アイドルタイムプリパラを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ついに復活なった時の精霊、ファララ・アラーム。彼女の口から語られる古代プリパラ文明の真実、哀しき夜の宿命。
しゅうかのプライドに火がついた描写もあり、ライブ三回と新アイテム販促と新キャラへの感情移入とキャラ間の情報共有を一気にこなす、山盛り転換点。
というわけで、凄まじい量の設定開示とイベントがてんこ盛りの回である。アバンを飛ばし冒頭いきなりのライブから引き込む構成が、特別感を巧く出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
エピソードの特異性と構成が噛み合っているのは、体温上がっていい感じだな。ファララ復活を密室ではなく、観客込でやる流れもスムーズになる
サブタイにもあるファララの復活はあくまで時限的なもので、本格的に彼女を目覚めさせるためにはガァララの夢盗人、それを生み出すシステムの歪みを解消しなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
世界をより善くする長期的目標を前に、メインキャラ間、メインとモブの間の情報格差を埋めていくのが、今回の仕事の一つ。
ここで問題が観客を巻き込んだパブリックな領域に入って、『選ばれた特別な存在』に解決を委ねつつも、パーソナルで閉じた領域で解決しないのは『みんな』を大事にするプリパラらしいなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ファララの問題は彼女と直接話す個人の問題であると同時に、システムと夢、共有地の問題でもあるのだ
そんな精霊(ボーカルドールとはまた別種の電子神格なのかな)はアイドルでもあるので、ご挨拶代わりに新曲お披露目。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
神々しさよりも先に、アゲアゲでガーリィな可愛らしさが飛び込んでくる”サンシャイン・ベル”は、3Dモデル、楽曲ともにいい仕上がり。
光源の表現力が、更に一段階上がっていた
ファララとガァララは時間の精霊なので、光の表現で時間経過をステージに持ち込み、モチーフをステージアクト全体で骨太に表現するのは、とても良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
彼女が歌うと時間が進み、花は咲き乱れ日は進む。おそらくこの先あるだろう、ガァララの夜のステージにも期待が高まる、ポップな神話性だった
冒頭、実利主義での目標は果たしたので名古屋に帰ろうとするしゅうか(ミミ子が繋がった絆が切れてしまうことに、寂しそうにしている描写がゴッドナイス)が、ファララのステージに目を奪われているシーンが印象的。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
基本他人を認めない彼女が、ファララのステージには『特別』を感じたのだ。
稼いだゼニは、自分のために使う。最短距離を最高効率で走り抜ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ファララの厄介事を背負おうというしゅうかの提案は、これまでの彼女らしさを大きくはみ出した『らしくない』行動だ。
そうさせるぐらい、神様のステージはしゅうかの心に刺さったのだろう。女が女に目を奪われる瞬間である。
しかし精霊経済は金ではなく夢で回っているので、そこではドリーム・リッチであるゆめが一番強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
しゅうかの『金』が『夢』の対立概念ではなく、むしろそのブースターであることはここまででも描写されていたが、ここでは黄金の虚しさ、現実と神話の乖離が強調される。
グランプリという分かりやすいトロフィーを手に入れ、現実界で文句なしの勝利になったしゅうか。これまでの彼女の生き方では、そこが夢の終わりだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
だが、ファララへの興味と『敗者』としてねじ伏せたはずのゆいが『勝者』になる捻れを前に、彼女のプライドは傷つく。
それは自分が信じる『金』のロジックとは別の、『夢』のロジックが現れたからねじ伏せたい…と言うだけではないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
自分が目を奪われた少女が、自分が勝ちを認めていない少女を優先する。嫉心、あるいは羨望。ファララを頂点に描かれる、ゆいとしゅうかの感情の三角形が熱いな。
ステージが終わり、時計塔で色々設定が語られれるわけだが、やっぱりガァララは生まれついての悪というよりも、世界の理不尽に傷つけられた子供であり、愛を見失った哀しき迷い子であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
そーだよなぁ、プリパラが『純粋悪』などという無邪気なもん、作品内に置くわけないもんな。
夜と昼に切り分けられた精霊の宿命。ファララは繁栄と交流の只中で恵まれた日々を送り、ガァララは夜の闇の中で孤独に苛まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
世界はそういうものとして生まれ、ガァララと原理的に同じ時間にいられないファララは、ガァララの憧れも憎しみも、自分のものとして受け止めるチャンスがない。
冒頭のゆいらぁステージからファラらステージ、楽しそうな古代プリパラと、昼の賑やかさと優しさをたっぷり描写した上で、そこからたった一人切り離されてしまっているガァララの寂しさを対比してくる筆が、非常に冴えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
たった一人、『みんな』で『楽しい』という『当たり前』から隔離された夜
昼の繁栄は夜の孤独を踏みつけにして成立しているわけだが、システムがその境界線を明確に定めてしまっているので、精霊たちは対話できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
語り合い、お互いのステージを応援し合えたなら救いもあったのだろうが、そこはプリパラ、クソシステムのゴミカスっぷりは証明済みである。
残酷な宿命を乗り越えるためには、条理をひっくり返すしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
哀れな主のためにまずパックが暴走し、夢の舞台を成り立たせている夢を燃焼させて、『夜が昼の領域で目覚めている』という奇跡を叶える。
夢を略奪して夢を叶える構図がやりがい搾取のブラック労働みたいで、ゆるふわエグかった。
そして現実化した奇跡を前に、ガァララもまた歪んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
昼起きていたいと願ったのは、アイドルが好きで、プリパラが好きで、そこに集うみんなとお話したかったから。でも、その願いを叶えるとプリパラは破綻していく。
友愛に満ちた初期衝動は、夢がかなった現実の前で摩耗し、形を歪めていく。
たった一人、自分の意志に反して運命にさいなまれるのが辛いから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
被害者だったはずのガァララは、精霊としての超越能力を振り回し、勝手に夢を略奪し世界を荒廃させる加害者になってしまった。
その捻れは、未だ秘められた構図だ。少女たちは、たっぷり出てきた設定に戸惑っている段階。
世界の命運を巡るデカい話はらぁゆいの専売特許だったんで、今回にの&みちるとしゅうかを引き込んで、情報共有とモチベーションの平準化を図ったのは良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
温度差はどうしても出るけども、知ってると知らないじゃメインストーリーへの噛みつき方が段違いだしねぇ。
特にしゅうかは、ファルルのステージに何か特別なものを感じ、自分を曲げてでも助けようとした描写を入れたことで、精霊たちの物語にガッツリ噛み付く足場ができた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
夢の体現者であるゆいと、現実主義の権化しゅうかの捻れは、昼と夜の精霊のすれ違いにどこか似たものがある。
ファララはゆいを自分の代闘士(チャンピオン)として選んだわけだが、それに対立するガァララは、同じように夢への態度がネジレたしゅうかを選ぶ展開になるのかなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
世界規模のデカい話が、うまーく感情と憧れを引き寄せ、小学六年生レベルに接近している感じがある。ナイスな運びだ。
ガァララは愛ゆえに望み、夢ゆえに歪んだ、アイドルたちの哀しい鏡像である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
とすれば、アイドルがするべきは否を問い正すことではなく、彼女が見失ってしまった初期衝動、アイドルを夢見た過去を思い出させてあげることだ。ミミ子周辺のエピソードと、構図としては同じやな。
そうやって助けてあげなければいけない理由付けは、寂しい夜と賑やかな昼の対比、宿命に耐え続けたガァララの描写で巧く後押しできたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ああいう詩情のある描写がしっかりあると、作品中のモチベーションを視聴者に引き寄せることが出来ていい感じだ。
荒れ地を開梱し、アイドルの教えを世界に広げたゆいの虹色大暴走は、宿命に捻じ曲げられた夜の精霊に、愛をとりもどす戦いへとシフトしつつある。完全に世紀末救世主伝説で、YouはShock! って感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ゆいのアイドルとしての特殊性は、エゴまみれの夢が気付けば広がり、観戦していること。
ゆいは物語が始まってからずーっと、とにかく自分が好きだから、面白いから突っ走っている。他人は目に入らないし、考えもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
でも、その我武者羅さが無茶苦茶なパワーを産んで、色んな奇跡を果たしてきた。思いが他人に届いて、生き方を変えるのって実は、かなりとんでもないことなのだ。
とは言うものの、ゆいは気立ての良い優しい子で、自分の夢以外には博愛精神を発揮しもする。そういう優しさが、持ち前の強さで人を傷つけるのではなく、勇気づける方向にガイドしてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
そのバランスの良さ(と無茶苦茶さ)が、ゆいの主人公としての特殊性であり、アイドルタイムの方向かなと思う
夢を即座に現実にしてきたしゅうかが、そのスタイルでは救えない理不尽を前にして、どう動くのか。そこに夢の体現者たるゆいがどう関わるか。溢れ出る虹色の夢は、ガァララを苛む渇望と孤独、身勝手さを救いうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
今後の展開も色々想像が膨らむ、良い設定開示回だったと思う。
物語全体が舵を切った拍子に、新アイテムも思いっきり販促してきた。ハープとマイクを接合するのが『双刃神撃龍剣究極形態(ツインエッジ・ゴッドゲキリュウケン・アルティメットモード)』みたいで、カッコいいと思いました。(ニチアサキッズに先祖返りマン)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
これで『世界と精霊の救済』『夜と昼の運命改変』というデカいネタが全員に共有されたわけだが、それはそれとしてトンチキで地道な小学生ライフは元気に描写を続けてくれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
そういう足場をちゃんと描くから、デカイ話にも説得力が出る。アイドルタイムの泥臭さは、強さだと思っている。
にのの夢探し、みちるの人格乖離、『夢』のゆいと『現実』のしゅうかの対話。やることはまだまだたくさんある。とても楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
来週は久々のダンプリ回。気のいい連中の再登場に、俺の気分も騒ぐ。あの夏を踏まえて、ショウゴ兄ちゃんが妹相手にどれだけデレるか…なんだよなぁ。マジ楽しみです。
追記 貴方に白い花の祝福を
アイドルタイム追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
『時計塔の中で永遠に眠る、美しい人形』『彼女を目覚めさせるために、夢を回収する少女』というゆいファラの構図はすごく綺麗であり、様式美をきっちり抑えたモチーフだと思う。
そこに『人形の踊りに目を奪われ、選ばれなかった自分に憤る少女』が滑り込んで来た。
ゆいとファララとしゅうかを巡る三角形は、すごくロマンス主義的だし、各要素の積み方(庶民とお嬢様、嫉妬渦巻く地と無縁の天、夢と現実)も正統派にロマンティックだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
ネタがいちいち強烈なんで、そういう綺麗さって見過ごされがちだけども、怠けずきっちり様式踏んで、エモさ上げてるのは強い。
プリパラに王子様はいない。お姫様は自分で衣装を作り、歌い踊り、少女の憧れとして己を高める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
眠れる森の美女にキスする特権を巡って、二人の少女王子は今後バチバチやりあうだろう。そういう童話的構造を透かし彫りにしているところも、アイドルタイムの好きな部分だ。さて、今後どうなるかな。
主役特権と過去の蓄積でアド取られて、ファララの視線が一切向いてこないしゅうかの片思い描写がマジ切なくてな~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
夢は絶対現実にしてきた女が、どうあがいても独占できないものとして、精霊の寵愛が高い高い場所にあるわけですよ。それを一回ぶっ飛ばしたど平民が、素知らぬ顔で受け止めてる。
個人的願望を言うと、地獄みたいに感情が拗れて、地獄が現臨して欲しいところです。ガァララの闇の戦士として、ワンチャンゆいと正面衝突。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月1日
まーたファララの象徴花が『白百合』だからさぁ…花言葉は『純潔』『純粋』『尊厳』。聖母マリアにガブリエルが送った花。あるいはヘラの母乳から生まれた花。