Code Realizeを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
明かされる驚愕の真実にホームを飛び出したカルディアの前に、人間の善と悪が交錯する。己の存在意義に悩む彼女の前に、颯爽登場、怪盗紳士!
ルパンルート大確定な、決戦前夜の地ならし回。敵の本拠地、スチームパンク大聖堂のヴィジュアルがイカチくて好き。
というわけで、カルディアちゃんが『お前は橋の下で拾われた子なんだよ!』とぶっ込まれ、怖くなって家出したら魔女狩りするためだけに生まれた村にたどり着いて、ちょっと人情を教えて無残に死ぬべく生まれたオカミさんと出会い、心にダメージを追う回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
人造生物はやっぱ、そういうの背負わんとな!
筋立ては非常にオーソドックスで、村とオカミさん、人情の対極にカルディアを挟んで激しく揺さぶろう、という配置。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
流れるように煽動→衆愚→魔女狩りのコンボが決まり、オカミさんが死んで娘さんに誤解され、ルパンが回収して過去話し、娘さんに許されて希望の未来にレディゴーまでやりきった。
まぁロンドンはボーボー燃えて、クソ弟と最終決戦なわけだがな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
今後アクション多めになると、ヒロインと交流深めるチャンスもなくなるわけで、主役とメインヒロインのオリジン開示、人格強化をここでやろうってのは、正しい見切りだと思う。
ほんとバビケンくんだけ、薄暗い過去とかないな。
村とオカミさんは典型的(悪く言えばありきたり)な配置で、きっちり揺さぶってきっちり成長させるいい仕事だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
『お前が私の大事な人を殺したんだ!』と子供に誤解されるのは、ヴァンとドラちゃんの関係をカルディアも体験し、シンクロ率を上げていく流れですね。こっちはそこまで拗れなかったが
今回は厳しい試練の回なんだが、同時にカルディアがどう成長しているか見せる回でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
隠し扉の毒鍵開けとか、自分の宿命をテロリストから教導された技術と合わせて、巧く使いこなすいいシーンだった。お姫様じゃないんだから、自分で出来るっつーの!!
同時にまだまだお姫様でもあるんで、ひとしきり強制イベントが進んだら、王子様たるルパンにロマンティックに助けても貰う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
『一人で出来ること・出来るようになること』と『一人では出来ないこと』のバランスを取って、自尊と依存両方を満たすよう話が運んでいくのは、体験メディア原作だなぁ。
カルディアは無言の主人公として、プレイヤーの自意識が投影され、世界やイベントを体験する窓にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
その時、無力な初期状態から様々なものを自力で獲得する快楽と、弱い自分を殿方の胸に預け、支えられる恋の喜びをバランス良く体験できるよう、快楽の計算がしっかりされておるのだな。
ズボンを履いた活動的な少女であると同時に、運命の怒涛に翻弄される手弱女でもあり、ドレスを着たお姫様でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
カルディアはその物語の中で様々な側面を発露させ、そのどれもが有意義で面白くなるよう、物語は構成(アニメにおいては再構成)されている、と。
乙女ゲー原作アニメを見ると、こういう物語の快楽計算がクリアに感じられるのが楽しいのです。自分に向けて作られていないからこそ、距離を取って客観で見れるからかなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
プレイヤーとして主観で遊んでみると、また別の物語が立ち上がってくるんだろうな。
力を獲得したい・強烈な運命のうねりを感じたい・恋をしたい・依存したい・依存されたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
色んな欲望を吸い上げ、心地よくそれとなく昇華出来るよう世界とキャラクターとドラマを作り上げる主観性の快楽計算はあざといものですが、とても大事で偉大なものだとも思います。
やっぱお話読むときは人間気持ちよくなりたいもんで、創作物を消費することでその希望が叶い、いい気分になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
そのニーズとウォンツにちゃんと叶える意志を持ち、構造を組み上げる努力ってのは、必要だし大事だと思うんですよね。これは乙女ゲーに限らず、ほぼあらゆるフィクションに言える。
んで、いい感じにカルディアを成長させ、させ過ぎないこのお話のバランス感覚は、多様な欲望を同時に叶える計算が行き届いていて、巧いもんだなと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
今回のお話も、自力で立つ力強さと、ルパンに支えてもらう弱さが同時に体験できるよう、しっかり配置されたアトラクションなわけです。
フィクションに欲望充足の期待を預け、そこからエネルギーを貰って生きる人間のカルマ含めて、お話が持っている機能ってのを、なんでか乙女ゲー要素を摂取すると見つけ直しやすくなるんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
ギャルゲも、遠くから見たらそういう機能がクリアに見えるのかしら。
んで、物語は快楽充足の装置であると同時に、創作世界の中で生きたり死んだりする人間の記録でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
そっちも分厚くやんないと、あざとさが表に出てきて夢見させてもらうどころじゃなくなる。白鳥の足掻きは推進力として必須だが、見えないところでやるのが大事なのだ。
そういう意味で、メインヒロイン・怪盗紳士ルパンがカルディアに自分の過去を見せ/預け/共有したのは、とても大事だと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
そういう共感があることで、キャラクターどうしが強く繋がることにも、キャラクターへ視聴者が体重を預けることにも、納得がいくし。
ルパンの過去はあくまで彼のスタイルを定めていて、カルディアを取り巻く錬金術的陰謀とは直接のつながりは薄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
でも、『自分の信念を貫く』という強い意志があることで、毒ヒロインを本気で守り、家族にしていく険しい道も歩ききれる。過去を開示することは、現在の物語を説明することでもある。
思いっきり神父の煽動に乗って、信念もクソもなくボーボー燃やしに来る衆愚を、ルパンの対比物に置いてあるのは良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
娘さんがカルディアちゃんを許し、真実に向き合えたのも、素朴な善性を信じて生きてきたオカミさんの想いが継承されたからだし。ここらへんも、ルパンと先生の関係に響く。
そういう感じの柔らかな繋がりを描きつつ、『Code Realize』のタイトル回収、語られたルパンの過去へ因縁付ける手際も、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
やっぱメイン層は、物語の中心でうねる巨大な運命に、ダイレクトに繋がってる必要があるよな。この話はカルディアの物語であると同時に、ルパンの物語でもあると
クソ弟が発狂して、ロンドンボーボー燃やしてるように見えたけども、アイツ一応国家秩序サイドだよなぁ…?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
クソ親父がボーボー燃やしに来て、それに抵抗することで父=創造主超えを果たす流れなのか、はたまたクソ親父のテロ計画と繋がって政府中枢に食い込んでいたのか。そこら辺の種明かしは来週か
今回怪物であること・被造物であること(あとルパンを前にして女であり、家族であること)を確認して足場を作ったのは、なかなか良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
何しろロンドン全域大出火だからな、のんびり自分語りしてる余裕はそんなになかろう。最後の手番を担当する辺り、やっぱルパンルートなのだなぁ。
温かなホームを出て、見ず知らずの傷追い人を助けてくれる人情と、それを無残に縊り殺す厳しさを知ったカルディア。その先には燃え盛るロンドンと、更に秘められし宿命が待っている!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日
いい感じにクライマックス、盛り上がってまいりました。いやー、面白いなぁこのアニメ。
あ、『田園地方に怪物が追いやられ、無垢で善なる人たちと交流するも、世間の迫害によって安住の地を追われる』という筋立てが、全体的にシェリー版フランケンシュタインをしっかり踏襲していて、相変わらずのゴシック小説オタクだなぁと感じました。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月19日