宇宙よりも遠い場所を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
南極に行くためのフリーマントルに行くためのシンガポール!
お登り気分でウッキウキのバカどもに、旅の厳しさが襲いかかる。無くしたパスポートよりも重たいものを巡って、報瀬と日向の青春四ツ相撲が始まる…ッ!
楽しさも苦さも感動も、みっしり詰まった異郷のお話。
というわけで、バカどもは館林を離れ異郷へと向かう。全てを試される純白の極地に飛び込む前に、まずは麗しのシンガポールで人生経験値稼ぎである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
ノンキに観光してバカやって、夜景楽しんでファンブルしても死にはしない。体重預けきらなくてもリカバリーの余裕がある。未だここは『街』である。
今回のお話はAパートBパートで色彩が明瞭に別れつつ、人格自体は乖離していない。館林青雲編(勝手に命名)で見せた各キャラの根っこは、親元を離れいろんなことを自分でしなければならない状況で、より鮮明に見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
人間描写に嘘がない統一感が、このアニメの大きな魅力であろう。
アホバカ観光ノリを心底楽しんでる日向は、パスポート紛失というリアルな状況に顔が冷え、それでも仲間に体重を預けきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
それはこれまでの物語で彼女が見せてきた賢さの裏にある影だ。もともと彼女は頼もしく大人で、でも自分の怜悧さを乗りこなせるほどには大人ではない。
気を使われるのが嫌で、どうしても距離を取ってしまう。背中を向けて、影の中に隠れてしまう。自分で決めて、自分で解決してしようとしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
ギリギリ命には関わらなくて、でも一大事な『パスポート紛失』という障害設定が、非常に巧い。頼もしさの奥にある日向の危うさが、これでグッと前に出る。
今回は仕事慣れした結月が頼もしくみんなを引っ張るので、日向は思いっきりアホバカやって楽しむ。もし結月も不慣れなら、彼女は前に出て「大人」の仕事をやっただろう
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
キマリはナチュラルに周り見えていないし、生まれる迷惑にも無自覚だ。(これを「寝相」で楽しく見せているのは、非常に良い)
しかし構えず踏み込めるキマリの強さは、『大人っぽさ』が足かせになっていた結月や、自分では踏み込むべき光を見つけられなかった日向を、新しい道を引き込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
淀んだ水に苛まれていためぐみの堰を切り、新しい世界へと開放もした。長所と短所は、つねに背中合わせなのだ。
日向の賢さはアホバカグループが致命的な所に行かない目配せを生み、楽しむときは全力で楽しむ雰囲気の良さを作ってきた。基本ポジティブなものだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
でもそれは、他人に体重を預けられない彼女の気質から生まれたもので、こういうピンチには短所にもなる。
こういう人間の根っこに結びついた薄暗い場所を、第3話の四人はまだ共有できていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
それは旅に出て、局所に挑む中で否応なく試され、結びついていく。『南極』に挑む旅路が先に進んで、試練が厳しくなるほどに連帯も強くなり、『親友』となっていく。だから、あのタイミングでは『親友』ではない
今回二人きりの部屋で、報瀬と日向が話し合い、お互いの影を共有したこと…で終わらず、そこから脱却していく道をお互いに照らしあったことは、非常に大きな意味があろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
半袖でいられる『街』では、まだ致命的ではないすれ違い。だがそれが極地に至った時、選択するべきなのは金ではなく命だ。
だから今回のシンガポール珍道中は、『家』に守られた館林よりも少しハードで、でも『南極』よりも厳しくない、バカどもの人生クエストLV2なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
空港での手続き、ホテルの部屋決め、観光地巡り。高校生なりに自力でやってる描写が多いのが、少しの前進を巧く見せる。
館林で半歩、シンガポールで半歩。歩み寄り、先に進んで経験を積み、お互いの真実を知っていくこと。愚かさや躊躇いを踏み越えて、本当にギリギリの試練を全員で受け止める土台を作っていくこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
『宇宙よりも遠い場所』で生き延びるべく、成長の段階は非常に巧妙に組み上げられている。
日向は自分の『大人っぽさ』の影を、ピンチに引っ張り出されて向かい合うことになるが、報瀬は自分の『子供っぽさ』を表に出して、ゴツゴツぶつけたように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
どうしてもやりたいことがあって、諦められない。思い立ったら、まず行動してしまう。敵がいない時はあんまりにもポンコツ。
これまで描写された彼女の気質は、異郷の地でもやっぱり消えない。まず踏み込み、行動する。その思いに光を見て、キマリは『南極』へ歩みを進めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
その無鉄砲な前進は、時に大惨事を巻き起こすが、より善い結末を引っ張り出しもする。したり顔で大人のふりして諦めちゃ、掴めないものをつかむ。
日向の諦めをベッドに置き去りにしてでも、報瀬は理想に向かって突き進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
『南極』と嘲笑われ、傷ついても諦めずに百万円タメたときのように、『四人で一緒に南極に行く』という理想のため、なりたい自分を裏切らないために、解決策を掴もうとする。
『南極』が精神的境地を意味するように、しゃくまんえんもただの金ではない。報瀬が母を思って前に進み、傷つきながら夢を形にしてきた証明だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
報瀬は日向のため、自分の理想の『南極』のために、その身銭を切る。ためらわず切ることが出来る女なのだ。
報瀬は『手放したくない、諦めたくない、より善い自分でいたい』と吠える。それはとても難しい道で、色んな人が『諦めろ』と嘲ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
決まりはそういう悪意がピンとこないが、噂に憤っていた報瀬は、現実的な陰りの意味を、ばかなり似ちゃんと知っている。そこは日向と共通している。
それでも、報瀬は『諦めたくない』という。『四人で行く』という夢、ここまで自分を引っ張ってきた仲間の頼もしさと喜びを、ここで切り離したくはないと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
それはザイルを切るか、切らないかの選択を迫られる極地で、絶対に必要になるリーダーの資質だ。
悪意や困難を前にすると、報瀬はスイッチが入る。ポンコツ前髪パッツンから暴走ダンプカーに変わって、グイグイ前に出る。ヘッタクソな英語でもビビらず、夢を掴むチケットを握りに行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
その爆発力が、『南極』に四人を連れて行く。多分、日向の『大人っぽさ』も同じだ。
そこにはやっぱり陰りと輝きがあって、切り離すことは出来ない。最後の最後でアホバカが顔を出して、報瀬のパワーが制御不能であることが、ポシェットの中のパスポートでわかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
『感動のイイハナシ』にしきらない、巧いオチだったと思う。一気に押し切るには、まだちょっとタイミングが早い。
良いことも悪いことも色々ある仲間。そんな連中と進む旅路。その全部をまるごと食って、味わって、糧に変えていく青年たちの、眩しい輝き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
くっさいくっさいドリアンも、味わってみれば案外うまい。罰ゲームだって、楽しい思い出に変えていける。そういう可塑性への信頼が見えるエピソードだった。
日本編は主人公・キマリが話の中心にい続け、物語を牽引してきたので、今回報瀬&日向の二人で話を展開し、二人の間に生まれた新たな絆、新たな変化を推す形で展開したのは、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
配分は変えつつ、可愛いシーン笑えるシーンで存在感は十分にあるのが、やっぱ上手いな。
このアニメ『日常系』としても非常によく出来てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
初めて飛行機に乗った時の大興奮とか、がっかり名所として有名なマーライオンのがっかりっぷりにそこまでがっかりしない裏腹ながっかり感とか、『あるある』を定形でやらず、半歩踏み込んで独特の味わいを生み出してくる。
仲良し高校生四人組が、美しい国の美しい街を走り抜けていく時の心地よさとか。開発独裁国家シンガポールの美しい街並みを見て、当たり前の人生の輝きに思いを馳せる瞬間の匂いとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
すごーく太いものを、説教臭くなく肌で感じさせる描写のさりげない巧妙さは、ずっと損なわれることなく健在だ。
異郷にていつもと違う状況に向かい合い、逆に『いつも』の別の側面に気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
夜景のシーンは少女たちの成長、旅に出た意味を非常に鮮明に切り取ってきて、綺麗だし強かった。ああいうものを手に入れるべく、少女たちは『南極』を目指すのだ。それだけが目的ではないが、大事なものだ。
日向が担当してきた『大人っぽさ』は、彼女の影を描く今回は頼れない。そこを埋める形で、アイドル結月の世慣れたタフさがガッと全面に出ていたのも、これまでとは違うものが見れてとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
アイドル生活は彼女から友情を奪ったが、同時に積み上げたものもあるだ。これもまた、裏腹な影と光か
色々あったシンガポール・ジャーニー。散々笑ってかき回されて、ぶつかり合って分かりあって。最後はシャレですんだ旅の果てに、洒落にならない極限がまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
でもそんな場所でこそ、ここで手に入れた成長と変化、真実と輝きは、先に進む力に変わっていくだろう。
そういう予感のある、良い折り返し回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
過去に積み上げた描写が別の曲面で生きて、ここで積み上げた描写が未来の窮地でまた生きる。そういう『積み上げていく感じ』を強く受けることが出来て、『あ、俺このアニメ好きだわ見ててよかった』って気持ちが、グインとさらに強くなった。
何があっても諦めねぇ。ザイルは切らねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
今回報瀬が見せたリーダー根性が、『より善い人』になりたいという強い願いが、『南極』ではまた別の形で試されるのでしょう。
その時はドリアンだの罰ゲームだので盛り上がる余裕はないだろうし、でもそんな場所にも生活の輝き、笑いの喜びは多分ある。
旅の進行とともに移り変わっていく世界を丁寧に描きつつ、だんだんシリアスな度合いを増し、『大人』に近づいていく少女たちの物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
でもそれは連動のさなかで渦を巻く人生のお話だから、シリアスで洒落にならない試練の中にも、やっぱり楽しいことはある。それを見落とさない眼が、このアニメにある
異郷で展開しても変わらないトーンと、確実に変質している試練を同時に切り取ってくる、いいお話だと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
『変わる』と『変わらない』は同時に進行し、混じり合って存在しうるのだなぁ…そこら辺の複雑な色合いを、鮮明なライティングで見落としなく描き続けているのは流石だ。
色々ありつつ旅は先へと進む。楽しいことも苦しいことも、せき止められていた少女自身の光と闇を強め、見つからなかった真実にぶつかっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
その歩みが、とても綺麗で眩しい。楽しくて、応援したくなる。何が何でも、この子達は『南極』に行かなきゃ嘘だと、心から思わされる。
すっかりあの子らのファンになっちまっている自分に気付かされる、小さくて大きな試練のシンガポールでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
シリアスな試練を配置しつつ、異郷の楽しさも嘘ではないとちゃんと活写してくるの、バランス良いよなぁホント。トーンを極端にせず、嘘なんだけど嘘じゃない話を造る目と腕。来週も楽しみ。
追記 お金のリアリズムを嫌味なく話の中心に据えることで、うわっ付いた話を現実に縫い止めるアンカーにもしてるんだな。
よりもい追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
報瀬のしゃくまんえんが文字通りの『命金』であることは、『四人』を守るために使われそうになった今回の運びを見ても判る。
そこには魂の血が流れていて、ただのゼニカネとして蕩尽するのでなく、『より善い人』であることを証明する銃弾として存在している。
今回報瀬の勇気により顔を出して、バカさにより引っ込むことになったしゃくまんえんが、一体どんな場面で使用されるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
今回使われなかったということは、『パスポート紛失』レベルのハードさはでは、まだまだ足りない、ということだ。
命か、魂か。失ってはいけないものを繋ぐザイルとして、しゃくまんえんはまだまだ温存されている。それを報瀬はどう手放し、何を手に入れるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月7日
思いの外、金銭と価値の関係性を、笑いにコーティングしつつ深く深く運んでいる気がする。しゃくまんえんには、しっかり注目し続けたい。