだけの熱量が、キャラに足りていない感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
煮え切らないという意味で、サンジェルマンとよく似ている。
正確にはグツグツ沸騰しているのだが、その熱量に紙一枚フィルター入っているというか。単純に、シンフォギアらしいケレンに舌が慣れて麻痺してきているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
昔と同じことをしても刺さらないのに、昔と同じフォームでやらないと既存ファンへの裏切りになる。長期シリーズは難しい。
そんな不自由さを感じつつ、殴りやすい怪物にバルクアップした局長とのラストバトルは、流石に殺陣に工夫があって、見てて面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
ドラマの盛り上がり的には先週ラストで終わっていて、ある意味消化試合なのだが、響に全リソース回して勝利する展開は、来期への動線にもなっていたのではないか。
ゴミのように踏みにじられたティキの純情が、彼女が好きだった視聴者としては寂しくもある。他人の心を推察できない、自分のバカさも自覚できないクソガキなんだが、妙に愛嬌があったなぁ……そこを踏みにじるからこそ、アダムの救えなさが強調されるのだろうが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
響は原罪なき救世主、神を殺す人類代表として、ジーザスとスサノオとギルガメシュを混ぜ合わせて女の形に造形したような、設定山盛り人間になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
主役力が上がって良いことだが、一期から話の根本にあったバラルの呪詛…ディスコミュニケーションという人間の業と戦うのは、なかなか大変そうだ。
アクションと台詞のケレンで、細かいところを蹴っ飛ばして勢いで押し切れるのがシンフォギアの強さであり、らしさであると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
しかし錬金術師との交流のなかで思い知った、拳で解決できない複数の正義、それを生み出すディスコミュニケーションは、ケレンで押し流してはいけないシリアスな業だ。
五期がバラルの呪詛に挑む総決算になるのなら、ここまで散々悩み苦しんできた響はもう一段階、どうしょうもない人間のカルマに飲み込まれ、溺れる必要があると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
一少女として可哀想だし、そこでグダグダするのは散々やったでしょ! という危惧もある。どう料理するのか、楽しみだ。
四期は未来の使い方がとても良くて、英雄・立花響の人間性タンク、変えるべき場所として印象的に描かれていた。神ヒビキが一発説得される流れに納得できる辺り、未来さんは無敵だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
そんな日常の象徴、小日向未来が救世主の影として、再び運命の渦に巻き込まれることを示唆して四期は終わる。
何度も死にかけたり、脳みそイジられたり、さんざん不幸な目にあってようやくたどり着いた、未来さんのひだまり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
五期ではそこも土足で踏みにじるようで、せめて優しく踏んでほしいと祈るばかりだ。少女が戦士になる悲惨を前に、良心を麻痺させないのはシンフォギアの良いところだなぁと思う。
誕生日の喧騒から少し離れ、薄暗いベランダで恋人達は語らう。未来さんが代表し、皆が遠く楽しんでいる光から、錬金術師との戦いを経験した響は遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
世の中いろんな正義がある。ここまで迷うことなく、『みんなの幸せ』のため拳を振るえていた響に生まれた迷いは、どう育つのか。
薄暗い揺らぎの中で、響がギリギリ光に立てているのは未来がいるからだ。己の生誕を祝う祭りの喧騒に、響が足を踏み入れるシーンは直接描かれない。それはおそらく、五期で立ち向かう巨大な敵になるからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
象徴性高く、しっとりと響の心象、未来との関係性に踏み入ったベランダのシーンは良かった。
他にもJIJIMORIが悪魔の誘惑に身を委ねていたり、色々不穏な要素がある。何しろ『つづく』なのだから、スカッと全部解決! してしまっては後がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
しっかりやりつつ、やりきらない。熱を上げつつ、煮込みきらない。四期っぽい最終話だったなぁと感じた。面白かった。
火力だけに頼らない描き方はたしかに勢いを削いだが、それ故シリーズ全体を再度並べ直し、今『シンフォギア』がいる位置を冷静に計測する仕事は、ある程度以上達成できたかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
ここまで続いちゃうと、色々不都合がある。自作内部で批評も入れ込まないと、自重で破綻するからな。
過去要素を伏線として再定義することは、『あのシーンにあんな意味が!』『俺の好きなあの要素がこんな使われ方を!』という、マニア(と言うか僕)向けのファンサービスにもなっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
そういうことが出来る(しなきゃいけない)ものとして、制作陣は『シンフォギア』を捉えている、ということだ。
己の姿勢、立ち位置を確認しながら歩かなければいけないほど、シンフォギアというコンテンツ、物語は大きくなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
今回もこれまでの物語でタメた経験値、それを使って強くなった能力を『いかに全力で使わせないか』に苦心していた形跡が、そこかしこにある。
本気の本気で殴り倒すパワー勝負の作劇が持ち味だけに、そういう状況になっているのはなかなかに難しいと思うが、それでも『シンフォギア』を諦めず、勢いで押せる所は押し込めるよう、アツい鉄火場を用意する努力を惜しまなかったのは、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
新しい殺陣をとにかく盛り込んで勢い出すの好き。
総じて小粒で煮え切らない物語だったといえるが、コンパクトに設定した強みは最大限に生かされ、独自の意味と楽しさのあるシーズンだったとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
切ちゃんのアーパー加減にセルフツッコミが入り、『モチベがないのがワタシのモチベだッ!』と開き直ったの、凄く良かった。
後マリアがディフェンダーとしての才能を存分に開花させ、有能だったのも良かった。linker周りをエルフナインと一緒に解決することで、FIS組の窮屈さを壊すことも、四期の狙いだったのかなぁ。それは大いに成功していると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
あとクリスちゃんのトラウマ解消もか。色々整理したなぁ。
こうして整えた道を駆け上がり、五期がやってくる。どんなお話になるか、ひびみくがまた酷い目に遭うのか、心配ではあるが期待も高まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
パヴァリア光明結社との騒動自体が、四期内部で収まりつつ五期への序奏って感じだからなぁ…五期でモチーフをどう解決するか見ないと、評価しきれんね。
自分たちがどんな場所にいて、何を目指すのか。そのために必要な物語は何か。それを製作者が見据えていることは、しっかり解る四期だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
なんだかんだアツくバカバカしいシーンも多々あって、アツい『らしさ』と冷静な『らしくなさ』両方味わえました。
面白かったです、ありがとう、お疲れ様。