BEATLESSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
私のアツいHieカツドウ、始まります!
人間の心理を誘導し、望む結果を得る自動人形の媚態。レイシアのアナログハックが唸りを上げ、ズブズブと社会に、アラトの心に己を刻み込んでいく。そんな平穏なときめきの裏で唸る、ネオラッダイトの赤い影。偶像破壊者は、案外近い場所にいた
一週間前にこういうことを描いたのだが、ほんとにアイカツ始まってひとしきり爆笑した。いやースゲェ、機械知性の卓越性を、パフォーマンス要素のあるファッション・アドバタイズメントでまず見せてくるのは挑発的だなぁ…機械のほうが、人間の心を惹き付ける技芸は上なのだなhttps://t.co/tBp73MWhvT
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
今回は全体的に平和なお話で、ギャルゲーチックなときめき展開が心地よかった。それは主人公アラトに仕掛けられたアナログハックであり、同時に作品による挑発的な多層の誘いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
レイシアに萌えちゃってるアンタは、果たして踊らされてないって保証はあるのかな? という。
家庭的な服を着る。多彩な食事を作る。「あなただけだよ」と囁く。目を見て微笑む。特別な時間を共有する
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
レイシアがトレースするギャルゲ的『作法』(そのベースを20年前に"To Heart"で結晶化させた高橋龍也が脚本というのは、本当に面白い)はアラト(を通して作品を消化する僕ら)をハックする。
最初の印象よりも透明感が薄れて、可愛げみたいなものが捏造されつつあるレイシアの振る舞い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
芸達者・東山奈央の本領発揮と言った所だが、そこに感じるトキメキはクラウド化された超高度なパターントレースであり、電子化された職業的媚態だ。心の底から生まれいづるものではない偽物…のはずだ。
完璧に構成された偽のパターンと、魂の真実から出る行動を区別できるのか。ベンヤミン的アウラでも仮想して、HIEの行動には『魂』が宿らないと信じるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
表層をなぞれば素敵なボーイ・ミーツ・ガール、SF時代のガラテアとピュグマリオンの恋であるが、その裏に何かを感じる。感じるよう作っている
レイシアは己の演算能力をアナログハックに援用し、HIEモデル…自律するマネキンとして一万人を虜にした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
それは個人が尊厳を持って判断したというよりは、精妙な感情工学によって誘導された衆愚の振る舞いだ。アメーバや蟻のように、レイシアに魅せられた人たちを取る演出からも、それは判る。
アラトが遠目に、ハーメルンの笛吹よろしく渋谷で踊るレイシアを見て喜ぶのは、彼女が『人間らしく』社会に受け入れられた、素直な歓喜なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
ご飯も作ってくれる、優しい言葉もかけてくれる素敵なレイシアが、みんなに好かれている。自分の好きな人が、認められている喜び。
それはとてもピュアな、少年主人公にだけ許された感覚の発露だが、それもまたレイシアの誘導の上にあると、どうしても疑いたくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
如何にもギャルゲー的な『友達が勝手にオーディションに応募しちゃって…』イベントは、巧妙に仕組まれていた結果ではないか。
道具存在は自発的に、使われる局面を選べない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
HIEが合社会的に大人数をアナログハック可能なステージへ、妹ちゃんが『自発的に』道を作るように、レイシアが状況を作った可能性。
端末の状況をナノ秒で把握しつつ、それをアラトに注意しなかった立ち回りが、疑念を加速させる。
普段は入れない屋上で、二人きり特別な景色を見る。夜気の中で特別な表情を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
アラトはルール破りの幼い興奮の中で、吊り橋効果的にレイシアのことがもっと好きになったと思う。俺も萌えたし。
でもそれは、巧妙な誘導の上に成り立っていないか。屋上の鍵を開けたのは、一体誰だ?
事程左様に、レイシアとアラトのロマンスには謀略とプラスチックの臭がするし、それは多分意図して匂わされている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
レイシアというヒロイン、この作品自体に誘引されつつ、そこに『魂』がないかもしれないという不穏な恐怖は、けして消去されない。その影に怯えながら萌えろ! とばかりに強調される
そこが凄く良い。可愛くて、ズルくて、超高度に磨き上げられた媚態の技法を使いこなして、『自然に』心に滑り込んでくるヒロインが、凄く魅力的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
都合のいい偶像を徹底的に演じつつ、状況を誘導して『何か』を狙っている。少女の皮を被った猛獣みたいな異質性と都合の悪さが、不思議な味を出す。
人間誰しもやっていて、しかし『魂』だの『真実』だのあやふやなものをどうしても求めてしまうから、徹底できない解析と演技。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
それを人造知性ゆえの無垢なる怜悧さで、笑顔のまま積み上げていく怖さ、強さ、不可思議な美しさ。イカニモな落ち物ヒロインにそれをやらせる所は、趣味が悪くて頭がいい。
一万人の群衆(クラウド)が、アラトが、そして視聴主体たる僕が、みなレイシアにアナログハックされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
そこで問われるのは演技と真実の差異であり、『魂』の在りかであり、非常に古臭いSF的(あるいは神話的)な疑念だ。
ピノキオが人間になるためには、何が必要でしょうか? と。
このあともヒトとモノの狭間をぬいつつ物語は展開し、レイシアは行為を乱反射させながらミステリアスに『何か』を求め続けるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
アラトが『何か』を掴んだと思っては逃げ、信念を揺るがされる事件が起きるだろう。
僕はそれを望んでいる。今回描かれた穏やかな日常には、内乱の予兆がちゃんとある
レイシアChangの可愛いモデカツだけでも、色々想像が膨らんで良かったわけだが、最後にメガネが爆弾投げてきて最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
『上の人』に接触許可貰ってるところから、彼が細胞を演じるネオラッダイト・テロルが中心なきリゾームであることが判る。偶有性の悪意が連鎖し、成立する器物損壊。
自分の所有物を奪われようとして、命がけで守って怪我をしたオーナーは、何を擁護しようとしたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
財産としてのHIEか、そこに『人間』を見てしまう己の『魂』か。はたまた所有物が仕掛けたアナログハックに、自分は騙されてなどいないから命を張れる、という矜持か。
シンギュラリティの後の世界は、この世界と同じ、そして全く変質してしまった当たり前の悪意に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
自律するマネキンの緻密な広告戦略に踊らされるだけでなく、『人間』の防衛行動は人形を壊しもする。その運動の中枢から、赤い人形が派遣されてくる。人形を壊す人形。
ケンゴが実行犯を『野蛮人』と蔑んでいるのも、妹に敬語を使うのも面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
んじゃあ、犯罪行為を隠蔽する自分は『高貴なる犯罪者』だとでも言いたいのか。過剰な敬語は、世界からのアナログハックに対する防壁ではないのか。
イカニモな悪友の、プラスチックの皮の奥に、歪な世界認識が蠢き出した。
この精神の膿が、真紅なる怜悧な刃との出会いでどう切開されていくのか。溢れ出した悪意が、レイシアとアラトをどう飲み込んでいくのか。非常に楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
残った一人も、超人形の元締めのボンボンだもんなぁ。楽しい学園生活もどんどんヒドイことになるんだろうなぁ(ウキウキ)
とまあ、非常に興味深く面白い話が展開しておるわけだが、やっぱり絵的な圧はちょっと弱くて、要所要所がヘニャヘニャなのは惜しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
渋谷ハーメルンとか、超絶ハイ・クオリティで見たらもっとも~っと度肝を抜かれちまうんだろうなぁ…と、思わずないものねだりである。
ヒロインの描き方と、そこに主人公がまくりこまれていく不穏なダイナミズム、異質ながら魅力的な未来と、日常を演じる友人関係の内破。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
絵力に頼らない部分でぐっと掴まれているので、もうそこまで気にはならんのだけどね。いやー、むっちゃ面白い。
今後非常に重要になるだろう、『アナログハック』という概念。それを成立させるHIEの諸設定、あるいはアラトの家庭環境への言及。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
いろんな説明ゼリフをバーっとまくし立てる如月が、トンチキながら切れ者として良いキャラ立ちしていて、説明聞くの楽しかったのも良かった。福圓さんすげーなヤッパ。
ブリブリの遺体外見したオバサンと思いきや、一万人をフックできる大仕掛けをキッチリ取り回す古強者で、良いギャップだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
サブにこういう味わいのキャラ配置できるの、なかなか強いなぁ。世界設定説明に必要な賢さが、心理工学への精通、ハプニングの成功を下支えしてる所とか素晴らしい。
今後レイシアがモデカツ続けるのか、はたまた赤いのと切った張ったの大立ち回りになるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
そこら辺はようけ分からんけども、今回彼女が確認したアナログハック能力、それを通じて僕らが見た近未来の衆愚と悪意の泥は、今後活きる石だと思う。そこから芽生えた、相互理解の蓮の色も。
誰かに何かを感じる。誰かを何かのために信じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月20日
『魂』の奥底から滲む尊い願いが、偽物の笑顔に誘導された自動的な反応だとしても。
そこにロマンスと活劇はあるだろうし、それをこそこのアニメは今後追いかけていくのだろう。来週も、とても楽しみだ。