ラブライブサンシャインを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
終わりを前に、星を求めて。奇跡をつかめない少女たちは、涙がこぼれないように空を見上げる。その視線の先に待つものとは。
クライマックス直前のはずなのに、しっとりと濡れてゆったりと暗い。敗北を真正面から見据えるサンシャインらしいお話であり、好きだな俺。
二週使っての函館行脚から内浦に帰還し、時は正月。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
開幕ペド時代の三年がエモいバットで後頭部をドヤしてきて、また死ぬかと思った。
お姫様みたいな外見してイケイケゴーゴーなペド鞠莉ちゃんと、ちびっ子時代から女を狂わすムーブを自然と体得してる果南が強い。
あと足な、子供のごん太足の描写。
μ'sがあんだけ悩んで大泣きした、別れの未来。同じものを扱いつつ、内浦はすごく静かで、暗くて、湿っている。曇天を剥ぎ取る奇跡は起こらず、星座盤の上の、あるいはトンネルの中の偽物の星だけが煌めいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
それは、奇跡を掴めなかった少女たちの、せめてもの祈り。
三年生は仲間により掛かることなく、自分で道を定め、自分の足で歩いて行く。過剰に騒ぎ立てない落ち着きは、Saint Snowに廃校を説明する時にも共通している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
その静けさが、彼女達がこれから戦うものの輪郭を切り取る。勝敗で言えば、既に負けている。星を掴めなかった女たちの、最後の戦い。
ではそこに感情のうねりがないかと言えば、死ぬほどに渦を巻いている。確かに頬に涙は伝わない。大泣きで海岸に叫ぶことはない。だが天が、女たちの代わりに泣き続けている。曇り続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
別れと敗北を前に、仮面を被ることを選んだ女たちのストイシズムが、ひっそりと潜熱を放っている。
戦って戦って、道化を演じ好きな女に嫌われ嘘をついて、それでも勝てなかった小原は、泣きたくて仕方がないはずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
第7話、ダイヤの胸の中で泣いただけでは足らない。内浦の海を埋め尽くすほどの涙を、小原は流れ星を探して点を見上げることで、グッと堪えている。
その表面張力を知っているから、果南とダイヤはあの時と同じように、寄り添って星を探しに行くのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
窓から飛び出した幼い時のように、故郷を離れ未来を探しに行く道を静かに選び取って、そんな現実に続く歩みを刻みながら、それでも諦めきれないものを、もう一度。
それはつまり、ラブライブ優勝というゴールそのものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
三人では追いきれなかった星を、今夜九人で掴む。それが一度挫折した三年がこの先目指すものの明喩ではなくて、なんだろうか。
紙の上の星でも、凡人が本気で目指せば掴める。Paper moonは、偽物の輝きではないのだ。
今回の物語は、小原の顔を切り取らないことで成立している。泣いているのか、笑っているのか。道化か、女か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
鞠莉の本音を保留し続けることで、激情と詩情がせき止められ、静かな願いを前進させる。
雨は止まない。終わりは来る。それでも、それでも、と。
今回小原が車を運転していたのは、彼女が子供でいられる時間が正式に終わったからだろう。漫画っぽい学生理事長に背中を向けて、彼女は若葉マークを付けたまま大人になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
三年にとってラブライブ決勝は、青春のロスタイムだ。もう笛は吹かれているが、終わらないままでは終われない。
鞠莉の車は空を飛ぶ。”チキ・チキ・バン・バン”か”E・T”のような美しい幻想は当然夢で、現実の彼女達は曇天雨降の中、地べたを這いずる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
『雨よ、止めー!』で本当に天候を操作できる感情第一主義は、サンシャインにはない。奇跡は掴めなかったし、空は飛べないのだ。
でも、三人では止まなかった雨は九人で上がり、星は流れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
紙の上の不格好な星を追いかけるように、内浦の山野を駆け巡って手に入れた願いが天に登っていく。そのローカルな呪術性が、僕はとてもサンシャインらしいなと思った。
三年の無念を天に登らせて星座に変えるのに、一話使うのも。
そんなお話の補助線として、千歌のお年玉大争奪戦と、Saint Snowの内浦訪問が続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
もうお年玉を貰えない千歌も、鞠莉と同じように子供でいることを許されない。お金より温かいものをしっかり受け止めて、千歌は奇跡を諦めかけた鞠莉に声をかける。
『叶うよ』と。
普通怪獣という枠に自分を押し込め、それをぶち壊す律動を高めてきた千歌。彼女の夢がAqoursを生み、三人を九人にした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
ありふれた少女の起こした、ありふれた奇跡。天が泣き止んだのが奇跡なのか、偶然なのか。どちらとも取れる所が、僕は好きだ。
お年玉をまだ欲しがる子供の千歌だからこそ、雨の中駆け出して天に祈るような、バカみたいな行動も取れる。その愚直な願いが、敗北を勝利よりも尊いものに変える奇跡を引き寄せるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
晴れ渡った夜空に、流れる星。戯けた態度の奥に決死の願いを込めた三年の姿も、千歌は見落とさない。
今週の物語は卒業を控えた三年の、地べたを這いずる現実と、天へと向かう祈りを切り取る物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
同時にそれを受け止め、新しい挑戦を引き寄せてきた主人公が、何故主人公化を見せる回でもあった気がする。全ては静かな闇の中で起こる。太陽のスポットライトが遠い所が、サンシャインだなぁと思う。
函館からはみ出しての登場となったSaint Snowも、持ち前の清潔感とストイックさを活かし、決勝に挑むAqoursの背筋を正してくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
どーもあいつら、身内で固まってるとガンッガン緩くなるので、ビシっと外から〆てもらったほうが良いんだ。
Saint Snowがなけなしの助力を預けて、Aqoursはまた敗北者の願いを背負うことになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
『例え負けても、我々はここに在る』そんな負け犬たちの必死の吠え声を背負って、Aqoursは天を目指すことになる。
空は晴れるか、星は見えるか。未来は分からないが、その後ろ向きな戦いが、僕は結構好きだ。
無条件に晴れ渡った空でも、奇跡にように空を飛んで天を開けるわけでもなく。薄暗い地べたから、凡人の限界を痛いほど思い知った上で奇跡に挑む物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
サンシャイン独特の物語は、とても静かで暗い。だが、それだけではないことを、今回の物語はよく教えてくれたと思う。とても好きなエピソードである
今回見えた、雲間の幽き星空。そこからAqoursがどう飛翔するのかは、とても楽しみだ。自分たちのちっぽけな夢の、とんでもない大きさを今回、サンシャインはしっかり確認できたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年12月10日
掌に収まる星空に託した願いが、一体どこへ飛ぶのか。確実に、μ'sのたどり着いた涅槃とは別の天地だろう。楽しみだ