Wake Up, Girls! 新章を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
映画三本TVシリーズ二本、リアルワールドでの活動がてんこ盛り。色々あったWUGも新体制でリブート開始。
Ordet時代の癖の強いエグミを取り除いて、かなりストレートな地方アイドル物語として再出発する意思を感じる第1話となった。
とは言うものの、『フツーの話』に寄せてこう、という意思は映画二作目(以前の、TV版後半あたり)から滲んではいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
露悪的であることがリアルであると、ニヒリズムに擦り寄れば現実的であると(あえてこの言葉使うが)勘違いしていた舵は、結構早いタイミングで切り替えしたシリーズではあるのだ
しかし序盤に落ちた汚れはずーっとシリーズに染み付いていて、まっすぐなピカピカ青春ストーリーをやりきるには生臭く、弱々しく、熱のない仕上がりになってしまっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
要所要所に光るものはあるのだが、ベース部分に照れと弱腰が抜けきらず、オーソドックスに走りきれない弱さがあった。
一部の製作者が入れ込んだほどには、『アイドルのリアル』『リアルのアイドル』をアニメ視聴者は望んでいなかった…というか興味すらなかったことが、一つの大きなミスマッチだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
『アイドル』という看板がまとめ上げる、人が前に進み光り輝く物語を楽しみたい。それが大一欲求だったのだ
それはとても漠然とした欲求であり、それに応えるべく現実をフィルタリングし、物語に使える形に整形するのが創作の技芸でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
マニアックな現実を創作に盛り込むにしても、適切な形に枝葉を落とし、飲み込めるよう気を配って盛り込まなければ、リアルは『リアル』として機能しないのだ。
現実のアイドルが積み上げる歴史、文脈、物語。それ自体に興味を持っている人は、アニメ見ずにアイドル見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
アニメ見る人にアイドル見せるためには、アイドルをアニメイトしなければいけない。そのために必要なのは、腐敗した現実を現役そのまま流し込むのではなく、劇作のフィルタで濾すことなのだ
さて、そんな前置きを経て新章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
眼力が強く、お人形のように伸びた手足が印象的なキャラクターデザインからして『一新』を押し出しているわけだが、中身の方もかなりリ・シェイプされている。
『普通』の物語の予感を随所にはらみつつ、過去の遺産を継承し、変えるべき所は変える。
『一回天下は取ったけど、それじゃ世界は変わらない』という、新デラストーリーのその先を扱う今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
仙台ローカルでなんとなーく満足してしまっているWUGの緩み方は、なかなかいい具合に描けていたと思う。映画で過剰に持ち上がって間違えたのと、逆向きの間違え方かな?
お菓子いっぱいの楽屋、手作りのシュシュ。ローカルであることの家族的な強さは、そのまま緩みにつながっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
落ちぶれた王者だからこそ、張り詰めた緊張感を維持しているI-1との姿勢の違いが、見ていて面白い。アイドルサイボーグ軍団って感じだもんな、舞台袖のI-1。
ちびっこセンター萌歌が新キャラデザとの相性が良くて、妙に可愛らしいわけだが、彼女が背負う体育会系の張り詰め方を、WUGが真似すりゃ問題解決、というわけではなかろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
WUGはWUGなりに、何らかの目標、何らかの答えを探す必要がある。それが現状維持でも、探した先にあるなら良いと思う
何しろ『仙台』というリアルな場所を背負ってしまっているので、『東京に出てビッグになる』というシンプルな都会派サクセス・ストーリーは出来ない。つーか映画で否定した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
しかし、緩んでしまっている現状は宜しくない。答え探しと同時に、問題点を洗い出していくのが今後の歩みになるのかな。
なかなかクリティカルな答えを見つけられないWUGちゃんを、松田と社長は結構頑張って支え、舞台を用意していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
『何もしない、物語に居場所がない』ことがキャラ立てだった松田が、そこそこいい感じにマネジやってくれているのは感慨深くもあり、『やっぱ最初からそうしておけ』という感想もあり
全国ツアーというデカい箱に、何を詰めて何を生み出すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
兎にも角にも状況は動き出したし、現状がかなりダメなのはよく見えた。
手書きステージへのこだわりを捨て、3Dモデルを活用したのは良いと思う。カメラワークにメリハリが薄く、ステージの圧がないのは、成長後を際立たす前フリか?
そんなWUGを取り囲む環境も、結構変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
現実の『ポストアイドル戦国時代』を反映して、奢れるI-1も久しからず。ロコドルもバッツンバッツン潰れている。移り気な世間はアイドルに飽きつつあるけど、アイドルのど真ん中にいる人達は、そうそう無責任に撤退できない。
他のロコドルのように解散の危機が迫るわけでも、天下取れるわけでもないハンパなWUG。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
やっぱり新章は、その曖昧な状況の中で『何が問題なのか」を捕まえ直すところから、物語が始まるのだろう。今回も緩んでるって状況自体は見えたけども、それがどこから生まれてるのか分かんねぇしな。
そんなWUGも誰かの夢になって、追いかけられる立場になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
過去作では汗臭い大田たちが一身に背負っていた『ファンの立場』というものを、可愛い女の子三人組に半分譲っているのは、新章がどういうリブートをかけたか、一番わかり易い指標かもしれない。
俺大田大好きだけどね。彼がWUG
歪んだ鏡のように、暑苦しすぎる限界オタクを可愛い夢物語において、コメディ・リリーフと状況解説役を担当させるヒネた姿勢から、WUGが達成してしまった『ゼロからの青春』を背負える半分ファン、半分アクターの若人を投入してくるスタンスへ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
やっぱ『普通』に寄せてきてるなぁ。
それは足場をしっかり固め、速いストレートを投げれるようになったということであるし、皆が投げてる速球で勝負するしかなくなった、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
旧WUGはストライク取れるかは別として、唯一無二の魔球ではあったもんな。ビーンボールでもあったけど。
I-1新体制が露骨に指原とW松井を参照してたり、現実のアイドル栄枯盛衰を背景として組み込んでたり、土っぽいオリジナリティはやっぱ健在だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
それをどう物語の燃料に変え、あくまで『アイドルの物語』を求める視聴者に食わせるか。やっぱそこが、勝負どころだと思う。
『普通』の話は、別に走りきるのが楽ってわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
数多の物語でコンバットプルーフされた類型を使うにしても、それに個別の光が宿らなければ、ただのありきたりになってしまう。
ドラマを成立させる感情の熱量にしても、借り物をコピーすれば即座にバレて、視聴者は醒めていく。
ストレートでバット振らせたいなら、やっぱ本気で投げなきゃダメなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
そしてこの第一話、『フツーに投げます』という意思表示としては、結構良かったと思う。大事なのは、そのサインに似合うだけの速度と熱量、説得力と運命を、物語に盛り込めるか否か、ということだ。
それは今後、今回うっすら出てきた緩みをどう具体的なイベントで表現し、キャラに対峙させ、乗り越えるドラマを作るかで決まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
いろんな性格のアイドル集団がいること。グループ外部に広い視野を持てていること。新生しつつも、WUGの良い所は死んでいないとも感じた。それを活かし、どう語るか。
WUG内部の部活動めいた心地よさを巧く切り取った今回だが、それはプロとしては甘すぎる。全国ツアーに向けて走る中で、WUGはどう変わるか。そのための設計図を捕まえるところから、話は始まる…んじゃないかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月11日
ともかく次を見ないとなんも言えないし、次を見たいと思える第1話だった。楽しみ