刻刻を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
最終決戦は脚立の上で! 崩壊家族VSカルト&ヤクザ連合軍の能力バトルも、遂に最終段階。理性の怪物を生み出した過去に分け入りつつ、覚悟を決める人、躊躇いのない人。
触れるものを切り裂く蜘蛛の巣との戦いは、このアニメらしいヒネリの効いたラストバトルだった。
というわけで、ラスボスが主役のあわせ鏡であったことを確認しつつ、超絶度胸人間の樹里CHANGは躊躇いはしないのであった、という回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
家族を守るために暴力を握りしめつつ、人間らしい生活には未練を残す。人間性の中間点に立ちつつ、大事なものは見据え続ける主役が頼もしい。
樹里は殺人をなんとも思わないわけではないし、通常の時間から切り離されてしまう宿命に傷つかないわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
躊躇も迷妄もあるけど、あえてそれを飲み込んで前に進む。選び取った決断の上に、行動を重ねていく。その強い意志があってこそ、ここまでこれた。
ノータイムで無抵抗の佐河ぶっ刺して、『父の威厳』を誇ろうとするオヤジの虫っぽさと、悩みつつ前に進む樹里、そこに隣り合って責務を果たそうとするジジイの対比は、非常にこのアニメらしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
オヤジの共感能力欠如の描写は、生っぽくて衝撃力もあったなぁホント…戦争だと英雄なれるタイプだ。
樹里とジジイを遮る壁は、当たり前の日常に帰還する道と、静止した世界に残る道、二つを隔てている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
血に選ばれ、異常な能力を手に入れた責務を、樹里とジジイは一度間違えた。今度は成し遂げるべく、己の未帰還をもって家族を守ろうとする。
指落とされたオヤジへの救命処置として魂抜きを使うところとか、止まったオヤジを医者に担ぎ込むところとか、一応戦闘が終わって、傷を癒やし日常を快復する描写の多い回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
その一環として『死体を埋める風景』がある辺り、まぁ血なまぐさい話ではあるんだが。
樹里が己の意志で選び取ったものを、佐河は正反対に歩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
親から継承した教団と継承は、全て道具。友たり得た人との繋がりも、ドブの川に死体として浮かぶ。
その線引は、主役とラスボスを引き離す。
確かに似ている。でも、だから何?
樹里の反応は、いつも苛烈で正しい。
人間の形を失った佐河が、その内面を反映するような脳髄の怪物になり、糸/意図を伸ばして生き延びようとするのは、グロテスクかつ独自の風景だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
触れ合おうと伸ばした手が、どうしても他人を傷つける。知りたいという欲望が、何かを破壊してしまう。そういうサガを、佐河は持っていた。
そういう凶暴さは、樹里も持ってる。貴文にもある。翼も片鱗を見せた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
でも彼らは何とかそれを乗りこなして日常を営み、あるものは帰り、あるものはそれを守るために帰らない覚悟をする。
樹里の手は他人を傷つける糸を切り、血を止め、泣いてる子供を母の元へと帰還させる。
止界自体もそうだけど、異常で具象的な要素でしっかり楽しませつつ、そこに凄いベーシックな意味とか価値とかを乗せていくバランス感覚、そういう足場があることで異常なシチュエーションが浮かない重量感は、やっぱこのアニメの強さだったなぁ、とラス前で思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
異形の繭と化した佐河が、ネズミの死体から生命を吸い上げている一瞬のカットとかも、『食べる』という行為を巧く人間性(の喪失)の証明に使ってきたこのアニメらしくて、切れ味があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
口も消化器官も使わない、完全に人外の栄養補給。なかなかグロテスクだ。
樹里とジジイは、異能の責務を引き受けて止界に残る気満々だが、結構な人が帰還し続けているこのアニメ、二人も返して終わるとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
何しろ佐河すらも赤ん坊に戻して生き直しだからな…ひ孫まで代を繋いだジジイが、若い樹里が戸惑う異形の出産を人間らしくこなすシーンが、希望があって好き。
アレは間島の年下のお兄ちゃんとも響くオチで、一欠片の救いはありつつ、樹里の決意が無駄になるわけでもなく、悪行がなかったことにもならず、良いところに落としたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
止界は色んなものを奪っていくが、しかし帰還できないわけではない。樹里はその手で、それを証明し施してきた。
樹里が分厚い決意(あるいは殺意)を持ちつつ、前に進む決断を掴み取れたのは、彼女がためらいうる存在だからこそだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
貴文の迷いのない踏み込みと、樹里の素早い行動に、表面的には差はない。もしかしたら、佐河の暴虐とも。
でも、そこに至るまでで樹里は大いに悩む。よく見て、考える。
怪物すらも生きていて、異常な静止世界も人間の業に満ちている。ほころびまみれの家族でも愛着があって、それを守るためでも死にたくはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
色んな矛盾を簡単に割り切らず、実直に見続けて、その上で決断すること。果断に行動するのと同じくらい、柔らかい悩みを手放さないこと。
それが連帯を生んで、最終的に『家族』は佐河に勝利する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
策謀家から理性の怪物、異形のモンスターから脳髄の化物、人食いの蜘蛛、そして赤ん坊へ。
いろんな形に変貌しつつ、対立の構造を最後まで運んだ佐河は、いいキャラだったなぁ…どう生きるか分からんけども。
人間と怪物の間にある、狭くて細い壁。それを壊さないよう慎重に、しかし果断に走ってきた主人公が、どういう歩みで日常へ帰還するか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月20日
長く続いた永遠の一分間も、遂に普通に動き出す時が来る。後一話の物語をどう終えるか。エピローグ、非常に楽しみである。