ハクメイとミコチを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
今日は楽しいオフタイム! 髪切って、服買って、飯食って、面白いこといっぱい!! っていう、三連作な回。ジャダさんも出るよ!
誰かの休日は誰かの仕事日であり、仕事の仕方も色々ある。ワーカホリックなイワシと、自由人なジャダを並べることで視界が広がるエピソード。
というわけで、いろんなことが起きてる回である。省略ポイントが良かったのか、短い時間ながら視聴体験が濃厚で、食い足りなさは無かった。街ぶらとかかなりの数、店の描写が端折られてるんだがなぁ…コアの部分をしっかり掴んで、映像に落とす手腕が良いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
今回は作中きっての自由人、床屋のジャダが顔を見せる回である。何しろ声が新谷真弓、尋常の女ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
家は卵がまるまる一個ネジ止め、お団子硬かったら休業、変人だが腕は良く、掴み所がないけども理髪への情熱は高い。この作品らしいキャラの付け方で、非常に面白い。
今回のお話は色んな人のオン/オフが入り交じる回で、ハクメイにとって理髪は仕事の外にある、息抜きの時間だ。ベリショ清潔感あって、マジかわいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
しかしジャダにとっては仕事…なんだけども、構えたところがなくて半分くらいはオフ…に見える。しかし、ズルズルとやっているわけではない。
客と軽妙な会話を交わすこと、硬さを解して、、出来上がった結果だけではなく理髪という行為自体を楽しんでもらうこと。(気持ちよくって寝ちゃうのも含む)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
それがジャダの仕事スタイルなのであって、不真面目にだらしなく仕事をするのとは、またちょっと違う。
今回はCパートでリモンチェッロの話を入れて、ジャダの強いキャラで畳み掛ける構成であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
視聴者はジャダののんびり変人っぷりが脳に刺さっているから、『お酒がまずかったから休業』てのも納得は行く。オン/オフのスイッチが変なところにある女だな、と。
しかし話が進んで、酒が完成(≒オフが終わる)と、ジャダはヘアアレンジという形で理髪をする。『アルコールが入っていたら、刃物は握らない』という信念があって、彼女はあえてスイッチをオフにしていたのだ、とここで判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
そういう一筋では行かない仕事への向き合い方も、また良い。
このあとさらに『お団子硬かったら休業』というトンチキなオフでしっかり落としているわけだが、あれも『お団子堅い、腹立つ、酒飲む』という流れでオフになっているわけで、掴みどころのないジャダの理髪酔拳には、やっぱり彼女らしいルールがちゃんとあるわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
イワシが両手に花で(全くそう見えないが。衣食住、理髪に歌に観光にと、人生の潤いをあらゆる局面から切り取るこのアニメで、『性』は凄く丁寧に除去されている。その清潔感の維持はなかなか面白い)休日を楽しむBパートも、またオンとオフの話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
真っ昼間からビール! マスタードの入ったブリトー!! 深夜にメシ画像貼る人絶対許さない!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
そういうテンションに持ち込まれる、広間での昼食。それはオフの時間のはずなんだが、堅物イワシ親方は戯れの出来ない男、常時マジレスワーカホリックである。
食事と散策、ショッピングに新しい服。仕事から離れた『イワシが行かない場所』を少女二人は楽しんでもらおうとするけども、イワシが見ているのは目地だし、超かっこいい服も仕事着扱いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
オフの中でも、常にオンにしちゃう。オンのはずの仕事中に、オフビートで過ごすジャダとは反対である。
しかしジャダが彼女なりのルールで仕事スイッチをオンにしていたように、イワシだって一日のオフタイムを楽しんでいないわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
新しい服、新しいメシ、新しい場所。
ダチがいろいろ考えて差し出してくれた『楽しい』を、誠実に受け止め、自分もその一部になろうとする。
そういう積極性はあるんだけども、しかし人間の根っこは早々変わらない。『お団子硬かったら休業』なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
オフタイムでもオンになってしまうイワシの気質に白旗を上げて、ハクメイは仕事場である風車(第3話の苦い失敗が、さり気なくケアされている)の前に、オフの空気を広げてみせる。
なかなかに楽しみきれないイワシの気質を、責めるではなく肯定して、それもひっくるめて心底『オフ』を楽しめるようにする。楽しい街は、テイクアウトという形で、そういう喜びにも対応してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
そういうハクメイとあの世界の度量の広さを感じられて、風車前の宴会はいいシーンだった。旨そうだし
ミコチも旦那の同僚を心底楽しませれるよう、被服という自分の分野で大暴れ…なんだけども、ナイトスネイルを前にした服キチっぷりは、オフ全開と言い切れないのが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
彼女にとって被服は仕事であり趣味であり、血を狂乱させる快楽でもある。高値で買った服を参考に、新しい服を作りもするだろう
オンとオフのスイッチは、ぱちぱち切り替えれるものではなく、人の中にそれぞれの形である。自分の形を押し付けるのではなく、柔軟に他人のスタイルを受け入れつつ、お互いがもっと楽しめるように本気で遊ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
そういう心意気の良さが、三篇のエピソードを貫通していると感じました。
そういう意味では、結構頑なで自分のスタイルと他人のスタイルを混じり合わせるのが下手くそなコンジュをCに持ってきたのは、いいアクセントなんだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
押しが強いくせにポンコツな彼女は、『髪切って欲しい!』という自分のスタイルが巧く行かなくて、結局泣いちゃう。
それはま、ジャダが自由すぎるのが大きな理由なんだが、最終的にはそのジャダが『仕事』をして、みんな笑顔になる。コンジュもリモンチェッロは造る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
リモンチェッロづくりが巧く行ったのも、『食事作り』というハクメイの職能をオフに活かした結果といえるか。やっぱオン/オフは繋がってる。
卵の家の精密なインテリア描写がさり気なく語るように、あの世界は余裕と美しさに満ちている。細かいところにカリカリせず、オンオフ思うがまま豊かに生きられているのは、その後押し合ってのことかな、という感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
が、その美しさと生き様は、僕らの大きな世界にもちゃんと繋がっているだろう
そんな気持ちにさせられる、良い三連作でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月16日
本来バラバラなお話を、ジャダという『登場人物』でわかりやすく、あるいは『オン・オフ』という形でさり気なく、芯をしっかり入れて繋ぐアニメの再構築、やっぱ良いな。
来週も楽しみですね。