アイドリッシュセブン 第17話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
白黒はっきり付ける時が来た…長い道を超え、遂に高みへ。決戦の舞台”Blask or White”に全てを賭けて、今長い物語の幕が降りる…。
前回高めたドラマの温度を、しっかり活かす作りでラストステージ。満足感と納得のあるフィナーレでした。
というわけでアニナナ、最終回である。ありがとう、素晴らしかったです。(退場)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
…というのもタンパクだし、言いたいことも沢山あるので、感想を書く。
前回盛り上げた熱気、整えた勝ちムードを殺すことなく、巧く流れに乗せてフィナーレまで走り切る、良い最終回でした。
先々週の乱れた様相を『解散』なヒキに繋ぎ、自分たちの道のりと『アイドル』の意味を回想する先週へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
かなりシリアスで重たい流れに、ワンクッション挟むように日常コメディが展開する。可愛げはいつでもアニナナの武器だったので、ここで思い出せるのは大きい。
ダグラスのオッサンはぶっちゃけ唐突だったが、TRIGGERにアイナナが勝つための最後の札…一般への露出を上乗せする意味でも必要な手筋だったかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
TRIGGERを強く強く描き続けた分、彼らが負ける結末に向けて、描写とロジックは丁寧に積んでた印象だ。
環&一織の最年少コンビが、ダグラスの扱いを間違えるところは微笑ましく、『世代差』というアイナナの面白さを最後に押し出すシーンでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
ガキと兄ちゃんが、凸凹入り混じって傷つけ合い、高めあう。そういう面白さがアイナナであったので、あのふにゃーっとした日常コメディは良かった。
ダグラスの『心に響く歌』というのは、スキルで確実に負けてるTRIGGERの足場を、アイナナがひっくり返すロジックにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
そのステージが心を揺さぶるなら、巧拙を越えた魅力が『アイドル』の強さだ。後に天が拾うが、伝えたい気持ちが巧く伝わった、その差が勝ち負けを分ける。
ぶっちゃけ前回の『このアニメは何をしてきて、どこに行くか』のまとめ方が熱量・巧さともに圧倒的だったので、今回は素直にコメディやって、最後の人教を入れて、スムーズにステージに入る形だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
力みのない演出だが、『勝つ』必然性はたっぷり積んであるので、クライマックスの圧力はしっかり伝わる
むしろスムーズな流れが、エピローグの余韻を爽やかに出してもいて、物語の質量をしっかり収めて終わっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
物語のピークがどこにあって、爽やかな読後感を与えるためにはどうしたら良いか、よく見て考えた作りだと思う。
力まないことで、ちょろっと先の展開に向け、目配せ入れる余裕もあるしね。
最終決戦の舞台は『黒』のTRIGGER、『白』のアイナナ、カラーリングもはっきりとした『Black&White』である。ふたりはプリキュアって感じだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
TRIGGERは己を抑圧する『悪しき父』を先週乗り越えたので、かなり綺麗な魂で勝負に挑めている。もうちょい、八乙女オヤジは悪さするかなと思ってたが。
そこら辺はどす黒く後を引いても、余韻が悪くなるばかりなので、スッキリ終わらせたのは正着だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
TRIGGERが負けをかなり素直に認めているのも、アイツラ全員アイナナ大好き人間であるし、勝ち負けが結果ではなく過程で、自分たちが何を求めているかもう把握できているからだろうし。
やっぱTRIGGERは大した連中で、勝ち負けの向こう側にいるファン、そこから押し寄せる真心、それを受け止め輝く自分自身を、ちゃんと認識して走り続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
誰よりも『アイドル』なTRIGGERが、アイナナの先にいたからこそ、このアニメはしっかりした軸を持って物語を展開できたと、強く思う。
そして『アイドル』である自分自身を、TRIGGERが認識し好きになれたのは、アイドリッシュセブンというライバル、そこに所属する個人がいてこそだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
兄弟として、あるいは同業者として。自分の歪みや制約を照らしてくれる存在が、より善い自分を連れてくる。TRIGGERはそのかけがえなさを知っている
それが、TRIGGERがしっかり負けてくれた大きな理由なのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
こう描くことで、負けてなお爽やかな勝敗を掴み取れたアイナナの凄さもより鮮明になるし、良い書き方だった。いやまぁ、ステージングとかファンのウケの描写とか、露骨負ける側の書き方ではあったんだがな!
テクニカルでセクシー、オーラとヴァイヴスがあるTRIGGERのステージに比べ、アイドリッシュセブンのステージは威圧感よりフレンドシップ、爽やかに今の自分達を届ける『白い』ステージだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
楽曲とダンス作画がキャラクター性を反映し、ドラマをしっかり支える。良いステージの使い方だった。
ファンのリアクションもたっぷり切り取られ、アイナナちゃんに魂を捧げた限界オタクたちが、ここが土壇場とばかりにドッサドサ出てきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
『あ、いつものオタク』と思えるよう、印象づけてファン描写を運用してきたのは、計画的反抗だよなぁ…あの子らに愛着が生まれることで、視聴者が作品世界に入る
ファン投票で勝敗が決まるので、既存ファンの限界感情と、それを超えて広がる影響力を描いておくのは、勝敗を納得させるのに必要だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
そのスタートからアイナナを支えた人たちも、今正にアイナナに出会う人達も、全てが『アイドル』を支える。思いが届いて引き込んで、さらなる重いが響き合う。
環エピでその黒い側面を描いたこと含めて、アニナナの『ファン』の描き方は独特で、力強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
エゴを預けて応援する以上、キレイ事ばっかりじゃ終わらない。でも、そこに光り輝くものがあるからこそ、『アイドル』はファンに照らされ、ファンを照らして輝き続ける。
むしろ陰りを過去に描いておいたからこそ、清濁併せ呑んで『ファン』に向かい合えるようになったアイナナ(特に環)の成長が、到達点に至るクライマックスに説得力が出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
光を描くために、影を手抜かりなく掘り下げる。濃い闇を前に『それでも』と言い続けられる。そういう劇作であった。
Mr.下岡が3人目のオヤジとして、冷静に情深くステージを取り回してくれたのも、嬉しい描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
可愛がってるアイナナの勝利だけでなく、TRIGGERの敗北にも尊厳を与えるように話を運んでくれるのは、ほんと器がデカいと思う。そういう描き方大事よホント。
アイナナが『勝つ』ことそれ自体は、前回積み上げたロジックと熱量により、ある意味必然ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
ならば、大事なのはその先、アイナナが『勝つ』ことで何が生まれ、どう広がっていくかを見せることだ。その描写は、横幅広く色んなものを切り取る今回結、構抜かりなかったと思う。
その視線はアイナナ自身にも向いていて、物語開始時は『アイドル』に三昧になれなかった自分たちを、軽い反省混じりで思い返したりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
過去感想を読み返すと、自分はでそこら辺にイライラ来ていて、製作者の狙い通り転がされたなぁ…と思った。回収するべく、しっかり種をまく。大事なことだ。
『アイドル』に限らず、本気で嘘をつく商売が好きだ。他人の望むものを見抜き、それに呼応するものを自分の中に探して、必死に表に出して共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
真実心が通じ合うことなんてない不完全な人間が、せめてもの祈りを込めて通じ合おうと生み出した、芸事とコミュニケーションの世界が好きだ。
だから、そこに本気じゃないアイナナを不甲斐なく思ったし、本気だったTRIGGERに引き寄せられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
起伏の激しいでこぼこ道を走り抜けて、アイナナはようやく、本気で嘘をつく『アイドル』という職業と、自分を重ねて見れるようになった。
その達成が、自分には一番大きく見える。
かくして、アイドリッシュセブンは高みに立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
しかし、終わってない物語も沢山ある。
『Re:vale』って誰!? 天兄が家を離れた理由は!?
それが語られるだろうセカンドシーズンは、果たしてあるのかないのか。一旦幕が下りても、なかなかヤキモキさせられるアニメだ。
この第一幕で、陸と天、壮五と環と一織は、自分の物語をある程度解消できたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
パーソナルな問題(それは大概『家族』と癒着している)を切り分け、自分が目指すべき未来、あるべき自己像をしっかり掴めた。『成長』出来た。
そんな個人の変化がグループ全体を前に進めるわけだが、アイナナという船に乗ってる連中が全部、自分を出し切れたわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
『アイドル』を一番愛し、『アイドル』に一番愛されていない三月。
『復讐』の内実を隠したままの大和。
謎めいた過去を伏せたまま、トリックスターを演じきったナギ。
年上のお兄やん達は、軒並み地獄を隠したままに見える。この物語で展開した血みどろの心理的切開手術が、彼らに襲いかかる時は来るのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
終わってみると、心の膿を出し切るハードコア治療はいい方向に向いているので、ぜってー厄介な事情抱えてる兄貴分たちにも、ライトを当ててほしいものだ。
そういう未来への展望はさておき、しっかり迷ってしっかり盛り上げる、良い最終回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
ドラマの熱量自体はJIMAでピークを迎えて、BWはエピローグ的な雰囲気にしたのは、終わりがすっと胸に入ってくれる構成で、非常に良かったです。長めのエピローグ大好き(プリリズ・プリパラ住人の意見)
終わってみると、キツめの試練を幾度も与え、『家族』含めた問題を掘り起こすことでキャラクターの本気と熱量を引き出してくる、パワフルなアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
キャラが乗り越えるべき課題は何で、それを試すためにはどんな試練が必要か。よく考え、必要なハードさで的確に投入していました。
そういうクレバーな目の良さだけでなく、キャラクターが織りなす日常のおかしさ、可愛げが随所に溢れる、チャーミングなアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
重たいメインに、オトボケやバカで巧く風穴を開けて、独特の手触りとリアリティを出していたのは、とても強い取り合わせでした。やっぱかわいいは無敵よ。
言葉の選択にセンスと強さがあり、勝負どころでぐっと引き寄せられるのも、非常に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
感情溢れる『泣きの演技や表情を、一回も取り損なわなかったのは見事。醒める間もなく、試練に傷つき血を流す彼らに引き込まれることで、作品へのシンクロ率がグンッと上がった。
『アイドル』という存在が何をして、何を生み出すか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
メインテーマに選び取った題材をしっかり考え、印象的なエピソードで刻みつけてきたのも、とても嬉しかったです。
薄暗い部分も沢山ある芸事の世界を、その闇を色濃く描きつつ光を信じて、最後まで走る。なかなかタフな姿勢だと思います。
いかにも記号的でポップな芝居をさせつつ、繊細な内面も兼ね備えたキャラ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
そんな複雑さを画面に塗り込めるべく、レイアウトや色彩、ライティングの暗喩を的確に使っていたことも、とっつきやすさと深みを両立させる、見事な料理法でした。意味深なアニメだーいすき。
正直見始めた頃は反感も色んな場所にあったけども、それは全て用意された種で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
視聴者が受け取る(だろう)違和感をしっかり制御し、後の変化や成長を照らすライトとして使いこなせていたのは、見事なコントロールだったと思います。作者の入れたいところに、キッチリ入れられた感じ。
クセの強い個性が集団を育み、その結束が個人を支える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
群像劇としての描き方も見事で、毎回激しい感情のうねりを楽しませてもらいました。
なんか良い子ちゃん繋がれてた連中が、本気だからこそバチバチしだして、そこを乗り越えて本気で繋がる。やっぱねぇ、そういうお話は楽しいのよホント。
こうして『アイドル』に、『アイドリッシュセブン』になれた男たちの前には、また大きな波が来るのでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
ゲームで先行して展開している(らしい)物語を、アニメーションという媒介で再び見れるか。
それはわかりませんが、ぜひとも見たいと思わされる、見事なドラマでした。とても面白かったです
先に伸びていくための布石も、抜け目なく置いてた幕引きとなったので、是非とも『その先』を期待したくありますが、今はまず、走りきった物語に感謝を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月20日
とても面白く、好きになれる良いアニメでした。陰影の濃い物語、強いテーマ性、見事な技法。強いところが沢山ありました。
ありがとう。