衛宮さんちの今日のごはん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
月に一度のお楽しみ! 殺伐世界を飛び越えて、食の楽しみ、ヒトのぬくもりを奴らが味わうスピンオフ・アニメも三回目。
今回は可愛い可愛いイリヤちゃん(姉)が、心のこもった歓待を受けるお話。往く側も待つ側も、春の日差しは幸福に満ちて。
クオリティの高さは相変わらずで、その細やかさが全体的なムード、作品の味わいにちゃんとつながっているところも同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
錦糸卵を伸ばす時のリアリティある動き、イリヤの小さな可憐さを強調する作画。巧さを巧妙に調整することで、楽しさと良さを生み出す演出力は流石である。
短い時間に色々見どころがあるのだが、まず『Fateのスピンオフ』として、クスグリの巧さが光る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
冒頭の300SLで『オッ』となって、UFO作画で書かれた藤村家のスケールに感激し、母娘揃ってさっそうとエスコートをキメるセイバーの男ぶりに酔う。
他作品知らんでも十全以上に楽しめる仕上がりであるし、知ってればなお心揺さぶられる。血みどろ宿命バトルを離れ、ノンキに食べたり、今回みたいにちょっと構えてイベントを楽しんだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
血の赤が背景にあればこそ、真っ白な日常が尊くも感じられる。ここら辺のバランス感覚は、非常に鋭い。
別の世界線では心臓抉られたり、人類救済の器になったり、家の宿命に押しつぶされたりしてきたイリヤが、外見相応の少女として、ひな祭りに飛び込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
『少女の健やかな健康』を祈る行事に、綺麗な服を着て、かつて殺し合った相手の腕を取って進んでいく。
それはまぁ、身勝手な夢というやつで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
しかし同時に、あの戦いが好きだけどもシンドい僕らが見たかった夢を、こうして形にしてどっぷり喉まで浸からせてくれるありがたみは、なかなかに代えがたい。
ワリと日常系スピンオフの調味法として、頂点に近い場所にあると思う。
今回は『食べる』喜びと同時に『飾る』喜びも、大事に描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
綺麗な振り袖に身を包み、イリヤをドレスアップしていく藤村。味よく仕上げつつ、サーモンの花、錦糸卵の衣で見た目も楽しく飾り、目でも楽しませようという努力。
身の養い、口の喜び以外にも、食と饗応には色んな強さがある。
先週のホイル焼きが肩の力を抜いた、日々の食事であったのに対し、今回のちらし寿司はハレの日を飾る、ちょっと気取った食事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
でもそこに通じる心は変わりがないし、両方美味しい。箸を使ってみんなで食べることは、そういう大きな温もりをバラバラにして、体の中に入れることだ。
今回の綺麗な食卓は、そういう食事の多様性、共通性をしっかり形にしてくれたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
エピソード選択が巧妙で、一話一話のクオリティが非常に高いことで、食事の風景が持つ多彩な顔全てに価値が有ることを、説得力を込めて描けていると思う。単話で強くてシリーズで強いな、このアニメ。
『男女比』という意味でも今回のお話、いい対比を作っていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
前回が兄貴と士郎の男祭りだったのに対し、今回は士郎が座りの悪さを感じるほどの、女の園。
しかしどっちも良いもので、どっちにも料理がある。みんなで食卓を作り上げ、囲んで話す喜びがある。
季節は移り変わりつつ多層な表情を見せ、そこに様々な形で食は寄り添う。ヒトの組み合わせ、求められる良さが変わっても、食はそれに応えることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
シリーズとして繋げることで、食が持つ靭やかで穏やかな強さが見えてくるのはなかなかに面白いところだ。
ここまで三話、あくまで『家の料理』におさめつつも、今回のような華やかな饗宴を飾ることも出来るよ、と見せたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
何気なく差し出される当たり前の暖かさもいいけど、今回みたいに気合を入れて節目を彩る食事だって、『家』は出せる。それは良いものなのだ。
あ、凛桜がほのぼのキャイキャイしてたり、セイバーが自分の仕事を探してウロウロしたり、それに士郎が方向性をつけたり、細やかなキャラいじりの部分も最高でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
ホントごはんセイバーは、キャラ汚して立てる悪い型月らしさを抜いてくれててありがたい…。
主役であるイリヤも、ちょっと高飛車だったり、文句なしに可憐だったり、姉と妹を都合に合わせて使い分けるズルさだったり、非常に『らしい』立ち回りで良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
俺、イリヤの実年齢相応に頭キレる所が好きなんで、過剰に妹妹しない今回の描き方、良かったなぁ。
そんな感じで、祈りを込めた優しいエピソードとしても、日常と祝祭が織りなす食の物語としても、非常に気持のいいお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月1日
上質なアニメーションと柔らかな空気が、スーッと胸に落ちてあっという間に12分。いいアニメだなぁと、つくづく思います。来月が楽しみです。