HUGっと! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
天使の過去と現在が呼応する時、物語が始まる。賢いさあやの悩みと強さを、硬軟軽重取り混ぜた語り口で描くエピソード。
周囲が見えてしまうがゆえのためらいと、それも含めて自分を受け入れてくれる仲間との友情。おもしろコントに気合の靴下脱ぎ、たっぷり盛りなお話。
というわけで、第2話から約一ヶ月間を置いてのさあやエピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
偉大な母と比較される重たさ、自分が何を求めているかわからない迷い。賢く目ざとく気が利くからこそ、足を止めて考えすぎてしまう『いい子』の厄介さが、巧く表に出たエピソードだった。
凄まじく気合の入った作画で靴下が脱がされていたが、あそこはフェティシズムを満たす以上の意味があるシーンだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
子役として大人の世界に触れ続け、周辺視野と思考能力が強いさあやは、靴のまま川に入ったりはしない。後のことを考えて、ちゃんと素足になって水に入る。
対して、思い立ったらまっしぐらなはなはそんなの関係ねぇとばかりに、靴でザブザブ入る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
それは第5話で行っていたように、相手に引かれたりぶつかったりする、良いことばっかりじゃない個性なんだけども、簡単に引っ込んではくれない。兎にも角にも、野々はなは考えなしに水に入るのだ。
そのパワーと無垢さに、さあやもほまれも救われた。だから『プリキュア名物・少女たちが青春を共有するためだけに森のなかに存在する美しい泉』で、思う存分キャッキャする関係にもなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
あのお水の掛け合いは、高度に様式化されつつ感情の体温もあるいいシーンで、なんだか綺麗だった。
CA服をおもしろコントの衣装に使う展開も、思い立ったらまっしぐらなはなの気質が前に出ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
思いの外尺を使って、ベタ足でコントしに来る間合いの作り方が妙に面白く、独自のテイストだった。HUGプリの真顔でボケてる感じ、俺結構好き。
さあやの目の良さは、他人の言葉の裏を自動的に読もうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
褒め言葉の後ろに当てこすりを、期待の裏に嫉妬を。他人が見えないものが見えてしまうのも、良いことばかりではない。その辛さに自覚的なあたりも、はなとさあやはよく似ている。出会うべくして出会った感じである。
はなが全く考えずに水に入るのに対し、ほまれは意図してはなの無鉄砲さを取り込んで、『あえて』靴のまま水に入ったように思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
彼女もかつて、大人の世界に混じって競技をしていた。地頭もいいし、人格成熟度も高い。そういう自分を踏まえた上で、はなとの出会いを切っ掛けに変わろうとしている。
自分の内から飛び出した夢を追いかけ、自由に飛べる自分になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
エトワールの力に目覚めた時、ほまれはそういう決意を胸に宿した。コントに付き合い、一緒にはしゃぎ、結構アホバカな顔が今回見えたけども、それはかなり意識してやっているように思えた。
そんな努力が、僕にはとても眩しい。
なぜ、さあやはオーディションに出るのか。何を望んでいるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
それを問いかける役は、挫折に翼を折られて、もう一度羽ばたこうと頑張っているほまれの仕事であって、傷を知らない子供のままなはなの担当ではない。
さあやが立ち止まっている場所は、ほまれがかつていた、今も片足を置く場所なのだ。
両足を清廉な水に浸しながら、ほまれとさあやは、真っ直ぐな幼さに憧れる賢い子供どうしの共感で繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
私も、ああいう風になってみたい。
そんな憧れを抱いてはなに引き寄せられ、ともにプリキュアになった二人は、はなが見れない景色を共有している。
主人公たるはなの無邪気なパワーだけでなく、周囲をちゃんと見れるさあやとほまれの賢さ、そう在ってしまうことへの寂しさと共鳴をちゃんと描いて、三人が別々だからこそ生まれる耀きを大事にしているのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
バラバラだからこそ求めあう。よくあるテーマを、ただの看板にはしない
それを際だたせるためには個性が大事で、思考の根っこから細かい癖まで、さあやはどんどん過積載になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
激辛カレーとガジェットが好きで、刺激が強いものに弱くて。元子役で気遣いが出来て、天蓋付きのベッドで寝る少女。濃い口なんだが、盛り過ぎな感じはあんましない。
目がいいということは『こうするべき』という規範もよく見えてるわけで、さあやはそこからなかなか出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
台本と違うセリフを喋った今回、さあやはオーディションに落ちる。規範からの逸脱は、必ずしも評価されるわけじゃない。今までと違う自分は、なかなか扱いが難しい。
でもそうやって色々試して、だんだん自分を変えていって。より善く自分を誇れるようになったら、それはとても素敵なことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
HUGプリにおける『変身』とは、スーパーパワーに目覚めコスチュームを着替えると同時に、今までの自分を大事にしつつ、新しい自分へ踏み出していくことも含むのだろう。
それは巧く行ったり行かなかったり、凸凹な道だ。変化を前に戸惑うこともあるだろう。しかし扉を開けて乱入し、緊張を解してくれる仲間がいる。無茶苦茶やってでも、さあやをHUGしてくれる友がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
そういう人がいるなら、間違えることはそこまで恐ろしくはない。当然、怖くも恥ずかしくもあるけど。
今回オーディションに合格させなかったのは、まだまだ序盤な話運びを考えても、ようやく『なりたい自分』を探し始めたさあやの成熟度を考えても、良い手筋だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
欠点も至らない部分も当然あって、それをちょっとずつ補いながら歩いて。そういうジワジワした歩みが、HUGプリのメインシャフトなのだ
ライバルとして今回のエピソードを引っ張った蘭世CHANGも、凸凹共存する面白い子だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
親持ち出してプレッシャーかけてくるけど、努力とプロ根性も持ち合わせてる。高飛車な口調とキャラ記号なのに、妙に庶民っぽい。
今後再登場して、彼女自身も変化するような話があると面白そうだ。
さあやの母れいらとも、かなり複雑な関係が見て取れた。今後さあやのエピソードが積み重なる中で、必ず再登場して、その成長の試金石となるのだろうなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
母がCMで言っている『私だけの光、私だけの強さ』は、『最弱のプリキュア』と評されたさあやにとって、今後重たいテーマになりそうだ。
そんな感じで、さあやの過去と現状、未来を巧く描く今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
『オッス、オラ四人目!』とバンクの質が語ってるルールーちゃんも、UFOに乗って戦場初お目見えとなった。
少女三人がお互いの掛け替えなさを確認した水のシーンの直後に、パップルさんとすれ違っているのは面白いなぁ。
ルールーちゃんは、かなり分かりやすいヒューマノイド・コンピューターキャラである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ロボットだからマシーンだから、涙を流さない彼女。今後プリキュアと接触し、規格外のプログラムを流し込まれて友情することになるのだろうか。なかなか期待が高まる。
立場はバイトなのに、これまでで一番丁寧に作戦詰めてた感じもあった。計算キャラの常として、過去を乗り越えうる人間の変化可能性にしてやられた形だが、今後もちょくちょく顔を出すのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
チャラリートくんの復職含めて、なかなか目が離せない感じだ。敵陣営も、キャラ見えてきたなぁ。
クライアス社は時間の静止、可能性の剥奪を社是としているから、ルールーちゃんはあそこにいる限り変われない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
さあやが今回たどり着いて、社会的には評価されなかったけど、自分の中では大きな財産となった変化とは、このままでは無縁だ。ここら辺、敵と味方が背負うものの差異を、巧く出している。
変わること。可能性があること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
その薄暗い部分も含めて、『輝く未来』はやっぱこの作品の真ん中にある要素なのだな、と思う。
そしてそれを描く筆は、失敗や躊躇いをどっしり切り取ることをためらわない。そういう陰りは当然そこにあって、それもひっくるめて本当のことなのだと語ってくる。
色んなモノがあって、それぞれに響き合う。さあやのお父さんが主夫なのは、僕は凄く良い描写だと思った。家事を生業にする男性がいても、当然OKなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
それは今まさに溌剌とした変化のただ中にいるさあやとは別の、既に選び取られた結果なわけだけど、過去と現在、父と娘は静かに繋がっている。
デッド・オア・アライブカレーで一笑い作りつつ、少し遠い場所から娘を静かに見守る父の姿が肯定的に描かれていたのも、今回良かったポイントだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
色んな年齢、色んな関係。さあやを取り巻く多彩な世界が、彼女に可能性と変化を、『輝く未来』を連れてくる。
そこに戸惑いつつ踏み出して、時に水に濡れもするさあやの変化が、周囲の人々を変える呼び水にもなるだろう。そういうポジティブな連鎖こそが、色んな困難を超えて『輝く未来』を引き寄せる、大きな力を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
そういう見取り図が描ける、薬師寺さあやの第一歩でした。とても良かった、来週も楽しみ。