カードキャプターさくら クリアカード編を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
いつもと変わらぬ今日、必ず覚める夢。時計は同じリズムで時間を刻み、今日も一日がはじまる。
ゆったりとした日々の描写に、体重を感じるアクション描写と、不穏な気配が挟み込まれるエピソード。だんだん色々回ってきたゾ。
というわけで、繰り返すようでいて変化していく、クリアカード編らしいエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
学園生活のビッグイベントである球技大会が、授業という日常に挟まれる形で配置されているのが、エピソード自体の作りとシンクロしてて、なかなか面白い。異質は常に、日常の隣りにあるのだ。
冒頭描かれる、二つの朝。ともに少女が夢を見て、保護者が見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
しかし秋穂の家は強い光とそれが生み出す影に満ちて、さくらの朝は明るく楽しい。紅茶を飲むシーンが明瞭に描写されない前者と、朝ごはんをちゃんと食べる後者。海渡と藤孝の表情も、明確に対比されている。
段々と自覚に近づいている、秋穂の夢。それを見守る海渡の仕草は、偏執狂的な丁寧さで切り取られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
異常なクローズアップで逃す所なく切り取ることで、『紅茶を淹れる』という暖かい仕草は、一種異様な迫力を帯びる。魔術の詠唱、呪いの準備のような。
話を聞き、アドバイスをして、紅茶を差し出す。海渡の行動におかしいところはないのに、表情は闇の中に溶けて怪しく、秋穂の記憶も意識も、夢の中で茫漠と溶ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
幸せの輪郭に不穏を宿す冒頭は、一連の事件を追えての夢の床で、さくらと繋がっていく。
さくらの方はいつものように、元気で幸福な家族の風景である。クリアカード編は家族がすれ違う描写が結構多くて、なんか意味あるのかな、と少し考えもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
自立を初めたさくらの変化を強調しているようにも思うし、それ以上の予兆があるのかも知れない。まぁそこらへんは先の話。
それぞれの朝が終わり、学校での生活がはじまる。球技大会は体重を感じる細やかな作画が生きて、スポーツの描写も戦闘の描写も、独特の味わいが楽しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
フェイダウェイも凄いんだが、その前のフェイクと歩きの作画がさくらの運動センスを如実に表していて、とても良かったな。
万能超人であり、特に運動に秀でる小狼と互角な秋穂。そんな二人、どちらにも負けてほしくないさくらの気持ちと、それに呼応するように現れる『氷雹 』のカード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
明暗入り交じる朝が明けても、なんか不穏な感じは朗らかな学園生活の奥で、じっとりと流れ続ける。
今回は全体的に動きの描写が細やかで、殺意満々の『氷雹 』さんと合わさって、なかなか面白いリアリティがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
柱に回り込んだり、周囲を伺ったり。静中の動の描写に独自のセンスがあって、緊張感のある戦いだったと思う。毎回アクションのテイスト違うの、地味だけど面白いね。
バトルの方はデッキに縛られるさくらと、万能型の小狼がそれぞれの長所を噛み合わせる形に。五行どれでも勝負できるようになってるあたり、ほんと香港時代にキッチリ修行してきたんだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
しかし大技の詠唱があえて省略されたり、こっちでも不穏な描写は多い。なんか良くない対価支払ってんのか?
『氷雹 』を『反射』でしのいでも被害が出たり、封印しても雹は消えなかったり、今回はなんかいろいろ暗喩的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
『反射』は、夢からのアプローチに対し、防戦一方でも状況は改善しない、ってことなのかなぁ。クール終りが近づいて、何かが変化しつつある感じが色濃く出てきている。
しかしその『何か』はさくらからは遠く、新しい杖の由来も、目指すべき未来も、敵との対話もさっぱり不明である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
近くにあって、しかし触れることが出来ないもの。事態の真相はまだまだ遠く、しかし『ケロちゃんがよく寝てる』という不穏なメッセージは、確かに出される。
当たり前の中に潜む陰り、繰り返しを揺るがす不穏。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
そういうものを、全面に押し出してくるエピソードでした。表面上は微笑ましい青春の一ページなんだが、そこに潜んでいるものを際立たせるアングルを、積極的に取りに行った、というか。
それは多分、物語の開始時から動いているもので。しかしこのタイミングで照らしに来たということは、変化が近いということなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月25日
夢に出てきた、羽の生えた蛇は一体誰(あるいは何)で、あの出会いが何に繋がるか。サスペンス色も強まりつつ、クリアカード編後半戦、楽しみですね。