ペルソナ5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
一話交通整理を挟んで、始まりました第二章。滅私奉公当たり前、やりがいと才能を搾取する美術界の構造に怪盗団が切り込むッ！ というお話。
神出鬼没の怪盗ムーヴと、クソ真面目変人喜多川祐介クンのキャラ立ちが相まって、良いテンポで進んでいく回。
というわけで、新たな敵、新たな味方、新たな展開である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
チュートリアル込で大ボリュームだった鴨志田編に比べると、組織造りも状況説明も終わっていて、トントン拍子で話が進む。
そのスピード感が妙に心地よく、荒ぶる思春期爆弾達がだんだん怪盗仕事に慣れてきている成長も感じ取れた。
ここら辺は『第2章』だからこその醍醐味。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
ハミダシ者たちのアジトである屋上に緑がだんだん増えてる描写とか、人に話せぬ昏い想いを背中越しに聞くところとか、アウトサイダーなりの足場が徐々に積み上がっている感じが、なんだか安心を与えてくれる。着実に積み上がっている手触り、というか。
鴨志田編は状況に流され…という側面もあったけど、怪盗団は自分たちの力とアイデンティティを自覚し始め、組織が固まり、行動に迷いがなくなってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
成長の手触りがスムーズな運びと巧く嚙み合って、スムーズにスマートに状況が進んでいく気持ちよさに満ちたお話だった。
全体的な雰囲気はそんな感じだが、新キャラの方は…これまたグッド！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
喜多川クンのクソ真面目な変人っぷりを、杉田さんが好演しており好感度高い。
杏殿相手とヤロー共、露骨に声が変わるのが面白いけど、恋とかとはまた違う美術バカの、素直な感情表現なのだろう。戯れデキないボーイなのだ。
喜多川くんを縛り付ける、愛着と抑圧の檻。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
先生に恩義があり、美術を愛しているのも本当なんだろうけど、自分の魂を塗り込めた絵を自分のものだと言えない苦しさ、一番尊敬しているヒトが一番クズな辛さもまた、本当のことなのだろう。
ある種の共生/共犯関係が、単純な社会正義を弾く。DVに似た構図
パレスに封じ込めた欲望と、マスメディア向けの清貧の仮面、そして喜多川くんを養育する親の顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
先生もまた、幾重にも重なったペルソナに縛り付けられている。外側を飾ることで内面を守る防衛反応は、人間誰もが持っている。
ただ、過剰防衛による被害者が出ているなら、正さねばならない。
喜多川くん自体も、自分の輪郭を維持する外向きの言説と、その殻の中でうごめく形のない情熱の間で、いろいろ苦しそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
杏殿が素直なセンスで、喜多川くんの『怒り』を絵から読み取ったのは、良い描写だ。そういう感覚が鋭いからこそ、喜多川くんは杏をミューズと見初めたのだろう。
秘められた真実を暴く。怪盗団は現実と超常的世界を行き来しつつ、とても探偵的なことをしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
超常的な手段で手に入れた真実は、現実ではあまりに突飛に正解に行き着きすぎて、被害者（あるいは容疑者）を説得する材料にはならない。しかし、迷いを断ち切る指針にはなる。
高校生共が、大人の汚さにチョロっと飲み込まれそうになるのが良い描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
手練手管で醸成された、善人のイメージ。その裏にあるドス黒さを想像できるほど、怪盗団は世慣れていない。
そういう危うさと、無条件に心理を暴いてしまえるペルソナ能力が同居しているのが、怪盗団の現状なわけだ。
良いも悪いも素直に飲み込み、即座に行動。純粋さが魅力でもあるし、事件の割り切れなさを見ると怖くもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
そんな裏腹な好意を引き受けるように、『怪盗団が失敗した後』をザッピングで見せてるのは、うまい構成だなぁ、と思う。破滅の予感は、既に叶っているからこそ、蓮くんの顔面ボコボコなのだ
『斑目先生、イイ人かも！』という思い込みを、金ピカパレスは破砕する。しかしそれは特別な少年たちだけに見える風景で、世界を動かしえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
状況を変えたいなら、現実で通用する情報を、非現実的な確信を武器に盗み出さなければいけない。喜多川くんの心理とはまた違う断層が、怪盗活動から見える
三島くん（好意に裏がなさそうなのが、逆にこええ）をアダプターにして、怪盗団は超現実と現実、両方に接続されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
よく取材された渋谷駅で、Webを通じてリアルで情報源と出会うシーンは、様々な矛盾のエッジを走る怪盗団の姿を、巧く見せていた。
理想と現実。愛情と抑圧。超常と日常。相矛盾しつつ同居する様々な構造体。人間社会のしがらみを生み出す矛盾の間を、怪盗団は駆け抜けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
その爽快感と同時に、自分の足場を確認しない危うさとか、結構簡単に立場が切り替わる不安定さとかも、薄暗く描写しているのがペルソナっぽくて好きだ。
やっぱこー、『判っちゃいるけど、切り捨てられない』ネトネトした矛盾をしっかり書くからこそ、それを断ち切る怪盗団の爽快感も際立つわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
でもその気持ちよさを全肯定するのではなく、『気持ちいいけどヤバイよね』っつー部分にも目をやって、描写を積んで、裏腹な奥行きを出していく。
そういう筆の巧さが、事件に切り込んでいく怪盗団、被害者であり共犯者でもある喜多川クンの人間描写、犯人であり庇護者でもある斑目先生の表情から見えてくる、面白い導入編でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月12日
今回見せた心地よいスピード感を維持できるか。喜多川くんの秘めた心はいかなペルソナを生むか。来週も楽しみですね
