アイカツフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
少女のカリスマは渦を巻き、世界を巻き込んでいく。あいねに舞い込んだドラマのオファー。期待を知ったが故の緊張が少女を包む時、アイドルは己の可能性に出会う。
あいねのお仕事回であり、『アイドルの天井』ミライさんの凄みを伝えるエピソード。
というわけで、あいねとみおが追う示極星、ラブミーティアの声がへごの方・明日香ミライさんのお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
ここまであいねのカリスマが人の目を引きつけ、運命を回している描写は分厚く積まれていたので、トップアイドルからの直接指名も結構スムーズに食える。
ド素人から輝くステージまで一気に駆け上がるサクセスストーリーには、いわゆる主人公補正が必要になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
それを『そういう話だから』と形式で喰わせるか、実際に描写を積んで説得力をまぶすかは、結構大きな違いだ。フレンズはあいねが『選ばれる』理由を、勢いある展開の中でもちゃんと積んでいる。
ターゲット層に配慮したわかり易さを維持しつつ、極力キャラの感情とドラマのうねりに嘘がないよう、スマートな流れを作ろうとする努力が、お話全体を飲みやすくしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
あいねの素直な感性、不思議な引力を大事に描いて、キャラの魅力を高めてくれているのも大きいだろう。
ミライさんもそんな引力に引き寄せられ、今回の大抜擢となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
あとみおちゃんもな…アイドルサイボーグ・湊みおの魂が友希あいねのカリスマで炙られて、すごい勢いで自分を差し出している様子が今回も濃くて、非対称性の感情流動を好む視聴者としては大満足でした。ホンマあいねちゃん好きやな君…
今回のお話はカッチリ造られたお仕事話でもあり、あいねの素人っぽさ、それを現場に適応させるみおの献身が、巧く描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
これまで『アイドル』を知らないあいねの白紙は、ポジティブなもの、彼女の強みとして描かれ続けたわけだが、今回はその弱さが出る。
ちょっとした出番だが、エマ姉さんと舞花ちゃんがあいねちゃんをアシストするべく、特訓に付き合ってくれる描写が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
経験者と素人の間には、確かな差がある。それを埋めて『アイドル』になるべく、あいねも頑張っているし、友人たちも色々支えてくれている。その真剣さが良い。
同時にあいねにはミーハーな部分がまだあって、初めて飛び込んだドラマ撮影に舞い上がり、腰が落ち着かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
そういう上っ付いたものを、失敗と努力で地面に縫い止めることで、あいねは段々『アイドル』になっていくのだ。その一歩ずつの歩みが、『アイカツフレンズ』になる。なので、素人描写大事。
これまであいねを前進させ、様々な人の目を引きつけ手を伸ばさせた、素人ゆえの底なしのパワー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
それは今回不発で、アレだけ練習したのにあいねは実力を出せない。間違いが心を縛って、最終的に台詞が全部トブ描写が、緊張を巧く表現していてよかった。
ここでみおを後景に下げ、ミライさんを前面に出したのは良い運びだった。ミライさんは『アイドルの天井』として、主人公と作品全体の憧れとなり、物語の軌跡を牽引する立場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
彼女の何がスゴイのか、具体的に書くエピソードはとても大事だ。尊敬できないヤツに『天井』やってもらっても困るのだ。
キャラクターとシリーズ全体の印象が決まりかねない、大事な見せ場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
そこでミライさんは肩肘張らず、あいねをデートに連れ出す。
さっぱりしたハンサムな女が、道に迷う少女をデートに誘うシチュエーションが三度の飯より好きな人間としては、この段階で二億兆点である。
ミライさんのデートは、緊張感を抜く気遣いであり、余った時間を潰すレジャーでもあり、自分の仕事を成功させるための布石でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
ただただ優しいだけじゃなく、『アイドル』として冷静に状況を見て『勝ち』に行く強かさがあるのは、キャラに強さをまとわせる良い描写だった。
あいねは人間関係の視力が良いので、我欲で振り回されたように見えて分厚い気遣いがあるデートの本意を、しっかり見抜く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
ミライさんも、労りが重荷にならないよう、デートを『ただ楽しかった』で終わらせようとする。
お互いの真意をしっかり受け取って、ベストなパフォーマンスに繋ぐ二人の相互理解
デートコースもよく考えられていて、チーズの入ったチョコケーキで『チガカワ』という自分らしさを伝え、街の別の風景を見せて緊張を解し、自然体に戻していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
才覚もあるし、努力もしてるし、普段どおりやれるなら結果は出る。そう信じてのコース選択だったと思う。
マフィアを子猫に変える、女児アニフィルターを最大限かけた虐殺の表現。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
相変わらずアイカツクソドラマはエンジン全開であるが、あいねのポジションを巧く予言するメッセージでもあった。今後物語は、ド素人・あいねが『アイドル界に奇跡を起こす』形で進行するのだろう。
ミライさんがアイドル魔女だったのも面白くて、シンデレラストーリーに必要な最初の魔法が、今回行われたってことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
ミライさんは憧れの星であり、灰被りを姫に変えるフェアリー・ゴッドマザーでもあるのだ。サクセスの階段を、かなり丁寧に組むアニメだと思う。
あいねの拙いながらも必死な演技は、ちゃんと人に刺さる。お兄ちゃんが妹の晴れ姿を見て泣いてたのが、優しくて好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
クソドラマ見て『私も生きようと思った』って感想が出てくる辺り、あいねちゃんは順当に限界重力モブ女を引き寄せつつある。あのドラマ、アイカツそれ自体の暗喩でもあるかな…。
デートシーンではあんだけサバサバかっこよかったのに、衣装は道化師モチーフのかわいい系、曲調はコミカルでゴス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
『チガカワ』…ミスマッチの面白さを真ん中に据えたミライのキャラ性は、”アイデンティティ”のステージングでしっかり表現されていた。
上からのライティングが印象的なステージは、闇から光、光から闇へ入れ代わり立ち代わり、不思議な色彩を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
曲調も自在に切り替わり、ポップに見えてメッセージ性の強い歌詞がいい具合に乗っかる。大橋彩香の歌唱力が意欲的なステージを、しっかり下支えする見せ場となった。
あのドラマのメインターゲット層を考えると、集団への適応を肯定した上で、集団から浮き上がってしまう個性を称揚するステージをやってるのは、立派なことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
全力で道化を演じ、『違う』ことを寿ぐミライを見て、あの世界の子供(と大人)は強い自己肯定感を得られるのではないか。
そういうポジティブなメッセージを、積極的に発信できるのがダイヤモンドフレンズであり、トップアイドルであり、明日香ミライなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
自然体で状況を乗りこなしつつ、冷静に状況を見据え、なすべきことをなす。そういうミライの凄みを、楽しさの中でしっかり描けていた。
というわけで、あいねのキャリアメイクにとって大事な大仕事であり、彼女が追う星の高みをしっかり見せる話であり、みおちゃんの面倒見の良さも確認できる回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
ド素人主人公の『弱さ』を、苦くなりすぎないよう丁寧に料理して、面白さに変えていたのがとても良い。
白紙のキャンバスには、何だって描ける。あいねの大器に説得力をもたせられているから、それに引き寄せられる人々の視線にも、納得が生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
そしてその引力の強さは、他人に見られ夢を見せる職業『アイドル』にとって、凄く大事なものだ。
あいねが目指す『アイドル』、その指針となるミライの凄さをちゃんと描くことで、あいねとこの作品が歩む未来の大きさ、高まる期待を描ききる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
長いシリーズが飛翔する足場を、丁寧に楽しく整える見事な回でした。計算高いんだが体温高くて、単話として凄く面白いのが良い。
支えられ、導かれ、頑張って。失敗して、立ち直って、飛び立って。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月17日
あいねのアイドル道は凸凹満載で、でもそんな上がり下がりがとても楽しい。個性豊かな人たちと混じり合いながら、より自分らしいアイカツを目指していくフレンズの明日に、強い期待が生まれるエピソードでした。
来週も楽しみ。