※訂正 ×番場 ○馬場です。全編に渡って間違えているので訂正させていただきます。
博多豚骨ラーメンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
人口の3%が殺し屋の街、博多。女装の殺し屋リンと、謎めいた私立探偵・番場の運命が交錯するとき、アウトロー達の愉快な物語がはじまるッ!
軽妙な味わいと良い意味での雑さ、可愛げのあるキャラが絡み合って、非常に楽しいアニメだった。
というわけで、タイミングを見失って感想をかけなかった博多豚骨ラーメンズを、最終回まで見終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
過剰にオシャレになりそうな題材だが、いい感じのトホホ感と雑多な空気、日常の楽しさをちゃんと入れ込んで、いい具合にジャンクな味わいに仕上げてくれた。『抜き』が上手い。
とにもかくにも『人口の3%が殺し屋の街、博多』というセッティングが上手くて、ちょっとざっくりした殺し屋ビズをしても許容されるファンタジー感と、取材対象が実在するリアルな手触りを同居させ、舞台を際立たせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
『まぁ3%が殺し屋なら、こういうことも起こるわな』という認識作りが巧い。
通して見てみるとリンちゃん主役のヴァイオレンス・ラブロマンスで、全てを奪われ博多に流れ着いた青年が、日常と恋人への愛着を手に入れ、自分を肯定するまでの物語としてよくまとまっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
番場のスパダリ力が程よくて、チャーミングなカップルだったね。
妹を殺され、元相棒を殺し。リンちゃんの旅路は血まみれだが、それは博多では日常茶飯事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
その血の泥に飲み込まれるのではなく、殺しを前提とした上で今をどう生きるか。自分をどう肯定するか。緩い心地よさの中に硬い芯をしっかり入れる構成は、安定感があってよかった。
リンちゃんが修羅に落ちてしまわない足場を、番場というタフで無敵な同業者(にして実質恋人)に代表させ、彼を入り口に日常の意味を知っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
ラーメン食って明太子食って野球する。生きる意味はそれで良いと、最後にリンちゃんが開き直る展開は、泥臭くバカバカしく、でもなんかいい感じだ。
メシとスポーツ、事務所での同居生活、トンチキな仲間との下らんお喋り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
死都・博多にも当たり前の喜びというのは普通にあって、その普通さを表すように、日常描写は多めだ。みっしりとストーリーを埋めるダルい描写の『量』が、帰還点に説得力を与えていたように思う。
トンチキ人間のダラダラ会話自体が妙にグルーヴィで、不思議な魅力があったのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
類型的になりそうなところだが、博多弁が良いスパイスになって起伏をつけていた。ちょっと価値観ズレてる裏街道の、それでも脈打つ日常の楽しさが、よく活きていた。
ラブコメとしてみると、距離感が近い事務所の生活が泥臭くもロマンチックで、なおかつ過剰にホモセクシュアリティを匂い立たせるわけではなく、当たり前に通じ合っている感じが心地よかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
あの『フツーな魅力』は男と男だから、というより、番場とリンちゃんだったからだと思う。
『野球』の見せ方も良くて、勝敗には拘りつつ、皆でワイワイやるための『場』としてまず機能する草野球の魅力が、血なまぐさいアクションの対置として見事に機能していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
血まみれ修羅人間も、ユニフォーム着て野球で楽しむ。そのある種の無責任さが、作品の軽みになっていたと思う。
『軽み』はこの作品の魅力の一つで、バラバラに見えたイベントもあっという間に偶然と因縁で繋がり、伏線は余さず使用される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
少し強引な繋ぎもあるが、そのパワー勝負も含めて『味』になっていて、ググッと事態が進んでいく力強さがエピソードをちゃんと動かしていて、見ていて気持ちが良かった。
味付けの濃いキャラの魅力だけに頼るのではなく、点と点が結び合って線となり、それがコンパクトで泥臭い『博多の事件』をスケッチする楽しさを、大事に進めていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
第1エピソードで人間関係が出来てからも、巧く角度を変え主役を変え、点が線になる気持ちよさを探して届けてくれた。
無論コミカルで濃い口なキャラがドサドサ出てくる山盛り感は大きな魅力で、そいつらが軒並みろくでもない博多職(風評被害バリバリな隠語)に従事しているのも、作品世界の魅力を高めていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
殺し屋、殺し屋殺し屋、復習屋に拷問屋に汚職刑事とニンジャ。出てくる奴ら、軒並みろくでもない。
そういう奴らがドミノ倒しに事件に絡んで、『博多』をスケッチする。現実の博多に似ていて、でもどっか違う仮想都市。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
群像劇を包み込む最大のキャラクターをしっかり立てられたことが、もしかするとこの作品が楽しかった最大の要因なのかも知れない。舞台に力があったし、それを輝かせもした。
アクションはちとヘニャっとした感じだが統一感があり、『オイオイそれはねーわ!』とツッコみたくなるコミカルな空気も合わせて、作品にマッチした見せ方を徹底していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
血生臭さはありつつ、マジになりすぎないバランス感覚は、作品全体のムードと噛み合っていたと思う。
劇伴も非常に良くて、単品の音楽としても、世界観とドラマを際立たせる演出材料としても、切れ味鋭い使われ方をしていた。中川幸太郎はやっぱり良いなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
声優陣もいい塩梅の演技で、特に梶くんはリンちゃんの可愛げ、本気、へっぽこ加減を巧くまとめ上げてくれた。男声バリバリなのが良い。
というわけで、血まみれなのにスカっと爽やか、裏街道のポップな日常を元気に切り取る、チャーミングな一作でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月30日
TRPGモノとしては、トーキョーナイトメアの一線級資料なので、そういう目線でもオススメ。
いいアニメでした。ありがとう、お疲れ様。