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Caligula-カリギュラ-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
日本の春は伝奇の春! むせ返る衒学、繰り返す日常。灰色の世界にグロテスクな花が咲き乱れるとき、ココロの輪郭が崩壊を始める。挑発的サイコ・サスペンス・ジュブナイル、今ここに開幕ッ!
ぶっちゃけさっぱり分からんが、その分からなさが気持ちよかった。
P5とバッチリバッティングしたド厨房異能力ジュブナイルの本作であるが、Persona3以降のオシャレで陽性な雰囲気とはちと違う、内向的で自閉的な空気からは女神異聞録の匂いを感じる…って思ってたら、原作のシナリオ里見直だった。そらー本家本元だわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
話の見せ方も、P5が的確な圧縮と象徴化を駆使し、速度の中にわかり易さを入れ込んで引っ張り込む方向だったのに対し、こちらは雑音と違和感、わけの分からなさに押し流される濁流の感覚を、どどんと叩きつけてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
どっちも好きだぜ俺は…2018春は、マジで異能ジュブナイル伝奇の春だぜ…。
さておきこの分かりにくさは、主人公を取り巻く状況への不明というより、自分自身への無理解が生んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
あの灰色の世界がどんなもので、そこに交じる雑音が何で、怪奇な事件の数々は何であるか。さっぱり分からんが、それ以上に主人公が分からん。
一切説明をせず、しかし大量のほのめかし(心理学と哲学への衒学含む)に満ちた、ノイズの多いセッティング。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
それは異常な世界に取り込まれつつ、そこから脱出しつつある主人公の精神状態と、視聴者をシンクロさせていく。
『誰か説明してくれよ!』は、こっちのセリフである。だがその混迷が心地よい
それは繰り返される日常の嘘っぽさ、ザリザリとした違和感の感覚、ショッキングな異常性の発露が、なかなかうまく演出されている証明でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
世界が凶悪な真実をむき出しに襲いかかってくるときの、フラッシュモブめいた一瞬の静止には、なかなかドキリとさせられた。いいムード作るなぁ。
コラージュのように挟み込まれる、精神異常の暗喩。あるいは『現実』への裂け目。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
それは色々示唆を含んでいるが、核心には至らない。ここら辺の焦らし方も、状況に流される主人公と市庁舎をシンクロさせる仕掛けか。
流されるので、世界には雨が降り、濁流に満たされる。暗喩は精神世界では現実となる
ギシギシときしむ世界のなかで、主人公はなにかに接近して、阻まれている。隠蔽と暴露のアンバランスは、全く本筋に関係ない会話に不気味な意味をもたせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
ガラスの壁に幾度もぶつかって、失敗の痛みを学習した魚。存在しない壁を前に躊躇するそれは、おそらく過去(そして未来)の主人公だ。
アンバランスな心理と思春期に挑み、偽りの平穏を壊す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
不安定に積み上げられた様々なヒントは、そういう方向性の物語を示しているように見えるけども、さてはてどうなることやら。
主役のダラダラとした知識自慢が、青臭い青春期の匂いをプンプン垂れ流していて、なかなか大好物である。
式島くんはかなりウザいトリビアリストなんだけども、知識の鎧で自分を守らないとぶっ壊れちゃう切実さとか、それで孤立しようとはしないニンの良さとかが行動から見えて、結構好きなキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
秘密と盲点に満ちた世界を切り裂くのに、彼の知的背伸びはどういう仕事をするのだろうか。気になるなぁ。
彼が満ち足りた平穏だと思っていたものは、不気味な自動機械でしかなかった。ニンゲンを擬する怪物たちに取り囲まれて、孤立無援となった主人公の前に、超かっけぇビッグガンを持った花柄ボーイが現れたところで、次回に続く、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
ほんと『華』をグロテスクに使うデザインは、キモくて素晴らしい。
世界を灰色に塗っていることが、ギラギラ息づく花を目立たせる形にもなっていて、非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
花を持つものは、あの灰色の世界に取り込まれない資格者ってことなのか。そも、繰り返す世界のカラクリはどうなっているのか。謎だけが転がり、ヒントは窒息するほど大量にばらまかれた。
情報とほのめかしの濁流に押し流されつつ、式島くんと一緒に奇っ怪な世界を学んでいくのも、なかなか面白そうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
能登が川澄に一夜で変わる異常な世界。怪物を生み出す歌姫。不安と不快感がなかなかいい角度から殴ってきて、心地よい酩酊がある。もっとフラフラしたいね個人的には。
繰り返す学園生活、怪物との対峙が心理の迷宮だとすると、冒険が先に進むことは成長を内包していると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
仲間が増え、敵を倒すごとに、世界と自分の真実が切開される。不都合な事実と危険な自我が顔を出し、それに立ち向かうことでキャラが前に進む。
ジャンルのお約束としてはそういう物語を想起するが、そういうイマージュにどう寄り添い、どう裏切るか。そこら辺のさじ加減と独自性も、非常に楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
薄暗く内向的な古臭さと、ヴィジュアル面の先進性が不思議な共犯してて、結構独特の味なのよね、第1話の段階で。
何しろ加速し加速し、違和感が極限化して世界のハチがぶっ壊れるまで加速する第1話なので、キャラや世界のことはさっぱりわからない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
しかし暗示やムードの作り方が巧かったので、『だいたいこういう感じ』という空気はよく吸えた。そして『だいたいこういう感じ』を共鳴させるのは、とても大事だ。
この訳のわからなさは『あえて』だと思うし、非常に手際よく、世界の輪郭だけを食わせる構成にもなっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
『だいたいこういう感じ』を食わせた手腕で、今後世界の謎やらキャラの内面やらも、じわじわ積み上がるだろう。それに乗っかりたいと思う魅力が、ちゃんとある出だしだった。
取り敢えず来週は、ビッグガン先輩がいろいろ喋って、仲間が増える感じ…なのかなぁ。キモチワルーい世界をウロウロするのが心地よかったので、もうちょいワケの分からなさに浸っていたい気持ちもあるが、物語の目鼻がつくのは良いことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
どういう舵取りでも楽しめそうな、良いオープニングでした。
シャレオツでポップな方向を睨みつつ、陰気で自閉した、しかし世界に饒舌に語りかけなければ気が済まない青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月10日
その古臭い内向と外向のアンバランスが、なんとも懐かしい未知で、非常にワクワクします。今後どんなキモチワルーい状況をぶっこんでくれるか、どう押し流してくれるか。来週も楽しみです