アイドリッシュセブンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
ガラスの呼吸器を抱えた、爆弾付きのダイヤのエース! アイナナのセンター・陸くんの奮戦を主軸に、厄介行為の後始末とか、ファーストライブリベンジとかを色々盛り込んだエピソード。
TRIGGERに火をつけられたボーイ達の本気がよく見えて、気持ちのいいお話でした。
つうわけで、色々やってるアニナナ第5話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
第4話で話の流れ自体をグイッと捻じ曲げた天くんの引力に乗っかる形で、名字が違う弟・陸くんの意地と限界、それを超える意志を見せるのが主である。
いつの時代のキャラ造形だよ~と思わなくもないが、オッサンこういうの嫌いじゃないぜ…(むしろ好き)
このアニメももう5話で、大体の付き合い方が見えてきたというか、お話の形も自分なりに把握できてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
かなり未熟で問題含みのアイドル未満が、家族だの過去だの実力だの性格だの、色んな壁にぶち当たりながら自分を変え、世界を変えていく感じの話…なのだろう。
だから完璧になりきらないことこそがとても大事で、いかに欠けていて至らないかを見せることが、話の伸びしろを予感させることにも繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
陸もまたその線上に乗っかっていて、色々荒いところがある。でも、それを埋めようと本気で立ち向かう汗は、見ていて気持ちが良いものだ。
今回の話はだんだん大きくなってきたアイナナのスケールに合わせて、それに乗っかるファンの描写が大きい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
しかし陸は、眼の前にいる彼らのために無茶をしたわけではない。あくまで愛する兄に追いつけない自分を否定し、置いてけぼりにされた過去を贖うために荒い息をついている。
これは先週天が『ファンの望む九条天』を維持するべく無茶をしたのとは、また別の方向性だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
未熟なアイナナが追いかける、完成形のアイドルTRIGGER。その真ん中に立つ天は、ファンがあって成立する『アイドル』という職業をしっかり把握し、それ前提で自我を確立している。
対して現段階の陸は、あくまで自分と兄の関係性の中でステージを測量している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
自分だってやれるんだ、お兄ちゃんに捨てられなんてしないんだ。
無垢で危険な愛情は陸の喉から飛び出して、刃のような歌声になる。それが狙わずして、ファンの心を切り裂いてアイナナに引き寄せていく。
それは身勝手で盲目的な『アイドル』の在り方だけど、でもそういう在り方もアリだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
追いつけない兄のため、それを追いかける自分を前に進ませるための、ある種エゴイスティックな歩みだけども、その身勝手さがパワーとなり、アイナナを前に引っ張るのだ。
そういう心の力を描いたことが、陸を中心に前に進んでいくアイナナ、彼をセンターに据えた伊織(にぶら下がってるマネジ)の決断に説得力を与えてもいて、なかなか面白い作りだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
アイドル続けてれば、そのうち兄のため、自分のための歌が『みんなの歌』になってしまう瞬間も来るだろうし。
陸から見た天は、身勝手に自分を見捨て、勝手に走っていってしまった無慈悲な存在だ。兄がそうなってしまったと信じたくないからこそ、置いてけぼりにされた空疎を必死に走って埋め、同じ景色を見ようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
しかし第4話と同じように、客観で見た天は弟のことをよく心配してる。
プロの『アイドル』であることへの矜持もあるのだろうが、実際爆弾抱えた陸がステージングし続けるのは厳しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
遠ざけようとするのは、自分が思い知った痛みを『弱い弟』に体験してほしくないからでもあろう。♪ツンツンデレデレツンデレツーン(唐突なツンデレのうた)
しかし同時に天の態度は、成長し変化する『弱い弟』を見下してもいる。別れから時間が過ぎて、兄ちゃんべったりだった弟も自分の意志を持って、『アイドル』を目指している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
二人の思いがぶつかり、止まった時間が動き出すためにも、陸は店の高みに至らないといけない。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
店の高み→天の高み
店行ってどうすんだ。
目の前の障壁を乗り越えるだけでなく、話全体を貫く大きなクエストを確認する意味でも、今回の陸の足掻きはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
今後も陸(と、彼を先頭に走るアイナナ)は、天(と彼を中心に戦うTRIGGER)を追いかけ続ける。その歩みが、彼らを『アイドル』にしていくという道がクリアに見える回であった
この主線を冷静に支えていたのが、一織と大和のW頭脳派。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
一織はあくまでクレバーに、大和おにいやんは大人の責任と人情を武器に、アイナナが突っ走る線路を丁寧に整えてくれていた。
マネジが謝りに行く時、入り口のスーツ大和見た瞬間リアルに『マジか!』声でたけんな。お兄やん…あまりにも…。
レッスン後の陸見て、聴診器なしで副雑音聞き分けて、陸が隠している爆弾に気付く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
スーパー高校生いうてもスーパー過ぎるやろ! という描写だが、一織の一歩引いた冷静さ、それが生み出すケア力の高さを、上手く表現していた。アイドル止めて医大入らんか、一織くん。
ノンキなアホバカ共は陸の爆弾には気づかないし、仲間を信じきれない陸はそれを公開できないので、内緒の話は薄暗い階段でやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
あそこは人格成熟度的優位に立ってる一織が物理的に高みに立って、二人の人間関係が見えるレイアウトになってた。束で描かないシーンの演出の鋭さは、このアニメの強みだ
爆弾が炸裂し秘密が公開されたけど、『アイドル』を降ろされなかったことが、陸の中にまた信頼を作りもしただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
一織も自分の計算を超えて、限界を突破した陸に何か感じるところがあったろう。そういう風に、自分が変わっていく感動のタネを細かく描いているのは、話の波に素直に乗れる足場だ。
先週『カカシ』呼ばわりしちゃったマネジちゃんも、マネジの仕事をしっかり果たしにいった。計算高い一織が受け止めきれないスジの部分を、キッチリスーツで迎え撃ちに行く大和お兄やん、二兆億点ですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
キッチリタイ絞めて泥をかぶる覚悟。アイカツ第117話のジョニー別府なんだよなぁ…。
アイナナに好意的な天との接触はちゃんと描いて、今後の糧にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
陸サイドの話と同時並列させることで、実際にマネジにガーガー言われるシーンは最低限にする。
波乱を起こしつつもストレス溜めないコントロールの巧さと、先走ったツケをちゃんと解決しておく清潔感が両立する、巧い運びであった。
倒れた陸の心身のケアをしたり、先走りの後始末をつけたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
局地戦での対応はやりつつも、全体的な方針は一織に言われるままな辺り、マネジはマネジであってプロデューサーではないなぁ、という感じだ。
それはそれで役割分担だが、一織が自分に足りない『格』をマネジから簒奪している感じはある。
結果として効率優先して、仲間に嘘をついている形にもなっちゃってるので、むしろ堂々とメンバー兼プロデューサーになっちゃったほうが良くね? って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
でも陸が肺の爆弾言えなかったように、まだ信頼度が足らんのだろうな。一織攻略、必要パラメーター高そうだし。
仲間との信頼関係が足りない描写は、壮五と環にも見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
施設出身の環が『TVに出たい、顔を見せたい』と叫ぶのは、120%家族絡みだろう。幼い彼にとって、『アイドル』になることは失った家族を再獲得するための、唯一の縁なのだ。
でも、壮五はそこに思い至らず「子供っぽい」と笑ってしまう。
そんな壮五自身も、『俺は家族を捨てた』と陸に告白していた。自分も『家族』に傷を抱えているのに、運命を共にする仲間がそうであるとは、まだ想像できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
これも、今後物語が展開していく伸びしろであろう。お前ら、みんな同じ傷を抱えた運命の兄弟(サダミヌチューデー)なんよ(唐突な七忍語)
今後不器用なアイドル候補たちは、今回陸がやったように、一個ずつ自分の問題にぶつかり、それを仲間に公開し共有し、前に進んでいくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
壮五と環(一織もか)の描写は、まだまだ物語が広がってくれる期待感を膨らませてくれる、なかなか良いものだった。そういうアツいの、ガンッガンやれ。
そんな熱気を受けて、アイナナはファンを獲得し、かつて敗北したステージにリベンジを挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
未熟ながらも真摯に、今のアイナナ精一杯をファンに見せるステージがあったことで、彼らがデカくなっていく展開を飲みやすくなった。あんぐらい本気で献身的にやってくれたら、そら好きになっちまう。
少年たちの距離が近い話なんで、気をつけないと閉じてしまう危うさがあるわけだが、今回のようにファンに向かい、コール&レスポンスを繰り返して何かを獲得していく描写が入ると、いい具合に風が通る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
そうすることで、クロスレンジの交流もべたつかず、嫌味を感じずに食べれる。
前回TRIGGERが背中で見せた『ファンに本気で向かうアイドル』という理想像を、アイナナが無視しなかった証明にもなるしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
TRIGGERは文字通り、『アイドル』としてのアイドリッシュセブンがスタートする『引き金』を引いたわけだ。こういうの好きよアタシ…。
そういや、TRIGGERの所属事務所が『八乙女』なのも良いな。セブンに続くから八・九条・十なんだろうけども、八乙女は神に歌舞を捧げる巫女なわけで。アイドル事務所の名前としては、正統派にしてセンスがいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
ネーミング周りの感覚がいい感じなのは、このアニメの好きなところだなぁ。
かくして3000席即時完売の伝説を打ち立てたアイドリッシュセブンであるが、今後も色々山あり谷ありだろう。ファンの期待値に対して、運営側が十分な箱を用意できてないってことだもんな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
…ここら辺の問題を女児アニレイヤーで取り上げてた夢パティって、マジすげーな。(あんま関係ない驚愕)
アイナナという集団として。それを構成する個人として。様々なものに向かい合う中で、一歩ずつ前に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
センター、サポート役、参謀、賑やかし。いろんな個性と役割、過去と因縁がそれぞれにあって、運命に導かれた集った仲間と一緒に、困難を乗り越えていく。
『TRIGGER以降』のアイナナが何に立ち向かっていくかを、非常にスマートに、横幅広くかつディープに丁寧に描いてくれた、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
今後もこんな感じで、青春アイドル路線のど真ん中を熱く早く駆け抜けていって欲しいです。来週も楽しみですね。
あ、一織を中心軸に年長組-年少組で分けて描写があったのは、ちょっとV6っぽくて面白かった。トニセン・カミセンやろ、おっちゃん知っとるで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月22日
実年齢的には一織下側なんだけども、良くも悪くも成熟しすぎてブリッジ担当なんだなぁ…はよう氷の仮面、バッキバキにされんとな。