ウマ娘を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
ダービー。最高峰の舞台に向け、駿馬たちは己を磨き上げる。友情、努力、その先にある勝利へと。積み上げられた汗と涙は、主役だけの特権じゃない。
中盤折り返し、スペシャルウィークの奮闘を真ん中に据えつつ、彼女を支える人々、ライバルたちの耀きもしっかり描く勝負回。
というわけでダービーである。前半に練習、後半に本番。きっちり切り分けた構成の中で、色んな馬が必死に走り、色んな馬が夢をつなぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
何しろ描いているのは綺羅星の如き伝説達。リスペクトと愛情を持って悪者を造らない劇作が、真摯さがレースに集約していく熱さへと繋がっていく。
爽やかな友情、燃える闘魂を主役の特権にしない書き方がとても好きで、リギルの連中もエルコンドルパサーをしっかり支え、気分屋のセイウンスカイも真面目に己を追い込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
走るための道具は自分の足だけ。だがそこに燃料を送り込むのは、優しき友情と譲れない想いの強さなのだ。ど真ん中熱血、良い。
みんな譲れないものを背負ってレースに挑み、それでも勝敗はついてしまう。そして勝ちの先、負けの後にもレースは続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
一瞬のきらめきと永遠の夢。勝負の瞬間に込められている矛盾した価値を肌で感じさせるためには、そこに何が注ぎ込まれているかを丁寧に書く必要がある。
坂道特訓をずんずん積んでいく前半の地道さ、静かな熱さが、後半のレースに雰囲気と説得力を持たせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
アプリでは大事な要素になるだろうウィニングライブの描写をあえて薄くしてでも、『走り』が持っている熱量と引力を信じ、それを成り立たせるための構成にしたのは正しいと思う。
兎にも角にもウマ娘は『走る』。それは孤独な疾走であり、同時に一人では走れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
トレーナーが三話の敗北を受け、『放任主義』という自分式を捨て去って生徒を追い込んでいる姿が良かった。セイウンスカイの生真面目さもそうだけど、真実掴みたい者のために『自分らしさ』を捨てる瞬間が大好き。
レースに挑むものは皆、自分のすべてを賭け、その背中に沢山の思いを背負って走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
主役にしっかりカメラを据えて特訓させつつ、多角的な描写を忘れなかった今回は、そういうレースの総価値をしっかり伝える、いい仕上がりになっていたと思う。アツさは巧さで伝わるのだ。
友情描写が色んな所で花開いてて、天衣無縫なゴルシちゃんがメジロマックイーンに特別な思いを抱いてるところとか、すっかり後方お母ちゃん顔なスズカとか、オハナさんの生徒への思いとか、多彩な気持ちが随所で輝いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
『仲間って良いな』って思えるのは、やっぱ見てて気持ちいい。
ダービーへの道を整えつつ、最後の仲間であるマックイーンの紹介、融和を並走して走っているのがなかなか上手い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
既に出来上がった仲間だけでなく、新しい友情を向かい入れる可能性も、スピカは持っている。そういう開放性を描いたことが、最後の追い込みに説得力を出していた気もする。
ゴルシくんの執着にしろ、クールなスズカがスピカに強く思い入れている姿にしろ、やっぱりパット見のキャライメージ、表面的な『らしさ』が崩れてきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
でもそれは、不用意な裏切りではない。とても大きいものが目の前にあるから、これまでの自分を開けても掴みたい。そういう引力がある描写だ。
熱量に心を動かされ、己を捨てる描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
それは『なるほど、こいつはこういう側面もあるんだな』という嬉しい発見であり、それだけのパワーが想いの相手、競馬という競技、ダービーという場に宿っていることを教えてもくれる。
こういう変化を細かく積み上げ、つなぎ合わせてみせるダイナミズムが良い。
タイキシャトルとの激走が糧となり、スペちゃんは勝ちへの道を積み上げていく。それは一度負けたこと、その負けを前向きな推進力に変えられるようみんなが道を整えてくれた先にある道だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
さらに言えば、負けがショックだったのは序盤、才覚に任せて巧く勝てたからでもある。
エピソード単位でも巧く繋いでいるが、ダービーというピークに至るまで話数を巧く繋ぎ、感情と勝敗の起伏を乗りこなして盛り上がりを作り上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
シリーズ構成自体が、見事なレースを創造する一流調教師といった風情だ。一話単位でしっかりまとめていることが、トータルでの強さに繋がってる。
第2話で勝ち、第3話で負ける。セイウンスカイとのライバル関係は今回、坂で千切って勝ち星先行となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
第3話でセイウンスカイを勝たせたペースメイクと大局観、坂道での押上という武器が、今回はスペシャルウィークの強みになるのが、負けを負けのまま終わらせないタフさを感じさせ良い。
対するエルコンドルパサーは基本、圧倒的な才覚で走り抜けたように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
だが天才でも緊張はするし、そのこわばりを同じ天才だけが知る。出走前の孤独な廊下で、シンボリルドルフと対峙するシーンは、スピカとは違う強さ、暖かさが見えてとても好きだ。
集団のアイデンティティ、雰囲気によって、絆の発露は違う形をとる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
スペシャルウィークを最後走らせ、同着にまで導いた友情は、とても華やかな姿をしている。大声で叫び、表に出てくるそれは、スズカのクールな横顔に凝集されている。
エルコンドルパサーとリギルには、そういう派手な表れはない。
でも、スピカが持ちえない頂上集団のプライド、そこに溺れないストイシズム、それでも仲間を繋ぎ合わせる確かな友情が、エルコンドルパサーを走らせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
動と静、現れは違えども、お互いに背負うものは同じだ。
友情、努力、勝利。
ともすれば古臭い真理を、色んな角度から堂々と魅せる。
そういう誇らしさに満ちた、良い同着だったと思います。僕は史実には詳しくないので、そっち方面の読みはできないわけですが、坂上この一手だったんじゃないでしょうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
強い結末だけに、二度は切れない札。今後夢のレースをやる時、どういうオチを付けるかにも興味が深まる。
ダービーの熱量をニトロに変えて、主役とヒロインの距離がグングン接近してるのも良かった。スペちゃんはスズカ好きすぎだし、スズカはスペちゃん好きすぎ。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
特別なものがなかった二人が、お互いを瞳の中のダイヤモンドとして特別に飾っていく流れが、すっげーグッドナイスなのよね。
第1話でスズカの走りに魅了されたスペちゃんが、二人で積み上げたダービーの疾走でスズカの瞳に入り込むところが、僕は好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
二人をつなぐのはあくまで『走り』であり、ウマ娘の疾走は物理現象を超え精神感応ですらある。二人の恋路を通じて、『走る』ことが特別化されていると感じる。
魂を揺さぶるようなアツい走りだったからこそ、スズカは柵を超えて駆け寄ってきた。持ち前のクールさを押しのけて前に出る『何か』を、呼び覚ますような疾走。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
それは一番大事な人を揺り動かし、そこを超えてもっと多くの人に届く。『才』であり『華』である。
色んな描写が自分の領域で留まらず、有機的に連動して領域を広げている感じが、アニメ全体の躍動にも繋がっている気がします。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
一つ一つの描写が『1』としてしっかりしていること、それぞれの繋がりを丁寧に描いていることが、結果として『1』を『2』にも『10』にもしている感覚というか。
特別EDも入って『第一部完ッ!』ってムード満載のダービーでしたが、その先にも道は続き、勝負が待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
誰もが主役を張れるキャラと物語を背負うこのアニメ、次は誰にクローズアップし、どんなドラマが見れるか。来週も楽しみですね。