(※注意書き
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
これからダーリン・イン・ザ・フランキスの感想を書きますが、このアニメから僕が見つけたものを素直に記していくと、どうしても性関係の言語が多く、露骨になります。
特定の性傾向やイマージュを貶めたり、弄んだりするつもりはないですが、何分ナイーブな領域ですので、礼として一応)
ダーリン・イン・ザ・フランキスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
運命の女との最高のキスで、少年は奮い立つ。英雄として鋼鉄の剣を振るい、邪悪な龍を倒した経験は、しかし彼の中から蒸発して消えた。
防衛し再獲得した日常の中で、歪に再演される性と生。『試し』で進行する、失敗するためのセックス。汝オナンの罪を蔑せよ
というわけで、最高に勃起モンの第1話から、フラストレーションと歪さが際立つ第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
パートナーシップを弄び、鋼鉄製バイアグラでいきり立った感覚をもう一度味わうべく、ヒトの心と体に深く出て入って捨て去る。ヒロを一切尊敬できない24分であった。大丈夫か主人公。
キスを知らない少年少女は、自分たちが生まれた理由…ロボットのパイロットであることに付随する性のディティールに、当然無自覚だ。そこに伴う不公平と無責任にも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
鋼鉄の兵器は皆女の子っぽく、コックピットでは膝を折り曲げた屈服の姿勢で、少女が挿入を待ちわびている。随分最悪の絵面だ。
ギナジウムめいた清潔な自然の中で、少年少女は性を剥奪されたまま純粋培養され、男女和合する関係性から遠ざけられていく。バックスタイルを擬してズボズボやるのはOKで、身体接触を伴うキスとやらはNGだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
そんな環境の中でも、子供たちは子供たちなりに平和に、優しい関係を作れている。稚さ故か。
先週も述べたが、ロボットアニメとセックスは類似の領域だし、それは『男』の性欲を再充填する装置として主に機能してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
情けない僕でも、世界に対し猛烈な男根を突き立てられるという夢を叶える、猛烈なメタリック・ポルノ。日本ロボットアニメがそういう文脈を持ち作ってきたのは多分間違いない
主導権を握り、支配し操り握り込むのは軒並み『男』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
そのためのツールとして、自然な姿勢を折り曲げ苦痛を感じながら挿入され、体を拡張され変質させられるのは『女』。
フランキスのデザインには、確実に一つの哲学がある。そしてそれが今後破壊され裏切られるかどうか、未だ確信が持てない。
このまま鋼鉄製バイアグラとして、『スカッと萌えて楽しいロボアニメ』として、『男』が『女』のハンドル握ったまま進行するのであれば、それはあまりにポルノグラフィック的であり、エロティックではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
それを突き崩すための前段階として、今回のフラストレーションが織られているか、否か。
気になっているのはそこだ。それは『男のアニメ』だったロボアニメの文脈を、独自の戦略を持ってひっくり返すことに繋がる。でも、ただのファッションで描いてるなら、そこにスキャンダルはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
動け動け!と言いつつコンソールをガチャガチャやるヒロの、あまりのシンジっぷりは何のためか。
『あー、どっかで見たわぁ』という既視感を滑り込ます為か、エヴァ大好きな制作陣がその再生産をねじ込むためか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
はたまた、インポテントな少年が人型兵器のファリックで世界と繋がることに成功し(あるいは失敗し)てきた物語の『形』を、作品内部に取り込むためか。
アムロにしろシンジにしろ甲児くんにしろ、みな欲求不満でチンポコが上手く立たない少年だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
彼らが暴力的に自分を突き立て、食い荒らしてしまった処女地に震え、何かを見つけたりそう思ったらまた失敗してきた物語が、このアニメの全景として広がっている。当然、制作陣はそれを見落としていない
そういう目の良さは判る。大事なことだとも思う。だがそれより大事なのは、見えているものをどう使うか、だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
失敗した性交、清潔さを装う抑圧、男女の快楽の不均衡。それが持っていることの意味に、セックスをネタに盛り上がる居酒屋猥談以上の語りに踏み込まないなら、それは性の玩弄でしかない。
でも、『もっと気持ちいいセックス!』とかいうananの表紙になってそうな記号だけ追っかけて、今回見せた歪さへのアンサーにすれば、均衡と真実が生まれるわけじゃなかろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
女の欲、男の願い。そこにあるギャップをどう埋めて、あるいは広げて、摩擦と速度の果てに和合させるか。
ハードな戦闘描写でズコズコドビューってやって、そこで結合した答えを価値ある赤子として差し出す時、過去の文脈を踏まえたパッチワークを『これがダリフラです!』って叩きつけられて、納得はできない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
作品がハードな前後運動の果てに生み出す結論は、独自の答えを当然持っているべきだ。
まだ第2話のこの段階で、当然そういう答えは出ない。短距離走のようなセックスの後には、胎内で細胞が分裂しとんでもないオデッセイを経て人間に変化する十月十日がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
過剰に盛ったり、アポトーシスで切り離したり。そういう作業を経て、混じり合ったコードは作品に変わる。時間がかかる。
だがそれでも、今回重なる過剰な性の意味合いと、その語り口の軽さを見ていると、どうしても不安が宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
話題になって、盛り上がって、危ない気配が出て。そのためのツールとして、セックスとエロティシズムを濫用され、捨て去られないか、という危惧。
皮カムリのロボット大好きボーイ達が、ハァハァしながら盛り上がるための調味料として、性から遠ざけられた異世界が製造されているのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
わざわざ性と暴力を露骨に真ん中に据えた語り口が、詐術に終わらないか。
そういう疑念が、どうしてもアタマから逃げてはくれないのだ。
今回の『間違えたセックス』は、ヒロとイチゴの間で展開する。約束された負けヒロイン、本命でフルボッキするための当て馬。良いだろう、大事な仕事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
超然としたゼロツーは巧妙に、セックスの失敗から間合いを開ける。淫靡でナチュラルなビッチは、クソ処女とクソ童貞の大失敗には関わらない。
冒頭、『甘い蜜』を過剰にぶっかけ、食物を蔑しながら口に運ぶゼロツーは、キスを知っている少女として特権化されている。ロボットというバーチャルな身体ではなく、血の通った唇の接触を知っている存在として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ヒロの主人公性は、その身体性をゼロツーから借り受けることで成立している。
赤の女王はかくして、成熟の領域でも戦闘の領域でも、見事に超越性を維持する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
エロくて、危なくて、カッコイイ。後ろから両手を握って強引に押し割られるのではなく、騎乗位で自発的に腰をくらねすヤバいヴァンプ。牙を突き立て貪り、気に入らなければぽいっと捨てちゃう危ない女。
その特権性が、『そういう女に何故か好かれてしまったインポテンツ』に価値を与えるべく生まれているのか、ゼロツーが生まれつきスラットだから発生しているのかが、まだまだ見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
一見優位に立っているように見えるゼロツーが、何の特権もない(が故に僕らに近い)ヒロを勃たせる為にあるのなら
それは最初から首根っこを押さえて、暴力でズコズコやってる物語よりもなおタチの悪い語り口だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
『いい女はこんなふうに奔放で、そのくせ俺を立ててくれるんだぜ!』
むせ返るようなマチズモが、冴えない主人公の装いを通して迸る。そいつぁゴメンだ。マジでゴメンだ。
そういう意味で、イチゴの惨めさが徹底されていたのはとても良かった。ロボットに乗れない自分が、社会に突き立って余りうる存在なのだと確認するべく、親友の女を便利に使うゴミクズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ヒロトの口づけは侮辱の味がする汚物で、ゴミ以下の寝言だ。全くその通り。
イチゴはもっと暴れてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
クソ以下の子供でいることを共用してくるエイプにも、その檻であるミストルティン(『宿り木』たぁ性格悪い。パイロットは『寄生虫(パラサイト)だし』)にも、スラット顔で見下してくるゼロツーにも、それにおっ勃てられてのしかかってるクソヒロにも。
軟弱さを装いつつ、様々なズルさで世界の主導権を握り込んでくるヒロよりも、今回の屈辱を憎悪に変え、主体性を持ってイチゴが世界を陵辱し、自分好みに作り変えるお話のほうが、ヘタすると面白いんじゃないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
第2話見ると、そういう気持ちも強くなる。
人のイイ寝とられ亭主顔で、パートナーより友人の快楽優先しちゃうゴローの『良い奴』っぷりも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
世界の望むままに去勢され、『身勝手な子供』を許容範囲で望むまま演じているゾロメとミクの『イイコ』っぷりも。
軒並みクソ以下のクソで、ホント全部ひっくり返して滅茶苦茶のグチャグチャにして欲しい
そのための前準備として今回のフラストレーションを描いたのか、はたまたこの歪な構図の上に物語がのしかかってくるのかは、正直良くわからない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
あまりにもイヤーな空気を上手く作っているので、『あえて』だと思いたいけども、往々にしてそういう認識ってズレるわけで。さーてどうなるかな。
『あえて』の勃起不全描写だったとしても、人間の一番ナイーブな部分を身勝手に滅茶苦茶にされたイチゴには、ちゃんと報いて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
今回の失敗が、ヒロが『男』になるための踏み台みたいな使い方で終わったら、そいつぁちょっとヤバイ。ロボットどころか作品全部、冴えない僕のためのバイアグラかよ
とまぁ、こんな過剰警戒をしてくらいに、僕の中で性は難しいモチーフだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
それはとても柔らかで大事で、危なっかしくてパワフルで、シリアスで幼い。人類の英知がそう睨みつけ続けたように、重たいものだと常々思っている。繊細過ぎる変態キチガイだと、自分でも思うよウン。
ロボアニメが配置されるサブ・カルチャーの文脈。その記号に満ち満ちて窒息しそうなこのアニメでは、性の描き方もまた基本サブだ。軽くて気安い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
個人的には、それではビッと来ない。誘惑は常に、隠蔽と露骨さのバランスの中にある。もっと沈黙で語って欲しい。
露骨な割に軽いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
睾丸ではなく脳髄で語ってしまうのは(僕含めた)オタクの悪い癖だが、"パンティ&ストッキング""キルラキル"に引き続いてそういう、形でセックスを済まそうとするスタンスが随所に透ける。
もっと仄めかせ。意味わ辛いほど難しくしろ。密かな吐息で寝室を満たせ。
アタマで考えるなら考えるで、極限的な所まで行けるのはヘンリー・ダーガーなりサドなりが示している。"ソドムの百二十日"は獄中で書かれたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
アタマで書くのが悪いのでなく、アタマをキンタマと同じだけの切実さに引っ張り上げれない踏み込みの悪さが気にかかるのだ。剥けろ。ズルムケになれ。
そういう意味では、ゾロメとフトシが蹴鞠巧かったのは、なかなか好きな見せ方だった。大人じゃないから、一人でボールをいじくり回すのは巧いわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ロボットのメタファーとして性を使い倒すだけでなく、性のメタファーとしてロボットジャンルを食いつぶす所まで行って欲しい。
そうなったらもう『ロボアニメ』じゃないかもしれないが、それでいいじゃん、と実はそんなに『ロボアニメ』に体温高くない僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
金子ひらくが"ヴァルキリードライヴマーメイド"で突破した境涯まで、メジャー資本がロボアニメを引っ張り上げればいいじゃないのよ!(本音)
そんなわけで、上げて落とす形の作り方の巧さ、僕らが飲める程度の荒々しいセックスメタファーをはみ出さないように塗る手際の良さを確認しつつ、色んな感情が渦巻く第2話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ホントゼロツーを『運命の女』に据えるために、一少女の尊厳踏んで気づきもしない主人公を尊敬できねぇ。くたばれ。
そういう現状から『お、なかなかいいチンポコじゃん』と、素直に撫でさすりたくなる誘惑まで、この作品がたどり着けるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
正直、要求が個人的かつ過大で的外れであることは分かっている。だが、どうしてもそれが見えてしまって、譲るわけにも行かない。
来週も楽しみですね。
追記 仮想を具象に超越せしめるだけの狂気と知性をねじ込んでほしいわけです。
ダリフラ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
ヒロは肉体の伴ったキス(とその延長線上にある)セックスを知ってるから優位で、イチゴはヴァーチャルな冷たい疑似ファックしか知らないから劣位っていう、カビ生えたどころか化石以下の『天然VS人工』観念で進めてくってのは、マジで勘弁な。
ちょうど同タイミングでBEATLESSがアニメ化されて、人工化された自然が人間概念を侵食し書き換える恐怖と真実さについてじわじわ語っているタイミングで、『ナマモノ=正義!!』とかほざくなら、さっすがにそれはヤバいだろ。どうなるかマダマダ判らんけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
追記 目に写るもの全てが性の投射だって、フロイディアンが言ってた
ダリフラなんで自分がこんな尖った反応になるのかと考えてみたが、ロボアニメであってセックスアニメではなく、つまりはメタファーを軸に据えざるを得ないからだと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月21日
弄ばれているのは性と同時に詩学だと感じるから、ここまでビスビス反応するのかもしれん。暗喩自体に敬意を払ってくれ…頼む。