ウマ娘を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
天高く馬肥ゆる秋!
楽しいお祭、穏やかな日常、そして激走。烈なる闘志がせめぎ合い、一人の勝者とそれ以外の敗者が残酷に決まる。
それぞれの笑顔、それぞれの走り、それぞれの涙、全てに意味があると教えてくれる盛りだくさん回。
というわけで、時間は進んで一気に秋。海回をダイジェストで流してでも、Aパートに人数多めの学園祭、Bパートに毎日王冠の激走と、みっしり詰め込む構成に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
かなり早い展開だが、キャラの見せ方、魅力と笑いの作り方が分厚く、食べごたえ十分の仕上がりであった。賑やかなのは良いなぁやっぱ。
こんだけ人数盛り込んで安定感があるのは、やはりスズカとスペという主軸を分厚く描写してこそだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
誰もが背中を追いかけるしかない、絶影の駿馬。その孤高を積み重ねつつ、やっと手に入れた温もり、その中の特別もちゃんと描く。憧れと愛が絡み合い、女と女の視界の先で花火が上がる。
スペがスズカを見つめる視線、スズカがスペを見つめる視線。絡み合いつつ届かない、だがとても熱量のある思いが楽しい日常とアツいレース、両面からしっかり積み上がり、話の土台を作っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
特別な誰かに出会える、特別な時間。ギャルい設定に怠けず、キッチリ青春の息吹を入れてくる。
圧縮率が高く、登場するキャラがとにかく多いAパート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
カップリングに分割し、それぞれ楽しく仲良く暮らしている描写を積んでいくことで、世界観とキャラにいい具合の精気が宿ったと感じた。ババっとテンポよくシーンを切り替えて、祭りの賑やかな雰囲気を巧く出していた。
ウマ娘達は皆仲が良く、本気で勝負に挑みつつも、楽しく暮らしている。その特殊な能力を全面的に肯定され、お互いを大事に思う気持ちを素直に伝えながら、日々を生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
祭りはその幸福で十全な空気を吸い込める仕上がりになっていて、とても良かった。
基本『2』で切り分けて人数を処理していく手際も、非常に良かった。何かとマックに触りたがるゴルシくんの、無邪気な愛情が心地よい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
テイオーくんも会長に夢中だし、原作で血縁がある連中はなんかこー、『縁』があるのだろう。今後もみな仲良く、幸せに暮らしていって欲しい。幸せに暮らして欲しい。
これまで背景でモグモグしてたオグリ先輩にも、小さなコメディが用意されていた。ここまでBOTE-BARA推してくる一般アニメ、なかなかないよ…ドーナツクッションの穴から、膨れた腹を見せる構図にこだわりを感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
スピカやリギル以外にも、楽しいウマ娘はたくさんいる。その広さが良い。
心の底から笑い合い、穏やかな幸福を味わえる日々。その甘さが、しっかり埋め込まれる不穏さで陰影を付けられているのも、なかなか巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
スズカ周辺の描写がフラグの塊すぎて、ほんとヤバい。風のように過ぎ去っていく幸福の意味は、失って初めて分かる展開じゃないですかコレー!!
左回りにグルグル回る奇癖を、スペが当然のものとして受け止めてる描写が好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
そういうトンチキな所まで引っくるめて、ルームメイトにして憧れ、ライバルにして親友を受け止める関係性が、二人の間には生まれつつある。花火も一緒に見たし。
その上で、ウマ娘を繋ぐのはやはり『走り』だ。
毎日王冠。スズカは一度も前を走らせず、影を踏ませず、見事に走りきった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
レーススタイルと超越的な性格、その孤高が噛み合ってるのが、キャラ描写としていい。もしくは、現実での『走り』から性格を逆算して付けたか。
どちらにしても、涼やかで寂しい走りと目元には、強い存在感がある。
そこに追いつくべく、様々な馬がスズカを目指す。そんな思いにあまり価値を抱けないのがスズカの性質なのだが、そんな孤高にぐっと割り込んで、特別な存在として視界に入れる特権が、スペにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
日常だけでなく、『走り』においても絶影に追いつくのはいつか。自然、期待は高まる。
そんな特別なトップ集団を大事に盛り上げつつ、そこから置いていかれるウマ娘にも優しい視線を忘れないのが、とてもいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
復帰戦に意気込むグラスワンダー、海外へ視線を向けるエルコンドルパサー。みなスズカの背中を熱く追いかけるが、その影はとにかく遠い。届かないからこそ追いたくもなる。
エルはトンチキエセ外人キャラのムードメーカーなんだが、負けても笑っていられるほど呑気でもない。にじむ涙を丁寧に、しっかりすくい上げていたのは好感触だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
勝つものがいれば、負けるものもいる。その残虐がスズカに襲いかかる未来は、遠くない気もする。ホンマ酷いことにはならんでください…。
今回が復帰戦となったグラスも、普段のおしとやかなキャラに秘めた闘志を熱く滾らせ、オハナさんとの絆も見せてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
負けたグラスを抱き寄せる時、オハナさんが一瞬逡巡する作画がとてもいい。色んな思いも後ろめたさもあって、でもそこを踏み越える勇気が、彼女をトレーナーにしている。
やっぱオハナさんの書き方が抜群に良くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
厳しく管理するのは、ウマの幸福を願ってこそ。高い目標を見据え、トップの重責を実績で跳ね返しつつ走る高潔の裏には、当然悩みがある。
ライバルとして悪友としてぶつかりつつ、スピカトレとそういう重荷を共有している雰囲気が、奥行きを出していた。
管理主義のリギルと、放任主義のスピカ。どちらが優れているという話ではなく、どちらも正しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
言うのは簡単だが、説得力を持って描写を乗せるのはいつでも難しい。オハナさんの複雑な表情をサブプロットに載せた今回、管理主義の裏にある優しさが見えて、そんな両論の意味も分かりやすくなった。
今のところ、スピカトレの放任主義(というほど、置き去りにしているわけではけしてないが。なんだかんだスピカトレは生徒のために汗を流し、問題を可視化しつつ生徒自身の柔軟性に預ける教育方針を、ちゃんと堅持している)はいい結果を生んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
組の雰囲気は良いし、それが勝ちにも繋がっている
しかしスズカに不穏なフラグが貯まる中、自由と裏腹な危うさもまた、じわじわ忍び寄っている感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
今回オハナさんが、負けたグラスと一緒に自分の信念を、トレーナーだけが見据える未来を抱きしめたように、スピカにも苦さを抱きしめざるを得ない瞬間が来るかもしれない。
その時、明るく楽しく仲良しで、皆が自由に幸せに暮らせていたスピカの日常もまた、優しく抱きしめてあげてほしいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
それはとても良いもので、信じて維持する意味のあるものだと、今回の祭りの空気、繋がる人の輪、沢山の笑顔はしっかり描写している。毎日王冠の勝利も。
そんな気分になる、いい塩梅の加速回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
時間は速く、人数は多く。ともすればざっくりした仕上げになりそうなところですが、早い歩調も重たい群像も見事に捌き切り、物語を先に進めていました。
早いだけではなく、日常にも戦いにもちゃんと独自の味わいがあり、見てて楽しかったのが素晴らしい。
そしてその楽しさは、次なる展開のための足場でもある。グラスとオハナさんが向き合った『怪我』が、どーにもスズカに牙を剥きそうな匂いがプンップンしてて、巧いレールの敷き方だなぁ、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月29日
悲しいことにはなってほしくないですが、それが避け得ないなら、せめて誇り高く。来週も楽しみです