キラキラ☆プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
最終決戦直前! なのにプリキュアドン曇り!
灰色に染まった感情なき世界唯一の希望として、今こそ立てよペコ公!
ラスト直前でマスコット奮戦回を入れてくるという、結構変則的な構成。良いところも悪いところも、非常にプリモードっぽい話だった。
というわけで、ペコ公プリキュアチェンジである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
予告を見た時はどーなるかと思ったが、灰色の世界の描写をどっしりやり、ペコリンの唯一性を確保する展開にしたので、プリキュアに変身するための『圧力』みたいのはちゃんと獲得できていたと思う。
ステゴロさせなかったのは流石。
僕はペコ公かなり好きで、選ばれしプリキュアとは正逆の無力な強さを、巧く背負ってくれていると思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
何にもできない子供だったペコリンは、キラパティのお姉ちゃん達とじゃれあう内にスキルを身に着け、心を鍛え、ちょっと背丈が伸びた。グレイヴにグーパンされても泣かない強さを手に入れた
そんなペコリンが灰色の世界唯一の希望となり、色彩を取り戻していく展開は好みである。彼女の子供っぽさがいいアクセントになって、重たい世界を巧く際立たせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
冒頭、変身アイテムをゴミ箱に投げ捨てるショッキングな絵面を叩きつけたのが、よく効いていた。
元々プリモードは主役がよく曇るアニメで、『敵』である闇との親和性は高かった。糾弾しつつもどっか通じ合っていて、折れてしまう『敵』の気持ちもよく分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
だから手を差し伸べ、すくい上げる展開も多かったわけだが、今回はその逆、プリキュアがキラキラルを奪われる展開である。
『黒のキラキラルもまた、強力なエネルギーを持つ心の力だ』というのも一年通じて書かれたことで、それに主役が染まることは、エリシオの抱えている虚無、最終決戦で克服しなければいけない壁に理解を示す、大事な足場になろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
なので、ここで1話使ってプリキュアと視聴者にそれを体験させたのは良い
灰色世界の絶望感も、完全にロボットになったプリキュアのヤダ味を徹底することで巧く描けていた。今回は本当、灰色のヴィジュアル力が強い回だったなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
さり気なくこれまで関わった人を映して、本当にペコ公以外希望がないことを強調していたのも良い。
のだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
灰色世界が重たいほど、それをひっくり返すペコリンの言動には重さが必要になる。エピソード単位では一切問題なく、世界唯一の希望をやれている…のだが、プリモードの宿痾である出番の組み立てのマズさが、ここで効いてくる。
ぶっちゃけ、ペコリンこんだけデカい仕事する必然性薄いんよ。
僕は『プリキュア世界の子供代表』として、小さな身の丈を背伸びして頑張るペコリンに思い入れと愛着がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
しかしそれがないと、中盤完全に消えて役割を持てなかった彼女が、ここに来てでかい顔をするのは唐突でもある。それを補う出番を巧妙に配置する手腕は、プリモードには正直無かった。
これは一話で埋めきれるものではないので、シリーズとキャラへの思い入れ、愛情の問題になってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
僕個人は問題ないが、しかし一歩引いて客観で見ると成立していない。評価がとても難しい。
まぁ、『俺はペコ公好き』という個人的な気持ちを、大事にしたい所だ。
後これは明確に悪い(し、ずっと悪かった)所なんだが、逆転アイテムになるピンクのクリームが食物には見えない。希望の象徴というには鈍重で、ちょっと汚らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
バトルとスイーツを組み合わせる難題を、ヴィジュアル方面で解消できなかったプリモードの弱点が、最後の最後で強く出た感じ。
心の栄養としてスイーツを扱い、それを奪い奪われる宿命を語っていくテーマの部分では巧くやっていたと思うのだが、アクション・ヴィジュアル面でスイーツを活かすのは、正直あんま巧くなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
それがあの、希望の象徴と言われても口に入れたくないアイテムがどっしり構える絵面に出てしまっていた
まぁテーマ拾えただけ、アニマル要素よりはスイーツ全然良いのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
人数の捌き方、魅力的なキャラの絡みを広げられなかったこと含めて、やっぱ盛りだくさんすぎたシリーズだったかな、とは思う。
ただ良いところも沢山あって、それだけで全部台無しです! とは勿論言えない。俺このアニメ好きなの。
例えば毎回聞いていた変身口上と、少女たちが失った色彩を思い出す展開をシンクロさせる作りとかね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
アレは良かった。やっぱ毎回見ているものは思い入れが在るから、こういう勝負どころでキッチリ使ってくれると火力が出る。素晴らしい。
一回『キラキラ輝ける特別な存在』であることを剥奪され、弱い誰かの助けで取り戻したことで、プリキュアは空疎なるエリシオと同じ存在になれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
この『同病相憐れむ』仁徳の強さは、プリモードのすごく独特なところだと思う。コンパクトで視線が低い。薄暗くて湿ってる。そこが好き。
思えば無力なペコ公が、最終回直前のここで『プリキュア』に、『キラキラ輝けるスペシャルな存在』になったのも、エリシオ救済の序奏かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
同時にペコ公の努力(繋がってないけどちゃんと頑張ってたのよ彼女)に報いる、彼女個別の物語としても仕上がっていたのは良かった。
プリモードは正直、キャラの感情・価値観の交流という意味でのドラマはまぜまぜ出来ていない。序盤から中盤にかけて、いちかが一人でボールを持ちすぎたことが、横の繋がりを阻害しキャラの粒を立てる機会を奪っていた。それは大きな損失だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
だが話全体を貫くテーマは結構大事に取り回していたと思う
アーパーなネアカを演じつつ、非常にナイーブないちかを主役に据えることで、黒のキラキラルが持つ二面性を身近に描けたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
ほの暗い倦怠や諦め、絶望を跳ね返せる足場が、色んな人達にあることを示したこと。
それを跳ね返すヒロイズムは、特別な力ではなく、ありふれた心の光にあると見せたこと。
不器用な手つきだが、そこは見落とさず色んな形で語ってきて、テーマとしての連関はちゃんとある。僕はそこが好きだから、プリモードの肩を持ってしまうのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
当然キャラも好きだけどね。だからこそ、その魅力をつなぎ合わせて食べごたえと完成度のある物語に仕上げてほしかった気持ちもある。
しかしまぁ、そういう部分は掘り返しても詮無い。『自分の好きを大事にしろ』って、今週プリキュアも言っとったしな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
僕はこのみみっちい、世界救済英雄譚が結構好きなのだ。
粗もある、配慮の行き届いていない部分ばっかりだ。
だが、良いところもたくさんある。
そういう凸凹した魅力を最後に再確認するような、灰色の国のペコリンでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
MVPは難しいこと考えられないペコ公の代わりに、あらゆる推測と説明を担当した長老だろうな…お膳立て全部やって、見せ場は『あ、自分霊体なんで…』でペコ公に譲る辺り、よく出来た妖精だ…。
かくしてラスボスの心象風景を、身をもって体験したプリキュア。人間の薄暗いカルマと親和性が高い強みを、巧く説得展開に乗せ、良いクライマックスを走って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月16日
主役が世界を救うロジックはこの段階で組み立てられてるんで、結構面白くなりそうなんだよな。来週も楽しみです。