カードキャプターさくら クリアカード編を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
初夏の日差しに誘われ、緩やかな日差しを境内で過ごす。平和な日常は獣の幻想に侵食され、世界は不気味な色合いに染め上げられていく。迷妄を切り裂く刃は、愛の刃境。
そんな感じの、男も女も決意新たなエピソード。幻想界の美術が良かった。
というわけで、メイリン来日を引き継いでの神社周遊であり、現実を侵食する不気味な回でもある。山崎くんはあの男女比1:6の極限状況、余裕で乗りこなしててスゲェな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
可愛らしいケモ化が、だんだん悪夢が形を為す不気味さに変質していく語り口が、なかなかにモダンホラーでよかった。
今回のお話は、形にならない小狼の焦燥と努力が、重たく影を伸ばしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
おかゆを食べて、髪型を弄り、色んな豊かさに満ちたさくらの日常。一方小狼の部屋には生活感がなく、魔法陣を睨みながら苦しそうに、切り札を絞り出す。
あの対比は魔法の時間に留まるさくらと、それを失いつつある小狼を示しているようでもあり、天に愛された大魔導師の才覚と、血脈と努力で何とか追いついている少年の差にも見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
追いつきたいのに追いつけない、守りたいのに力になれない。青年のもどかしさは募る。
とは言っても、さくらも先に進みたくて進んでいるわけではない。山崎くんのウソ知識を遮えるのとはまた別の、運命を運ぶ大きな力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
宿命に愛されたさくらは、表層意識とは無関係に魔的なものを呼び込み、それに呼応する。『動物園へ』という願望が世界を染め上げ、青い地球が天に浮かぶ。
クリアカードがどんな素性で、何を反映して力を得ているか。これはシリーズ全体を貫く大きなミステリなので、まだ分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
しかしそれはさくらの力であり、周囲の人々がどれだけ気にかけても、直接解決はできない…あるいは、介入するのに大きな代償を支払うことが、今回の現実侵食から良く見える
どういう形であれ、さくらの願望はカードにすくい上げられ拡大する。それは『幻影』だけではなく、クリアカード事変自体が持っている構造かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
メタ的な読み方をすると、『CCさくらをもう一度』という製作者の、そして僕らの願望をすくい上げて、このアニメがあるわけだが。
どっちにしても、さくらには世界を変化させる魔術的特権と危険性がある。彼女の運命と力は、ありふれた日常を楽しむ精神性とは裏腹に、現実を改変しうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
となれば、世界を当たり前の形に維持し続ける意志と責任を、少女は背負っていることになる。重たいなぁ…。
世界に巻き込まれるだけでなく、世界を変えていける責任主体。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
それは一般的には『大人』と言われるわけで、クリアカード編は少し背が伸びたさくらが、力にまつわる責任を自覚し、魔術師として、人間としての在り方を変化させていく話なのかもしれない。
とてもありふれた青春の、魔法の物語。
小狼くんはそんな特別な世界に介入できる、特別な存在として必死に食らいつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
魔術師としての素養、恋人としての愛情。使える武器をフル動員して、カード無しで時間すら止めてしまう超絶ダーリンっぷりと、そこまでやっても追いつかないさくらの才覚、両方見える回だった。
小狼くんは『幻影』(あるいはクリアカード事変)が、さくらの精神を中心としていることに、ある程度気づいているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
それはさくら自身が立ち向かい、その意味を実感しなければいけない戦い。当事者以外は無力だが、それでも関わるべく最大限頑張る。なんで歯食いしばってるかは解らんが
どっちにしても、小狼くんは常に恋人を見守り、体を張って守り続ける。ほんま実力と気持ちを兼ね備えた、立派な青年に仕上がったで小狼くん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
その足掻きが、事件の中心にいるさくらにも届いて、決意を新たにしてくれたのはとても良かった。無言のすれ違いも多いだけにな!
メイリンちゃんもおかゆ作ったり、主賓として行儀よくはしゃいだり、クシュクシュ髪を整えたり、精一杯のサポートを行ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
終わった幼い恋とはいえ、元恋敵にあそこまでお膳立てしてくれる人格、ほんとスゲーな。
ケモミミトランスフォームはいろいろ示唆的で、だんだんコミュニケーション不全になっていく不安感とか、黄金の美しさとか、シュルレアリスム絵画っぽい美術とか、燃え上がるバオバブの木とか、スローになっていく時間とか、印象的な絵が強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
魔力のない友人たちが取り込まれてしまう、獣達の無言の国。魔力を備えた小狼はそこに囚われず、世界の壁を切り裂いてさくらの前に到達する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
それは恋人の特権であると同時に魔術師の特権でもあって、どれだけ事情を知っていても、資質がなければ開かない硬い扉を示唆してもいる。
魔法と日常を切り分ける冷たい性質が、魔術にはある。望むと望まざると、『そういう存在』になってしまっているさくら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
このまま魔的な生活に囚われ、CLAMP別作品の隠者達みたいになるか、静かで穏やかな日常とのバランスを取れるか。人生の方向を決める分岐点が、結構近いのかもしれない。
そこに小狼くんがざっくり切り込めたということ、『幻影』の性質を見抜いて物理ではなく心理で状況を解決するためのアシストをしたことは、彼が恋人に追いつくための努力が、けして無駄ではないことも示している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
問題と向かい合うときの妙に突き放して、でも優しいスタンスは、凄くCLAMPっぽい。
さくら周辺で収まらず、友人を巻き込んで改変した『幻影』との対峙。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月15日
これが今回だけの特例なのか、作品全体への暗示となるか。幻視に相応しい薄暗い不思議さのある、良いエピソードでした。世界が侵食されるときの、悪夢的な感じが好きだったな、やっぱ。
来週も楽しみですね。