Fate/EXTRA Last Encoreを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
熾天を遡る梯子は第二層、緑の地獄へ。擦り切れた騎士と薄汚れたひばりが支配する、永遠の戦争。不意打ち、狙撃、罠に毒。あらゆる手段が肯定される修羅界で、世界の真相がまた一枚、剥がれ落ちる。
バリッバリの説明回だったが、色々腑に落ちる部分が多くて助かった。
というわけで、周辺情報を摂取しつつの第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
とにかくいろんなことを説明しまくる回で、風呂に下着にケツにチチに、いろんな方策で目を楽しませつつ、セリフを視聴者の脳髄に入れる作りだった。量産型ラニとか。
ネロの下着、アホみたいに攻めてるデザインだな…ていうかそれ、下着なのか…?
哲学的疑問はさておき、色々情報が公開されて、見えるものもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
ゲームでの聖杯戦争から一世紀、地球人工は10万人を切った。伊勢原市以下である(ローカルネタ)。
文明の光がこの月面にしかないなら、あの怠惰の都でシンジが守ってきたものは、確かに人類生存最後の証であったのだな。
※訂正 一世紀→十世紀
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
一千年、アタマを天蓋に抑え込まれながら生き続けるしかないなら、そら腐る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
むしろ戦いから離れ、安寧と平和を与えようという根源が生き続けていたシンジは、歪んでいても聖人だったと思う。そら、ドレイクも見捨てんわな。殺してでも生き延びた経験が嫌で、1000年殺さずにすむよう考えた訳だ。
繰り返す永遠の中で、希望も願いも腐敗して変質してしまう哀しさというのは、Fate(というか奈須きのこ作品)に幾度も出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
”空の境界”のマンション、”hollow”の繰り返す四日間、エミヤの摩耗。バッドエンド後の世界を遡っていくこのアニメは、やっぱり閉じた楽園と、そこに順応できない魂を語る
シンジが享楽と統制で作り上げた『戦わなくて良い街』の後に、ブラックモアが生み出した『戦いしかない森』が来るのは、面白い対比だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
原作やってないので、あのヒゲじいは『クリティカル威力上る人』でしかないのだが、1000年の停滞が不敗と変質を呼ぶなら、多分清廉潔白な騎士だったのだろう。
世界一つを手に入れても、最初の望みはかなわない。出口のないリピートの中で、敗北の事実の中で、マスターが聖杯に託す願いは擦り切れ、腐敗してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
それが多分、聖杯戦争を終えたセラフに課せられた呪いなのだろう。舞台それ自体が、原作を変奏する装置、というか。全自動悪堕ちタワー。
電子化されても、定命の定めは人間につきまとうようで、マスターは永遠の中で変質してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
しかしサーヴァントは生前の願いを抱え込んだまま、満たされない永遠に順応し切ることもなく、あくまで従順な機械として世界を生き延びようとする。この対比も面白い。
鳥海声の特権、ぶっ刺さる精神攻撃で追い込むロビンは、ネロが懐かしむ麗しの決闘を求めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
ブラックモアが勝利のために捨て去り、多分そのために勝利を積み重ねても上がれない卑劣さに、とても近い存在だからこそ。彼は騎士のような戦いを求め、持ち前の卑劣さでリングを造る。
それはサーヴァントが『満たされず死んだ英霊』だからこその矜持であり、ネロが『あらゆるものへの感謝を忘れず、素直に人と繋がる喜び』を求めるのと、同じ心理なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
毒と暗殺は、ネロにとっても馴染みのもの。だからこの電子の夢の中では、皇帝らしく、剣士らしく演じたい。
人間であるマスターは、電子牢獄の中で変質してしまった願い/呪詛を、世界レベルに拡大する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
死体であるサーヴァントは、歴史に刻まれた過去生を取り戻すべく、その檻の中でもがく。
ラスボスが世界を書き換えてしまった後から始まるこの世界、マスターのサーヴァント化が発生してる、とも言えるか。
存在するはずのないイレギュラー、ハクノはそのルールに縛られていない。懐かしんだり変質したりする過去は、彼にはない。あるのは憎悪と上昇志向、理由のない衝動に突き動かされて、他人の切なる願いを殺し、世界を否定し続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
この理由なき自動性は、NPCっぽくて面白い。
ハクノの憎悪と上昇志向が、何か理由のあるもの…根源が忘却されたものではなく、そもそもなんにもない、他人に植え付けられた空白そのものだったとすると、いくら探っても何も出てこないのは、良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
電脳世界だし、NPCって単語も出てるし、そういう感じなのかなぁ…どうかなあ。
そんなハクノでも、可愛いヒロインネロCHANGへの感謝は、憎悪以外の唯一の感情として実感できる。ちゃんと言葉にもできる。それはネロの言う通り、大事なことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
生前それを大事にできなかったからこそ、失意のうちに死んだだろう皇帝の、淋しげな表情がなかなか良かった。
ネロにとって過去生は多分、二つある。ローマ皇帝として生きた生と、千年前、敗北に終わった(だろう)聖杯戦争だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
彼女を上昇させる我欲は、そのどちらから(あるいは両方から)来るのか。はたまた、ハクノをマスターとする今の聖杯戦争に、ちゃんと足場を置いているのか。
ネロにとって、ハクノはアグリッピナ、ポンパエナ、あるいは第1話アバンの女性マスターの代理品なのか、はたまたハクノという一個人なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
世界設定の謎を掘るのも面白いが、多層的な転生の中で女の心がどこにあるのかを探るのも、結構大事だし面白い。そのヒントがよく出ているのは、とても良い。
ロビンもブラックモアに愛蔵半ばする忠義を捧げているようで、こっちの流れも気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
やっぱ原作の大変奏であるこのアニメ、下地となる『ゲームでのキャラ』を知ってないとどこが変わったか、なんとなくは分かっても、真実驚き込めて飲み込めない感じはある。が、なんとなくは判るのだ。
それはドレイクとシンジでも感じたし、Fateコンテンツ最大の醍醐味でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
悪趣味なシャーウッドの森の中で、悪辣なるロビン・フッドの成れの果てが、髭面爺に何を見て、何を望んでいるのか。その感情が決戦の中で、ズバッと見えるといいな、と思う。
とにかくベシャリが印象に残る回だが、狙撃から死地に追い込んで、舌戦も交えて本気で殺しに来る敵の動きは、なかなかタクティカルで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
『決闘』とは違うルールで動く『戦闘』があるからこそ、ロビンがニヒルな仮面の裏で臨む『誇りある決闘』の不自由さ、頑なさ、熱気も伝わる感じだ。
そんなピンチを救ってくれたレジスタンス・ラニくん。…シオン…シオンだろ! 溜めJCからシンクループしてくれよ!(アトラス院制服見ると興奮するメルブラジジイ)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
彼女の背景もさっぱりだが、1000年の閉塞の中でも腐らず、墓と人間の矜持を守ってきたようだ。
フロアマスターは腐敗し、レジスタンスは歪みつつも落ち切らない。これが今のセラフのルールなのかなぁ…凛ちゃんさん(っぽい人)が、どういう願いを持ってるか次第だけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
悪たるフロアマスターと殴り合うだけだと、流石に七回やると飽きるので、ジョーカーになりうる役割を入れてるのは面白いね
とまれ、色んな説明で物語の輪郭が分かってきて、その中で人間と英霊の魂はどう変質し、しないかを教えてくれる回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
謎が見えるとまた謎が増えるが、それが面白い。なんして地上人類は、文明遺児限界まで追い込まれちゃったのか、とか。転輪聖王に、強制成仏でもさせられたか。
しかし話の骨にあるのは、やはりマスターとサーヴァントの関係性、そこで歪む美しい望みのあり方だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月17日
モリモリ説明を入れつつ、そこを忘れずネロがヒロイン力高かったのが、とっても良かったです。次回も楽しみですね。