衛宮さんちの今日のごはん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
春。流鶯の声響き、桜舞い踊る季節。エプロンボーイの休日は、労働と食事で明けて暮れていく。
ゆったりとしたテンポと、春らしい色彩の表現が生きる4月の衛宮メシ。柳洞寺やコペンハーゲンがしっかりした美術で表現され、ファンとしては嬉しい限り。
そんなわけで、月に一度のお楽しみ。今回の至福の12分は春、桜の四月である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
ここまで『衛宮さんち』を舞台に進んできたが、今回は少し拡大版。開放感のある運びが、風を丁寧に切り取る作画と相まって心地よい。
まぁ流動時の地縛霊、動きたくても動けないからね。エプロンボーイの方が動かんと。
もともと季節感の作り方は抜群に巧いアニメだが、今回は特に風を感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
丁度三寒四温に差し掛かり、あっという間に桜が開いて散る現実の変化と、アニメが描くものがシンクロできたことが、12分とは思えない不思議な充実感を、今回のお話に与えている。
これは『月一回放送』という形態を選んだ時点で狙っていたのだろうし、無事穏やかに春がやってきた幸運の産物でもあろう。企画段階では、寒い春になるかも知れなかったろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
士郎が家の外に出るように、アニメ内部の春もまた、アニメの外の春と呼応し拡大していく。その広がりが気持ちいい。
それは美麗な筆致を使いこなし、季節の襞、日常の綾に分け入っていく実力あってのことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
今回のサンドウィッチは白と緑、赤と黄色の色彩がとても綺麗で、山笑う春に相応しい一品だったと思う。緑が芽吹き、山が実りを分け与えてくれる季節を、ギュッと閉じ込めたような一皿。
それが生まれるまでの過程もまた、雑味がなくて非常に美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
切り、焼き、整える。準備をして、始末をする。一つ一つの仕草がゆったりと心地よく、抜けと甘えがない。一手ずつ積み重ねて、当たり前の魔法が皿に乗る。『調理』という行動の不思議さを、じっと追う気持ちよさ。
そこに、過ぎ去った春を懐かしむ音子&零観コンビのノスタルジーと、小次郎の風流を添えて、短編をまとめていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
なにか大きな物を語るわけではないが、小さな日常の中にある『想念の粒』みたいなものを見落とすわけでもない。緩いんだけども、季節の風情と騒ぐ人情を、芯に一噛み残してある。
語りすぎず、サラッとやる演出も相まって、非常に春らしいお話でした。メディアの出番を最後だけに抑えて、爽やかな後味を殺さない構成が、なんか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
魔女とワイワイやる話は、また別にあるのだろう。今回は穏やかな季節を、穏やかな脇役たちとするりと歩く話である。そういう見切りが良い。
ディテールを細かく描きつつ、リアリズムがグロテスクに変わってしまう直前でしっかり止めて、綺麗に綺麗にまとめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
風景にしても芝居にしても食材の描写にしても、そういう線を見極めて描ききっていることを再確認できるエピソードでした。もうちょっと細密になると、多分違和感が先に立つ。
アニメーションというメディアで切り取られた、食にまつわるリアリズム。それをどう際立たせていくかは、実はかなり加減が難しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月1日
何を描いて、何を描かないか。その適切な取捨選択が、今回お話に満ちた爽やかな風を錯覚させた。スパッと切れ味の良いエピソードでした。次回も楽しみ。