ダーリン・イン・ザ・フランキスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
マスカキ止めパンツ上げ! 訓練の時間は終わり、少年少女は戦場に出荷される。暴走も予定調和と受け止められ、すれ違いも屈辱も生き死にには関わらなかった幼年期が、初陣を以て終わる。
温い極限状況で見えてくる、子供たちそれぞれの地金。窒息寸前の閉塞感
先週の感想を、激情の赴くままに書きなぐった後、ずっしりとした疲労感と公開が襲ってきた。僕の違和感といらだちはそれとして、ああいう言葉遣いを嫌がる方も多かろうし、言葉が走りすぎると取りこぼすものもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
性メタファーの露悪が減った今回は、少し落ち着いて書けそうだ。
主人公ヒロを特別視する理由がわからないまま、あらゆる状況が彼を特別化していく展開は、今回も変わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
ゼロツーとダンスのように手を繋いで、大人だけが見れる特別な景色に赴いて、寝取り屋気取りの男は見まみれで排出され、ヒロだけが特別であることが確認されていく。
それはやっぱり、真っ白な世界の中で唯一真っ赤なゼロツーが持っている特別性を借り受けているわけで、ヒロ自身は冴えないエゴイストのままだ。かつて特別に賢く、優しく、人間の存在を使い捨て兵器に与えてくれる特別な存在ではあったが、今はイチゴに謝れない。謝罪くらい自分の口でやれマジで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
優しくも強くもない彼が、閉塞した世界の外側を知っている特別な少女に、特別に選ばれる。その理由、ストレリチアの特別な子宮の中で何が行われているかは、丁寧に隠蔽される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
第1話で打ち捨てられた前パートナーにしても、今回のミツルにしても、ゼロツーは激しく男を食いつぶし、その過程を見せない
ゼロツーが特別な少女でいられるのは、そのオリジンも感情も不明な『謎』であり、少なくともしばらくは彼女を追いかけるミステリとして、物語が進行する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
ヒロに近づいては離れる今回のエピソードは、そこを強調・確認したようにも思う。だから、閨の中は見れないわけだ。
性を搾取し、自由を奪い、生殺与奪の権限を握り込まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
子供たちを消費することで維持される『空も海もない世界』を、当の子供たちは一回も見たことがない。憧れる特権はヒロだけのもので、子供でありながら見限りを付ける特権はゼロツーのものだ。
加速する閉塞感の中で、主役だけが特別だ。
その唯一感、灰色の子供たちをその他大勢扱いすることで生まれる突出の感覚は、正直あまりいい気持ちではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
人間に名前と生きがいを与える特別で当たり前な優しさを、ヒロはかつて持っていて今失った。だから弱くても優しい存在として、特別性を持つわけに行かないのは判る。
でもやっぱ、世界を己の物語のために用意された特別な存在には、特別好感が持てる何かがあって欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
なんか一箇所でもいいんだが、意志なり決意なり義侠なり優しさなり、心の輝きが欲しくなる。特別な女の子にダーリンと呼ばれる資質が、一つも見えないままヒロは甘やかされ、世界が彼のためにある
その歪さが、壊すこと前提の『あえて』の描写だったとしても、そういう方向性に進んでいく気配みたいなものは、少し欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
セックス(あるいはセックスの不能)に通じるナーバスな皮膚感覚を、結構巧く切り取れているだけに、ヒロの無神経さには苛立つ。そういう意味で、ミツルの気持ちはなんか判る
かつて特別だったヒロは、すっかりロボット的インポテンツになって『男』でなくなり、それに憧れていた過去の自分もバカらしく見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
ヒロがゼロツーに体重を預けて獲得しつつある特別性を、ミツルも過去のヒロに預けていたのではないか。彼の冷笑的な態度は、それが破綻した結果ではないか。
そう考えると、あの異常な場所にいる子供は、誰かを好きになって、勝手に裏切られたと感じて、かつての『特別』を踏みにじることで自分が特別になったと錯覚して、大人の女に肘鉄食らわされて鼻血ブーになるような、凄く当たり前の、思春期の子供なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
そういう部分が感じられたのは、良かった
『生意気なビッグマウスボーイ&ガール』という書割仕事ばっか与えられていたミク&ゾロメも、命の危機を前に素直な地金が見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
大事な相手が傷ついたら、慌てふためきつつ抱きしめてしまうような、素直で優しい感性をもっていると判って、好きになった。ピュアガールが好きなピュアボーイが好き。
フトシとココロは特に裏表なく純朴で幼かった。特にココロは早見沙織のクリアな声質もあって、おっとりしたニンの良さが滲む感じだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
皆基本良い子で、色々拗らせてもいて、普通の子供で。だからそういう子を兵器として使い潰しにかかる世界に、疑問すら抱かれていないおぞましさは加速する。
それをぶっ壊して『外』に出ていく話…なんだろうが、『外』への突破特権を持つゼロツーの内面は、未だ常時伏せ札だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
彼女(そして繰り返されるモノローグで、特権的にそこへの欲望を吐露出来るヒロ)が背負う『外』への意欲が、作品内部の価値観軸で正しいことなのか、よく見えない。
そこら辺は早めに明瞭な補助線引いてくれると、色々楽なんだが、ワザとかウッカリか、そこら辺は(僕には)確言できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
道も見えない閉塞の中を、思春期の迷路の中を、大人が道を照らしてくれない状況で迷って迷って迷う話なようだから、そこのライトアップを焦らすのはよく分かるが。
人間にとって最も身近で、最も大事なアイデンティティの源泉たるセックス。性を作品の中心に据えることで、それを思い通りに出来ない苛立ちというか、先の見え無さは伝わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
のだが、慎重な扱いを必要とするネタなのも間違いない。必要(と僕は思う)繊細さと誠実さに、未だ確信は持てない。
今回もそこかしこに渦を巻く性のメタファー(というほど隠れていないが)に、ついつい怯えてしまうのはそのためだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
性という劇物を扱われて、それを蔑されてしまったらどうしよう。
大事なものを、乱雑に扱われてしまったらどうしよう。
大丈夫、そんなことしないよ。
言われてもなぁ。
物語の先行きと同じように、性へのリスペクトもまた、茫漠とした形をなぞる描写の中でぼやけ、薄らぐ(ように僕には見える)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
今週、ごくごく普通の、特別に憧れつつ特別になりきれない子供たちをちゃんと描いておいて、ゼロツーの特別性であっという間に真っ二つにしてしまった筆と、そこら辺は通じる
今週もエヴァの、トップ2の、スタドラの同人誌的描写、『ロボットアニメ』への目配せは元気だった。もうそこにいちいち引っかかってもしょうがないし、ましてや元ネタ探しで一個一個喜んでいてもしょうがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
大事なのは、形をなぞって何を入れるか、何が入っていると物語の言葉で的確に伝えるか、だ
閉鎖した街の気持ち悪さ、ゼロツーの得体のしれなさを気持ち悪く(それが映像としてm巧妙に仕立て上げられていることには喜びつつ)受け取って、そこでウロウロだけしてるヒロの顔も見て、んじゃあ足場をどこに置くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
ここに置いてください、とこの作品は言えているのか。僕は受け取れているのか
そこら辺の感覚に自信が持てなくなる、失敗で成功の初出撃でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
死の恐怖をゼロ距離で叩きつけられ、惨めさと無力さに苛まれて、誰も慰めてくれない。特別な女が特別であることを示すために、子供の一人が血まみれで放置される。
そこにケアがない冷たさを、いつかぶっ壊してくれるのか。
YesにしてもNoにしても、その疑問にエコーが返ってくるまで見ようと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
閉じ込められ使い潰される、あの世界の子供のスタンダード。そこから抜け出しつつあるヒロが、何を担保に『外』に出るかは、明瞭なロジックで描いて欲しいところ。主役を好きになれんアニメは、やっぱキツい。
生の躍動たりうる性を、冷えた脳髄で扱うしかないどん詰まり感を描くなら、ゼロツーのスラットな暴力性(に認められるヒロの唯一性)だけでなく、もうちょい『いいもの』としての性も、早く見たいのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
この作品に出てくる誰も、気持ちよさそうにセックスしないんだもの。見ててしんどいわ。
本来快楽であるはずのものが閉じ込められ、道を過ち、出口を見つけられない。そのフラストレーションを高めていくことが、性を剥奪する世界、そこに閉じ込められた子供とのシンクロ率を上げていくって理屈も判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
判るんだがずーっと見てると苦しい。借り物ではない自分だけの表現で、空気穴を開けろ
そう思ったちゃうのが、このアニメの引用主義のあんま良くないところかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
特定の生の立場を持ち上げる、政治的性言説を借り受けて振り回すより、一瞬でいいからオリジナルは火花が見たいんだよね。それ見たら、多分安心できるから。大丈夫だって思えるから。
『外』から来て『外』を求めるゼロツーが、そういう存在なのかもしれないけども、意味深なまま地金を見せてくれないので(それが現状の彼女の仕事だということは理解した上で)、僕はあんまスパークを感じない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
むしろ主役の踏み台になってる子供たちの惨めさに、フラフラ引き寄せられてる感じがある
でもそれは、あんま大事ではない感覚もある。2クール話しを運んでいく中で、さてどうなることやら。ひっくり返すための『あえて』なのか、ナチュラルな姿勢から生み出されてる歪みなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月28日
まだ判別はつかないまま、来週も見ます。
ダリフラ、つくづくゴミ人間がゴミ世界でゴミゴミしてるアニメなわけだが、そもそもそういうどうにもならない懊悩に潜り続けて、窒息し続けて、そのうち出れるかもしれないし死ぬかもしれない状況を延々掘り続ける『ロボに乗るカイジ』だという意識を持つと、付き合いやすいかもなと思った。
つまりヒロが「オレたちは…生涯奴隷だッ…!」とか「オレは押さないッ…!」とか「虚竜戦とはもっと泥仕合…愚かなもの!ひりつかなきゃダメなんだ…!」とか「胸を張れっ!手痛く負けた時こそ…胸をっ…!」とか言い出すと、よりカタルシスも生まれるのではないか。(福本先生の台詞力頼りな解決策)
ヒロたちには他人のベンツのエンブレムをへし折る自由もないんだと思うと、ちょっとこみ上げてくるものがあるな。いや、そんな自由いらないけども。 子供らがゴミゴミしてるのは、籠に押し込めてるゴミ世界のせいだもんなぁ。ゼロツーが唯一の空気穴だろうから、はよう風通しよくしてくれや。
カイジは猛烈に負のプレッシャーをかけて『お前らはゴミで、この世界はファックだ』と言ってくる利根川とか初手からいた。ので、『そうじゃねぇ!』と反発もしやすかったわけだが、あの世界のファックっぷりは当然の当たり前で、反発する足場もないまま当然に頭を抑えられ続けている。
かなり普通の物語とは違う作りをしてるから、カタルシスもまた普通ではない形で与える(カタルシスを与えないということ含めて)必要があるわけだけども、かなり難しい手筋になる。そこら辺どうやって来るのか、それとも来ないのか。 さーてどうなるかな、って意地悪な斜め見を始めるか迷う話数ね。