ハクメイとミコチを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
それは9センチの幸福。ちっちゃな世界のちっちゃな人間が、毎日を丁寧に生きていく漫画、ついにアニメ化。
草薙の背景力が作り込んだ設定を見事に画面に焼き付け、絵本のような世界をキャラクターが活き活きと歩き回る。
俺が欲しかったアニメ化が、ストンとやってきた。
PVから既に感じられていたが、原作最大の魔力である作り込まれた世界設定を、見事に草薙がすくい取ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
絵本めいた柔らかな水彩で、木々や花々、積み上げられた積み木の町並みがズドンと殴りかかってくる。その実力を信じ、いきなり異世界での生活で殴り掛かるチョイスもベストだ。
とにかく9センチのサイズ感、見慣れたアイテムが別の顔を見せるミクロな異世界に飲み込まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
漫画でも腕力のある部分だったが、色が付き動きが宿ると、まさに世界が躍動(animate)して来る感じで、また別の魅力を感じた。アニメ化の醍醐味だなぁ。
異世界ながらも、そこは生活の場でもあって。過剰に世界を浮かび上がらせず、『もう一つの当たり前』として堂々と描いてくる筆、そこにキャラクターをなじませる工夫も、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
画集じゃなくて絵物語だからね、過剰に背景が浮きすぎるのは、やっぱ良くない。
展開自体はのっぺりまったり、異世界スローライフをじっくり追いかけていくわけだが、漫画のコマ(あるいは絵本のページめくり)のようなカットイン演出が独特のテンポを産んでいて、なかなか面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
個人的には『動く絵本』っぽい空気があって好きだ。カロリーコントロールの一環でもあるかな。
異世界を『もう一つの当たり前』と馴染ませるために、キャラクターはとにかく良く飯を食う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
巨大過ぎる干物、デカいタコの足。下手に描けば食欲も失せそうだが、走り回って汗を流させることで、『空腹』というスパイスをしっかり効かせてから食事シーンに入ることで、ちゃんと旨そうだ。
歩き回って、よく食べて、たくさん話して、お酒も飲む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
のっぺらぼうのキャラ設定ではなく、『もう一つの当たり前』を普通に生きている人間の息吹が、日常描写の中で元気に弾んでいて、とても良かった。
作り込んだ世界の中を、サラサラと歩いていくアニメはヤッパ良いなぁ…贅沢に空気吸ってる感じ。
この清涼感と躍動感は、主役二人の人格にも大きく依っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
ハクメイもミコチも気持ちのいい奴らで、朗らかで前向き、何気ない風景に詩情を見つける明晰さもある。
伝説の鳥と出会った幸運を、『自宅に帰る』という願いでスカッと使ってしまう所は、なかなか小粋だった。
不思議と色彩に溢れた世界を、構えず楽しみ、埋もれていた喜びを見つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
言葉の真実の意味での『智慧』が二人には宿っていて、何気ない仕草や心遣いの中でフッとそれが感じ取れる。大仰に感動を構えず、日常の中に優しさの手触りがある関係性は、見ていて心が暖かくなる。良いもんだ。
豊かな世界を楽しみつつ溺れない、二人の強靭な自我。それがお互いを気遣い、またそれに気付くことが出来る余裕も産んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
基本『静』で受け流せる人格の地盤があって、その上に小さな喜びとありがたさを詰め込んでいく感じ。やっぱこの二人の距離は好きだな…超変則的社会人百合だなぁ。
お話の順番を入れ替え、幻の瑞鳥を追うワイルダネスなAパートと、9センチの人類史が詰まった積み木の街を歩いて行くシティ・アドベンチャー、両方第1話で見せたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
自然と都市、無為と人為。両方の味わいが交錯する場所に作品のテイストがあるわけで、初手でちゃんと感じ取らせてくれた。
音周りも世界を壊さぬよう注意が払われ、アコースティックな劇伴、主張しすぎない効果音、共に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
声優さんの演技は言わずもがな。ハクメイのサッパリした気質、ミコチのナイーブな感性、いい具合に演技していただきました。緒方さんのマスターも爽やかでよかったなぁ。
このお話は基本、まったり豊かな世界を漂いつつ、不思議で魅力的な隣人に出会うことで進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
なので、話の背骨になる各話ゲストに存在感ある実力派を使ってくれると、グッと物語の粒が立って来るのが素晴らしい。今後もベテランの期待したい…ポプテピピックかな?
あ、野生と人造に別れたA/Bパートを、『割れたマグカップ』という縦軸で繋いで一つの話にしている構成も、アニメらしい再構築力で素晴らしかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
これを追い求めることで一貫性が出るし、ハクミコがお互いを思っている感情の色合いも、分厚く感じ取れるしね。落ち着いた持続性イチャコラヨシ!
というわけで、かなりパーフェクトなアニメ化でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
ただ原作を動かすのではなく、メディアに適した再構築を適宜入れつつ、テイストと骨格を尊重しながらアニメに変えていく。そういう野心が垣間見える作りで、とっても良かったです。
草薙の背景力に負けない動画の工夫が、完成度を引き上げてたなぁ
『原作をどうアニメにしていくか』だけではなく、『アニメが原作をどう編集していくか』も楽しめそうな、良い第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月12日
やっぱなー、作品を最大限味わってもらうにはどういう味付けをすればいいか、しっかり考えて形にしてくれるアニメには誠意を感じる。素晴らしい。来週も楽しみです。