アニメガタリズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
夏…熱気と汗の臭いと行列が渦を巻く、コミケの季節であるッ! って感じで、だんだんアニメが細胞になってきたみのあの夏コミ初挑戦回。
あえて同人誌領域に踏み込まず、企業ブース触って帰る道行きが、逆に真を捉えたな、と思う。その分『アニメと中国』も触る感じ。
ここまで学校と部室で進んできたアニメガタリズだが、夏休みに突入し、みのあも実作品を楽しむ所まで来たので、舞台が一気に外に出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
開放的でいい感じだが、どっしり時間使って『コミケ会場に入るまで』のしんどさを描く筆は、”楽しいだけじゃない試されるだろう”って感じであるい。
今回は夢っぽさと生っぽさのバランスがとても良く、細かいノウハウを溜め込んだ歴戦のオタク兵士と、完全ド素人のみのあと、経験豊富な売女を装うイベント処女の有栖、それぞれを上手く使って『コミケ』を描いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
素直に『知らない』っていえる分、ド素人のほうが楽なことってあるよね…。
自分色にみのあを染めようとするオタク共が、どしどし押し付けてくる作品をガンガン食べて、胸に膨らんだ『好き』をどんどん出力する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
みのあはアニメが好きになる過程を非常に理想的に歩んでいるし、アウトプットも徹底してポジティブで強い。『好き』を気持ちよく外に出せるやつは、軒並み強いね
元々自分の『好き』に熱く夢中に慣れる姿を見て、なんもない(と思いこんでる)自分と比べて、アニメに惹きつけられたみのあ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
アニ研という『場』を確保・守護して、実作品にどんどん触れて心が動いて、自分なりの『好き』を出力出来るようになってきたのが、冒頭の早口シーンである。ええシーンや。
アニメを足がかりに憧れに近づいていく、みのあ主役の基本線。これは非常に順調に進んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
このままポジティブな色合いだけが付いた『好き』をどんどん出力して、周りの人をいい気持ちにさせる人間になっても良し、『好き』の細やかな色合いを言語化出来る存在になっても良し。可能性は無限大だ。
一方、有栖もまた変化の道を進んでいるが、その道はみのあのように真っ直ぐではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
自力で並んで、みんなと一緒にコミケに行く。自分を素直に、偽りなく出力する。ツンデレ強がりお嬢には、みのあがナチュラルにやり遂げる変化が結構難しい。
この二人の主人公の対比と交錯は、見ていて楽しい。
いざとなったらセバスを呼ぶし、コミケ全然知らないのに歴戦ぶるし。なまじっか机上演習ばっかり積んだばかりに、色々拗らせてる有栖。まぁオタクだしな、しょうがねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
そんな彼女がチマチマ間違えつつ、部活仲間や新しいツレの助けを借りて、ジワジワ人間を育てていく物語も、このアニメの軸だろう
そういうジワッとした変化を、コミケに行くまでの苦労にかなり尺を裂き、疲労と体臭と喜びが伴う生身のイベントとして描く筆が補う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
今回のあるあるは身体性があって、とってもいい感じだった。飲み物とトイレ。人間の根本的な活動が入れ込まれると、ファンタジーは途端に重力を手に入れる。
まぁ言うたかて、僕がコミケに足を運んでいたのは10年以上前で、現場は僕の脳内より遥かに変化しているのだろうけども。でもまぁ、あの日差しと汗臭さと紙の重さとすれ違いざまのネットリした冷たさは、いつまでたっても変わらんのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
そういうところにアプローチできてた描写だと思う。
みのあのオタク発達加減を考えると、同人要素をすっぱり切って、企業ブース軸で展開させたのは正しいと思う。今のみのあに必要なのは、ハードコアな二次創作ではなく、よく整理された一次創作商品なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
そしてそれは、今オタクカルチャーの入り口に立つ、みのあに似た人々に通じる描写なのだろう。
みのあがもっとオタクとして進化(あるいは人間として退化)した冬に、客として(あるいはサークルとして)コミケに参加する話が来るかもしれんしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
そうなるとまた別の角度からコミケを描けて、立体感出て面白いと思うが。クリエイター方面に切り込むアニメなのか、まだまだ判らんけども。
同人要素をすっぱり切ったスペースで、今回描かれたのが中国人アニオタ・ヤンベイベイちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
同好会が外に飛び出すと同時に、国籍も所属も違うオタクとの交流が生まれる。場所の変化と物語の変化が巧くシンクロしてて、なかなかいい感じの運びだった。一段落付いた今回、解放のエピソードなのだな。
ベイベイちゃんもみのあににた人格強者で、袖すり合った他生の縁を大事に育んでくれるし、助け合いの精神は忘れないし、他人の『好き』を受けて自分の『好き』を返すポジティブなコール&レスポンスが成立している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
薄暗い部分も笑いでコーティングして、とにかくポジティブにすすめるのは作品の味か
エリカ先輩もそうだったが、『オタクカルチャーは国境を超える!』つうのがこのアニメの主張だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
制作協力にCFAが入ってるこのアニメ自体が、オタカルチャーがワールドワイドな共通言語となった状況を証明しているとも言える。アニメを語るのなら、海外との関わりを無視するほうが嘘なのだろう。
コミケにしても『アニメと外国』にしても、今回の描写が取りこぼした薄暗い部分はたくさんある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
でもま、とにかくポジティブにポジティブに進めていく、無邪気な明るさを頑張って作り上げようとするこのアニメのスタンスが僕は好きだ。陰りを描けば、無条件に『リアル』になるわけでもないしね。
そういう前向きさを活かして、ベイベイちゃんとっておきの笑顔で気持ちのいい出会いを締めくくる見せ方とか、とっても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
先輩が言っていたとおり、アニメが縁になって、ベイベイちゃんとは再び出会うのだろう。再登場が楽しみだ。
待ち時間でニチアサの話になっていたが、制作当時は時間帯再編でニチアサが上方向にズれる事態は、想定してなかったんだろうなぁ…生のネタを扱うフィクションは、こういう綻びが面白くもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
プリキュアネタでEDダンスを引っ張ってくるとことか、結構好きですね。マエケンさん……。
というわけで、形にならない『アニメガタリズ』をするようになったみのあの変化、『金持ちイキリ図上演習オタク』という枠から半歩はみ出してきた有栖を軸に、コミケとチャイナをポジティブに、体温込めて描くエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
こういう身体性のあるネタ、ドンドコやってくれると嬉しいやな。
みのあが『アニメに熱心な誰か』に憧れる段階から、『アニメ自体』に自分が飛び込み、自分が夢中になる段階へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月6日
主人公の変化がお話をどう引っ張っていくのか、それに巻き込まれて他のキャラクターはどう前進していくのか。やっぱ青春の話に必要な、呑気な躍動があるアニメだと思う。来週も楽しみ。