妹さえいればいい。の第7話がTRPGネタということで、ガッと見ながらTRPGユーザー視点で色々言っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
この前段階になる話を見ていないので、キャラクターの性格、展開しているドラマなどへの理解は足らないが、結構しっかりやってくれている感じなので、噛みつきたくなった。のでやる。
冒頭、アニメ化がズッコケて凹んでる春斗に対し、主人公・伊月はセッションをするよう持ちかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
TRPGは人間が遊ぶゲームなので、こういう真心が根本にあって卓が作られると、ありがたいし上手く行くことが多い。人間見てるやつは基本強い。
ざっくり身内に声かけて、スケジュールがあい、新しいジャンルへもそこまで抵抗なく乗り出してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
サラッと進める関係上、ここで躓いてもしょうがないポイントだが、かなり理想的な人間関係から実卓を導いているのは羨ましい。事前準備でストレスが少ないと、実卓の成功率も上がると思う。
卓のメンツはTRPG自体は始めて、バックボーンとなる文化には親しみが強く、職業として作家をやるほどに創造行為への適性は高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
また意欲が強くあり、PL間のコミュニケーション・人間関係が良好。インストさえスムーズに行けば、かなりのパフォーマンスが期待できる卓だといえる。
経験値や知識云々よりも、『楽しもうぜ!』というマインドセットこそがTRPG(に限らず遊び)を成功させる最大のキーである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
ので、『元気のねぇマブのために、楽しい時間を造るんだ!』というセットがホストである伊月から発散・共有されているのはいいことだ。雰囲気良いのは大事よな。
春斗のTRPGの説明は簡素だが要点を抑えていて、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
自由意志を過剰に持ち上げすぎず、基本GMの用意したシナリオの枠内で遊びつつ、醍醐味として自由な展開もありうることを共通認識にできたのは、結構大きいと思う。
あとPLがGMの発言しっかり聞いてるのが大事。聞く時は聞こう。
インストに限らず、誰かが一方的に喋り続けてターンが偏ると、卓から公平性が抜けていって壊れていく。発言権の過剰な握り込みは、常に卓に悪影響だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
なので、那由多が積極的に疑問点を質問し、『始めてだけど、みんなでゲームを作っていくんだ』というスタンスを明快にしたことは、卓の活性化に善い
那由多の『自分とかけ離れたキャラを作ってもいいか?』という質問に対しても、春斗は『それはTPRGの楽しみなので全く構わないし、そうではなく自分に似たキャラを作っていい。どちらも良い』と反応している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
良し悪しの基準を明確にしつつ、PLの自発性を殺しすぎない良い対応。
世界観に関して『オーソドックスな剣と魔法の世界』で終わらせているのは、当然尺の都合もあろうが、ある程度文化的バックボーンを共有し、ネタへの知識がフラットなPL層とマッチしていて、良い解説だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
必要十分なだけ言えばいいわけで、常に全部説明するのは過剰だったりする。ここの加減は難しい。
キャラシートが全体的に簡素なので、古いシステムなのか、あるいは春斗の自作システムなのかもしれない。現行の商業作だと、もうちょっとカッチリ造るだろうなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
キャラクターもデータはプレロールドを用意し、PLからの介入はアレンジレベルでとどめている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
TRPG初心者四人、かつ創造行為へのモチベが高いことを考えると、良い手だと思う。データを縛る分、データ以外の設定面は好き勝手にやらせて満足を造る算段か。
シート貰って『判定わっかんねぇ』となったら、即質問する。疑問点を適度に言葉にしてGMに問うのは、卓全体で共有することになるのでポジティブな結果をもたらすことが多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
しかし質問が多すぎて、GMを専有してしまうとプレイが遅延し、ストレスにもなる。ここもバランスが難しい。
キャラ設定を共有しながら、PTに共通点が出るようにキャラメイクしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
卓のマインドセットが『自分の物語をやる』より『みんなで楽しいお話をする』にスライドしつつあるので、ここで伊月の設定開示を受け、姉妹設定が共有されていくのは良いことだろう。噛み合う足場は、事前に仕込んでいくのだ
背景設定どころか、TRPGというゲームそれ自体に慣れていないので、他PLの設定に乗っかって自キャラを作っていけるのは、結構気が楽だとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
案外白紙の状態からキャラひねり出してくのって大変なので、事前にハンドアウト配ったりして、システムサイドから足場を用意するわけだ。
那由多のセクシャルなキャラ設定は相当な危険球で、ほぼすべての環境で投げないほうが無難。ヒット率が低く、当たると大怪我するネタである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
まぁ『アイツはそういうやつだしなぁ』で全員のコンセンサスが出来ているなら、なにやってもいいんだが。めったにそういうレベルで共有できることはない。
ボークすれすれのキャラ設定を春斗が『ダメ』と言わず通したのは、まぁ話のドタバタな盛り上がりを担保するメタ読みを除くと、捌ける範囲内だと予測したのと、メンツの親しさを鑑みてのことか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
自分がGMだと、そろそろ釘を差しに行ってるなコレ…。ほんとあぶねーんだよセックスと人種と歴史認識。
春斗は進行が堂々としていて、焦ったところがない。それが無茶な球を投げても卓が壊れず、なんとか運営できている大きな理由だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
GMの動揺は卓の動揺になるので、どっしり構えて鷹揚に、公平に処理していきたい。キャラメイクだと細かく説明していなかった世界設定を、プレイ前に喋る段取りも良し
ミヤコのレールガンだったり、ツキコの複製魔術だったり、センのそげぶだったり。どっかで見たネタはおそらくサーフェスとして、もっと大人しい処理に貼っ付けられているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
そういう思いつき(と模倣)が卓を面白く、温度のあるものにするので、積極的にやってくれるのは良いことだ。
『趣味段階では恥ずかしがらず、ガンッガンパクれ!』はいいアドバイスだ。そうそうネタって思いつかんし、自分の『好き』を身近において実プレイの中で体験するのは、とても気持ちがいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
ナマのままのパクリがしんどい場合は、三つくらいパクって混ぜると別物になる。
PLへの行動優先権を与えて状況をスタートしているのは、選択権をPLが持っているように感じられ、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
ただ『TRPGの定番』みたいのが白紙な完全初心者だと、思わぬコトロで引っかかって進行が止まる可能性もある。
考えられる形としては『既に酒場で依頼を受けているところから開始』というのがあるが、これはPLが行動選択を強制されたと感じ、フラストレーションを溜める場合もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
春斗は多少の緩みがあるとしても、自発的な選択というTRPGの楽しさをPLが膨らませてもらうことを期待し、自由導入としたのだろう
想定通り脱線をはじめた初心者PLに『路銀は尽きている』『酒場に行って仕事受けるのがスタンダード』と、それとなく本筋に入るよう圧をかけるGM。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
それでも停滞しているので、会話可能なNPCを出して状況を転がす、と。かなり手慣れたハンドリングで、やっぱ安定感あるわな。
地味なところなんだが、『この冒険者たちと戦うってことでいいかな?』とPLサイドの意志を統一・確認してから進めているのは、大事だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
何しろスタンダードが分かんないのでGMのお手盛りで進めがちなのだが、相手は赤ん坊じゃない。意志を尊重し確認して進めると、卓にリスペクトが生まれて良い
昔懐かしの無塗装メタルフィギュア。今はガチャとか食玩で、ちょうどいいサイズで優れたミニチュアが手に入る時代である。そこら辺巧く使うと、卓が盛り上がって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
春斗は学生時代めっきりハマって、最近やってないんだろうなぁ…という背景が見える道具の選択である。
おそらくこの戦闘は判定周りのチュートリアルも兼ねていて、衛兵出てきて水が入るのは想定通りだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
のだが、那由多の危険行動がブッパされ、わいせつ物取締でTAIHOとなった。一応想定のライン上ではあると思うが、まーマジ困るよなーああいうロールマジでよ~。
那由多の行動が危険なのは、性というナイーブな領域ズカズカ全力で踏み荒らしているのもあるが、京の意志を確認しないまま、他キャラクターの行動を描写で勝手に確定させて先に進んでいるところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
他人のキャラクターは、常に他人のリソースである。柵乗り越えて勝手に弄るのは信頼と卓が壊れる
那由多の領域侵犯に京が何も言えないのは、まぁ桃色シーンで盛り上がりを造るメタ的な理由を抜くと
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
1 TRPGのスタンダードがわからないので、『そういうものだ』と思っている
2 あまりのノールールっぷりにドン引きしている間に、ガンガン侵略されてる
3 『まぁしょうがねぇ』と大目に見てる
あたり
『勝手に行動きめんな』って言われてんのに、気にせずガンガン進める那由多はほんとやべーな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
周りが聖人ばっかだから助かってるけども、次から二度と呼ばれなくなるやつだコレ…まぁ濃口の変態ばっか出てくるラノベだから、そういう常識からの意見は筋違いなんだろうけども。
あんだけハードコアな危険行動されても、声も荒らげず冷静に衛兵出して処理している春斗、どんだけ歴戦のGMなんだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
なお卓を壊さず維持する手腕としては、限りなく正解に近い。サラーッと流して、本筋を進めるとルーニーは困るのだ。あと曖昧な笑顔ではなく、本音をそれとなく伝える。
反論を許さず、ざっくりと豚箱に入れたあたりで一回休憩、かなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
感情がヒートアップした後はクールダウンを取って、PLは落ち着いて自分を鑑みる時間を、GMはこれからの進行を確認する余裕を作ると、落ち着いた卓運営が可能になる。
多分実卓だと、トイレで『あのプレイは無いわー』と言い合ってる。
牢屋で姫が接触してくるのは、非常に巧い運び。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
おそらく想定していた『酒場で依頼ルート』とは、経緯は違うものの結果的に、狙った本筋に導入できている。
過程がどれだけアレても、結果としてメインに戻せると落ち着きを取り戻すことが多々ある。巧く脱線を収める手業が何個かあると、GMはやりやすい
伊月が個人的なつながりからシナリオをメタ読みしているが、これはほぼ正解。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
なのだが動揺を表に出さず、ひとしきり発言させた上で『はい、メタ読みそこまで』と静止している春斗は、やっぱデキるGMだ。
GMには重い権限があるが、振り回しすぎるとゲームが成立しないほど窮屈になる。
なのである程度PLの善性を信用し、やりたいようにやらせる余地を残すと、PLサイドも満足度が高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
その上で、シナリオの中身=この卓がどうなったら成功なのかという一番大きなイメージを知っている裁定役として、壊れる前に止めなければいけない。そこら辺の見極めは大事だ。
非常に巧いGMは、『権限をブンブン振り回しているのだが、それがPLにとって快楽なのでガンガン縛って欲しくなる』という、ドM育成マスタリングをテクニックとして使ってきたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
技量と経験と視力がいるので、あんま真似はオススメしない。適度にキッチリやるのがよかろう。
やっぱPLサイドがド素人ながら、疑問点を的確に質問してるのがこの卓は強い。大抵『何が解らないか解らないから、質問のしようがない』という状態になってしまいがちなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
PLサイドの疑問をエネミー識別判定に落とし込んで、巧くブリッジを架けているのは巧い。PTの役割分担も楽しめるし。
泉を前に足踏みするPT。ひとしきり意見交換した後、『ダイスを振る』という具体的な行動で進行させたのは、良いマスタリングだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
出目がしっかり低めなのは、無防備にサービスシーンに突っ込む伏線としてグッド。判定成功してたら、ローパーの存在を教えていたのだろうか? 教えてただろうなぁ。
肌色とガガギア印が乱舞するローパー戦だが、装備を剥がされ前線職は役立たず、なのでまず魔法使いが束縛抜けて…という限定状況&PTプレイを楽しませているのは、なかなか良いセッティングだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
そのキャラにしか出来ないことを楽しめると、TRPGは大概面白い。ロールでも、データでも。
投影魔術で武器出して、軽業系判定が得意なシーフを自由にして、前線に装備渡してローパー倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
感知判定失敗からピンチ、PT各員の強みを活かして逆転と、カタルシスの設計が巧い戦闘である。減ったリソースも泉効果で回復できるし。
メタ読みも活かしつつ、超怪しい手紙を先に読んで、姫の陰謀を知るPT。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
GMとしてはあんま面白くない展開だが、PLが自発的にやった行動を用意した筋立てより優先し、卓全体の楽しさを高める方向に舵を切っている。
なお本筋を飲ませたい場合、手紙を暗号で書いてPTには読めないような用心するとグッド。
脱線はさらに加速し、『館を燃やします』という危険行動定形ムーブをぶち込む那由多。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
これもGMに受ける準備ができていないと焦る所だが、アドリブで修正したのか事前に想定していたのか、提案をきっちり受けて話を進める形に。GM安定してんなぁ。
闇の賢者がレールガン一発でのされたのも、屋敷をボーボー燃やすためにかけた肌色ブーストが持続していて、レールガンの火力が上がっていたためだと思われる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
結構な事故だが、損害なく障害を突破できたPLサイドは結構盛り上がっているはずだ。なので、サラッと通して姫をラスボスにする形に。
んで姫戦では魔法をそげぶさせ、投影魔術が決め手になって完勝、と。依頼主がハメてくる展開って結構ストレスなんだが、こうしてカタルシスを作ることで『楽しい裏切り』になったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
ローパーの触手がPLからの提案なのか、システムサイドで想定されてるかは気になるなぁ。アドリブっぽいが。
春斗は『PLが好きに楽しむ』のが大事なGMで、用意していた物語も『PLが楽しむための下書き』くらいで処理している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
柔軟でタフなGMであり、PLの思いつきを拾って卓を盛り上げるこれまでのマスタリングからしても、『触手って投影できる?』には心地よくOKを出したんではないか。
終わったら『お疲れ様でした』と労い、『楽しかった』を共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
実プレイも大事だが、それをしっかりまとめ上げ、膨らませる作業として『後』も同じくらい大事だったりする。そこら辺ナチュラルに出来てる辺り、彼らの人間関係は(性方面にトンチキだけども)悪くないのだろう。
初心者PLから『次は』を引き出している辺り、春斗のインストはほぼ完璧。初プレイでズタズタにされて『ぜってぇTRPGやんねぇ』となる人も多いし、そうなりかねない危険行動も山盛りあった中で、この結果は素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
このアニメ化への恨み節は、はがない一期を経験した平坂先生の血の涙なのだろうか…だから今回は、メディア化に積極的に噛んで脚本自筆しているのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
そういう勘ぐりは止めておこう。誰も幸せにならん!!!
なお俺も、スタッフ変わった二期のほうが好き。
女の子とキャイキャイしてるより、男二人の不器用な思いやりがキャッチボールされるしんみりした良さ味のほうが味わい深いの、ハーレム系として間違ってる気もするがとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
ああいう労いがちゃんと出来ると、プレイグループは良質に長続きしますね。
というわけで、無粋な現実視点から『妹さえいればいい。』第7話の卓を見ていく感想でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月23日
那由多の問題行動がマジ危険域で、周りの人の受け身の上手さがなかったら即座に空中分解だな…って感じ。GMはどっしりと、PLを楽しませることを重視して良く運営していた。いいセッションでした。