イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

トーキョーナイトメア 22スタイル全レビュー

TNMも上級ルールが出て、基本的なデータ基盤が整ってきました。
各スタイルごとの使い勝手、強み、方向性などをまとめた現時点でのレビューを書きます。
コバヤシ個人の環境と好みに基づいた判断なので、役に立たない部分もあると思いますが、よろしくお願いします。

◎カブキ
芸術と強運、二つの強みを持つゼロナンバー。
組み合わせルールの変更により、なんでも<マエストロ>で上げるビルドが不可能になったため、かなり独特の立ち回りを強いられる。
精神戦の強特技だった<熱狂>を失い、アタッカーとしての性能は下がり気味。
ただしセットアップ万能支援となったNEW<熱狂>は、頭おかしいレベルで強い。
山札引き系は安定性が悪く、どうやってもファンブルの壁を超えられないので趣味のビルドか。
プレイ時間が伸び気味になるのが、一番の弱点だと思う。

◎バサラ
世界観のリアリティレベルが上ったので、特別感も増した魔術師やら超能力者やら。
ワリと万能気味の仕上がりで、痒いところに手が届く塩梅。
<元力>の実践性が軒並み上がっていて、どの能力に目覚めてもそれなりに使い出がある。
<元力:電磁>と<元力付与>だけで、ダメージ+20点は偉い。
他にも<拡大>で範囲化したり<元力:光学(負)>でリアクション不可にしたり、必要なパーツは揃っている。
アイテム弱化により、火力と達成値の天井が下がったため、<障壁>は高効率の防御手段として非常にいい感じ。

◎タタラ
技術時代の主役となりうる、優秀なる天才博士。
<アドバイス><マキシマライズ>のストレートな強さが目につくが、アタッカーとしても優秀。
<戦闘算法><機能解析>である程度のアタッカー基盤を整え、<爆破工作><爆破工作Ⅱ>で面接圧も可能。
各種改造系は使い方次第だが、単純な効率としてはそこまで良くない。
というか、そこに頼らなくても十分仕事ができる環境に、ようやくなった。
<盾打ち>でガード値を打撃力に変換したり、<アームズブロック>で打撃力を守備力に変換したり、ちょっとヒネった使い方に強みがあるか。
<マルチドライバー>ともども、上級の段階で<メカニック>による幅広い対応が可能なのはありがたい。

◎ミストレス
どんな時代でも強スタイルを譲らなかった、支援と防御の要。
達成値、ダメージ支援、各種防御と、全てがハイスペックにしっかりまとまっている。
手札交換系が他スタイルでは現状弱いので、<乙女の喝采><盾の乙女Ⅱ>による安定性獲得は強い。
地味にディフェンダーとしての性能も高く、ARを消費しない<母性本能>、精神戦対策の<吉祥天><女神の灯火>を<肝っ玉>で支えて使いこなしたい。
<声援Ⅱ>の上限がSLじゃないのは、確実にバグ。
支援範囲化の<励ましの歌>を巧く使いたいが、<盾の乙女>は単体※なんだよなぁ……。

◎カブト
いつでも安心、チームに一人は欲しいフェイルセーフ。
ガッチンガッチンの肉体戦ディフェンス特化で、色んな手段で味方を守れる。
各種防御手段のAR消費を低減する手段が、奥義の消滅と一緒に消し飛んだため、<自動防御>の唯一性が高い。
『クリスタルウォール』が神器のレベルまで強まっているので、受け値型のカブトは強い。
が、<跳弾>には注意。
<一心同体>はあらゆるドッジと組み合うため、<鏡像><ドミネート>など達成値が伸びるドッジを、巧く集団防御力に変換していきたい。
リアクション不可系を抑えに行ったとき受ける-3をどうするかが、TNMのディフェンダーに大事になるだろう。

◎カリスマ
今日も唸るぜ怪しい言葉、精神戦のスペシャリスト。
<狂信者>が心理ドッジとなり、<狂信者Ⅱ>で範囲に拡大できる方向に。
<パワーワード>による底上げを生かして、精神戦アタッカーと両立させる作りが強いか。
<サブリミナル>でのリアクション不可、<集団催眠>での面接圧、<ゲシュタルト崩壊>での打撃力底上げと、精神戦アタッカーに必要なものはだいたい揃う。
地味に<陣頭指揮>で自前のCS上昇を抑えている所が、アタッカーとして優秀な所。
セットアップ支援は他スタイルに比べ地味だが、任意範囲化の<名将>はカリスマだけの特権。
上手い使い方を考えたい。

◎マネキン
弱さは強さ、ズルさが吠える夜の花。
相変わらずの強スタイルで、支援から攻撃まで何でも出来る。
<魔女の指先><ハートプレジャー><マスコット>による達成値支援、<魔女のひと刺し><破滅のささやき><毒舌>によるアタック性能と、ベース性能が高い。
<誘惑>を様々に使い回せる<大嫌い><魔性の美><悪魔のささやき>も合わせて、非常に万能な仕上がりである。
流石に面防御と面攻撃は出来ないが、そこは他スタイルで補えばいいか。
<アドレナライズ>+<アドレナライズⅡ>が、CSサポート、達成値上昇、ダメージ上昇と、サポに必要な要素を完全自己完結させてる壊れ方。
CS支援の数が減った(<加速装置><加速>)のもあって、唯一性が高い。

◎カゼ
加速を続けるトーキョーを駆け抜ける、最速の騎士。
今も昔も独特のポジションに居るスタイルで、なかなか扱いが難しい。
<ライドファイト>+<デッドチェイサー>でヴィークル攻撃力を倍取りするアタッカーが、基本の仕事かなぁ。
<ロケットスタート>の性能が上がり、名実ともにNOVA最速になった。
<フェイントターン>による癖のない支援、攻防を兼ねる<操縦>自体の性能で、基本スペックは高い。
問題はアーバンなシナリオが多くなるTNMで、車両がゴロゴロ走り回る違和感をどう克服するか、の方か。
都市特化型ヴィークルの、手早い導入が求められる。

◎フェイト
薄汚い街に舞い降りた、一筋の真実の光明。
何かと導入が多い顔スタイル故か、あらゆる局面に対応した優秀な特技が溢れかえる万能スタイル。
<探偵の勘>による支援、<信念の盾><警報><探偵覚悟>による防御、<トリック><サイコショック>による打撃力と、戦闘スタイルを選ばないベースの強さが魅力。
汎用性だけでなく、<イレギュラーズ><チェイスムーブ><ロングハンド>など癖の強い技能も持っており、色んなビルドを楽しめる。
リサーチ性能まで<事情通>で補えるため、本当に万能で隙がない。
他のスタイルを補助する目的で持っても、<勇気ある者>で神業を汎用的に使えるところも便利。

◎クロマク
闇に蠢く悪いヤツ、コネとカネとで大暴れ。
舞台裏で判定可能な特技が増えたため、<陰謀術数>はリサーチ強化以外にも様々な使い所がある。
<レッドカーペット><天災>によるオートアクション支援が優秀だが、種銭がいるので<ブラックマーケット><裏帳簿>で補っていこう。
<刺客の狙撃><刺客の一撃><支配者の拳>による殴り性能も高いが、ベース達成値を上げる技能がないため、他スタイルで補うのが良い。
<帝王の意地><帝王の気概>とか優秀なディフェンス手段なのに、クロマク自前で<信用>上がらんのがなぁ……。

◎エグゼク
超資本主義時代のてっぺんに座る、ダスクエイジの宮廷貴族。
クロマクとは別の形でゼニを使い回す能力が高く、<プレジデント><ビッグプロジェクト>による支援が強め。
達成値の天井が下がったのと、RLに切り札なくなったんで、21でしのげる局面も多い。
<資本投下><マネーパワー>による殴り性能も高いが、これもやっぱりゼニを持っていかれるので<予算獲得><追加予算>でしっかり補助していこう。
<デスマーチ><ブラックコーポ>による素直な支援能力も、当然高い。
<運命の輪。は自分だけではなく、任意の対象にリアクション不可対策を可能に。
-3修正はやっぱり乗るので、どうにかする方法を考えておきたい。
地味に《買収》が防御系神業として使えるようになったのが、一番デカい強化かなぁ……。

◎カタナ
仏に会っては仏を、神にあっては神を斬る、一切合切斬魔刀。
単純なアタック性能としては全スタイル1で、<壱の太刀><無風剣><一刀両断><一刀両断Ⅱ>のダメージ効率は凄いことになっている。
単純な火力だけでなく、<カマイタチ>によるレンジストライク、<鬼の爪>による軽減封じ、<旋風撃>による範囲化と、かゆいところに手が届くオプションも完備。
<無明剣>によるドッジ無条件無効は、噛み合うと全てをズタズタに出来てヤバ過ぎる。
<居合>を<デスペラード>で使いまわせたり、<ハヤブサ>でCS上げたり、間接的な能力も高い。
<切り払い>は優秀だが、<居合>ではリアクション伸びないのが悩ましい。

◎クグツ
燃える忠義を力に変えて、様々なミッションを踏破するエージェント夜を往く
攻撃能力、生存性能共に高めにまとまっているが、細かい動きや横幅の広さは少し弱い。
そこら辺は他のスタイルで補う形か。
最大級の軽減幅を誇る<忠誠><士道>を活かし、<セルフサクリファイス>で壁役をやるのが強い……んだが、ダメージ軽減封じ一本で完封されるのがな。
打撃力は<葉隠><高性能武器>で分厚いけども、面制圧やリアクション不可は自前で準備できなかったりする。
<製品知識><製品知識Ⅱ>はミドルでの動きの横幅が広く、色々楽しい使い方ができそう。
<信用>を代用判定して、情報収集にボーナスを貰って立ち回るのがグッド。
マイナーアクション増やす装備が現状無いため、<マルチワーク>は唯一な性能。

◎カゲ
触れたと思えば逃げていく、変幻自在の都会の残影。
相変わらず全てが高性能にまとまったスペックで、<影化>を攻防に使い回す<完全奇襲><陽炎>を軸に、万能に活躍できる。
<影渡り><完全奇襲Ⅱ>でベース火力を稼ぎつつ、<霞斬り><死点打ち>でピンポイントの殺しもやれるキルエリート。
もともと投擲武器は強いゲームなので、<胡蝶><死の長き手>の投擲縛りもそこまで苦にならない。
<猿飛><空蝉><霧隠れ>でドッジの性能が異常に高いため、<一心同体>型カブトと組合すのに最適か。
<ベイルアウト><スケルトンキー>でBSへの耐性が高いのが、状況が強まってくると非常に強い。
戦闘系スタイルでも情報収集を強化する特技を持つTNM環境で、そういうのがないのは玉に瑕か。

◎チャクラ
魂焦がし、鉄拳を叩き込む新時代の武芸者。
『ウェット』という概念が無くなったため、それをトリガーとした特技も無くなった。
<拳法>が一切制限なく<白兵>を上げるため、受けカブトとの相性が良い。
火力面では<徹し><乾坤一擲>が相変わらず強く、<手刀>の超強化を受けて素手キャラがやりやすく。
動きの横幅はカタナほど広くないが、<縮地>がカードの数値を参照しないので他のCS上昇と重なるのは、他にはない有利点。
<乱気>はなかなか面白い使い方できそうなんだが、制御判定強制系が現状少ないんだよな……。
あと<ファイトマネー>は実践での効き、イメージの面白さ、両方を持った良特技。

◎レッガー
悪徳の街で、人喰鮫がニヤリと笑う。
微妙にパンチの欠けるスタイルであったが、汎用性の高い<イカサマ>を様々に使い倒せる<玄人>の追加で、かなりの圧力を手に入れた。
<追い打ち>の火力効率はかなりのものだが、相手に傷がついていないと効果を発揮しない手の遅さは、接触即殺なTNM戦闘においてはかなりの弱さ。
<レクイエム>でバリバリ弾バラ撒くのがいいのかなぁ……。
<ハイエナ>や<手妻使い>といった器用さはあるので、他スタイルの攻め筋を補うようなビルドが強いか。

◎カブトワリ
天使すら死に絶えたこの街で、神は銃弾。
他の戦闘系スタイルに比べると直接的な圧力は弱いが、色々小器用な動きが強いスタイル。
<狙撃態勢><ヘヴィショット>による、メジャータイミングを圧迫しない火力と、<花吹雪>による面制圧。
<雷の矢>による素直な火力と、<跳弾>によるカブト殺しももちろん強い。
ただ超火力で防御の上から押し切るにも、軽減不可で押し通るにもすこし腕力不足なので、そこら辺を補うビルドが大事になるか。
武器サイズや単発・フルオートなど、武器による戦闘スタイルの差異があり、キャラ性のデータ面での表現が面白そう。
<バックアップショット><インターセプト>によるサポート能力も高いが、<パリングショット>は大幅な弱体化を受け、銃カブトは前線から一歩後退か。

ハイランダー
軌道にコロニーが鎮座しなくなっても、特権階級そこらにいるぜ。
相変わらずの万能キャラだが、フェイトの超万能力には一歩譲る感じになった。
しかし<守護天使><守護天使Ⅱ><殺戮の天使>によるアタック、<影の守り手><影の守り手Ⅱ><後光>によるディフェンスと、ある程度自己完結した優秀な性能を持つ。
本命はサポートで<天使の羽根>による癖のない達成値上昇、<導きの羽>によるAR支援と、癖の少ない強さが目立つ。
無敵を誇った<隠れバディ>は回数制限が付いたが、それでも十分以上に強い。
手札の交換がプレイテクニックからオフィシャルなルールに統合されたが、事故る時は事故るので<祝福の歌>は優秀。

◎マヤカシ
欲望の月が照らすトーキョーの闇を踊る、兇猛なる幻像。
対象を選ばない達成値ブースト<霊紋>に後押しされ、<思惟剣><霊査>による肉体戦、弱点が消えた<消沈>による防御と、かなり万能なスタイル。
無論一番適正があるのは精神戦で、<幻覚><精神凶手>によるダメージ増強、<精神破砕>による面制圧と、アタッカーに必要な能力が十分以上に確保できる。
<未来予知><未来予知Ⅱ>による支援も強力で、全方向に隙がない。
<伝命>と<バンザイ>のコンボはTNMでも健在
<セルフサクリファイス>がカバーリングになった分、TNMのほうが使い勝手いいかな、クグツ=マヤカシ。

◎トーキー
キャピタリズムと我欲の闇が世界を覆うとき、暴露の光が希望となろう。
他スタイルが横幅広いチューニングを受ける中、ほぼサポーター一本という尖ったチューニングを受けているスタイル。
その分効果は強力で、<名解説><シャッターチャンス><ヒーロータイム>と、達成値操作の多彩さ、強力さはピカイチ。
<先見の明><バックステージパス><壁に耳あり>と、戦闘以外を快適にする能力が高いので、カット進行の仕事は別スタイルに任せてしまうのも一つの手。
組み合わせ:なしのメジャー達成値上昇<フォトジェニック>は、<サポート><盾の乙女>などと組み合わせたときかなりえげつない。
自前の<キューサイン>は組み合わせ:単独なので、組み合わないのが残念だ。
……<フレームアウト><盾の乙女>で即座にリアクション不可攻撃発生か……強いなこれ。

◎イヌ
俺が見えるか悪党ども、悪徳の街を駆け抜ける法の猟犬。
フェイトと並ぶトーキョーの二大顔スタイルだけあって、能力は軒並み横幅広く高水準。
<生存嗅覚><緊急退避><集団退避><即応体制>によるディフェンス、<大立ち回り><制圧の一撃><強制執行>によるアタックと、攻防両面で高水準。
武器の危険度を参照する特技が多いため、デカブツは<携帯許可>で活用していこう。
<アームブロック>は<愛用の武器>とシナジーする面白い特技だが、自前で『故障』を直す手筋がない。
タタラかニューロと噛み合わせるのがいい感じか。
サポート能力は総じて低めだが、《制裁》を入れた上での<猟犬の楔>は非常に優秀。

◎ニューロ
電子の網が世界を覆う時代の、万能無敵の電子魔術師。
ダスクエイジでIANUSがデフォルトではなくなり、直接的な現実介入能力が薄まったニューロ。
精神戦のスペシャリストとしてはカブキと一緒に一線を退いたが、サポーター・ディフェンダーとしては相変わらず優秀である。
ARを消費せずデバフを打ち込める<電子迷彩><スパイダーシルク><ウェポンハック>の性能が絶妙に嫌らしいので、ダスクエイジのプロはデジタルサポートのない、『生焼け』の武器を使うのがセオリーかもしれん。
<ポルターガイスト>は相変わらず優秀だし、<01フィーリング>で跳ね上げた<電脳>達成値は<ドミネート><ニューロシューター>で攻防に使い回せるため、色々やれることは多い。
<エレクトリックパレード>は優秀だが武器が壊れるため、<システムリカバリー>でケアしていきたい。
CS増補手段が薄くなったため、<ターボブースト>は貴重かつ強力な支援。
<サテライトビュー>は自分をタゲにとっても、ディフェンダーが他にいてもヤバい一撃への保険として機能する、優秀な特技だ。


というわけで、22スタイルのザラッとしたレビューでした。
X時代のプレイ経験を経て、本当に必要な特技が厳選された結果、全スタイル色んな価値でキャラを作れるデータに仕上がっていて、非常にキャラ表現力、ゲームでの満足度が上がっていると思います。
今後実プレイを重ねる中で、様々な定石も生まれてくるでしょうし、楽しみですね。