Beatlessを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
さよならジュブナイルポルノ、こんにちはクライムサスペンス!
司法の網に捉えられた友人を救うべく、遂に一線を越えたアラト。生ぬるい日常の皮膜がパチンと弾けた後は、暴力と謀略が渦を巻く夜が待っている。
ようこそ、月の裏側へ。
そんな感じの、物語の重心が大きく変わる回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
ケンゴの言葉を借りれば『レイシアを可愛い女の子だと思ってるの、オマエだけ』な状況が続いていたわけだが、遂にぼんくら主人公も自分の意志で、世界の真実に飛び込んでいくこととなった。
情報戦、脅迫、取引。生臭い現実がギャルゲ時空をぶち破る
アラトにとってはキツい洗礼となったが、彼の認識を守ってきた殻の外では、ずっと進行していた事態でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
瞳のハイライトガン消えするくらいハードコアな取り調べ受けていたケンゴにとっては、そら今更感溢れる接触だわなぁ…「きちゃった…♡」じゃないよホント。
アラトはレイシアに急かされる形で一線を越えたが、耳にはリモコンを埋め込まれ、乗っかる状況はすべて自動運転である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
自分の意志と実力でハンドルを握ることは、未成年には許されていない。ここらへんは、企業の論理と取っ組み合いし続けているリョウが、先に悩んでいるところだ。
それでも日常の皮膜を破り、剥き出しの現実に飛び込むことで、見えなかったものがどんどん見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
それはレイシアを選び取ったロマンスの真相、嘘と謀略、情報と経済が渦を巻く、シリアス物語だ。アラトはずっと、そんな物語の重要人物であったし、それに気づいていないのは彼一人だった。
抗体ネットワークの真相、突きつけられる拳銃、存在しない取引。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
自動装置に乗っけられても、アラトは新しい経験に飛び込み、ハードコアな事実に摩耗していく。
レイシアさんとの3つの約束は、そんな荒波の中でもロマンスを続けるためのルールなわけだが、破綻した世界観は信頼と愛情を揺るがしていく
今後状況は、不可逆的に加速する。アラトはよりシビアで、より重たく広い決断を強いられることとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
その時、彼のチョロさを彼自身が何処まで信じられるかが、一つの焦点となるだろう。人間のかたちを愛する善性は、来るべき新世界にどれだけ通用するのか?
それを試すための状況変化であるし、レイシアもまた、そろそろアクセルを踏む頃合いと覚悟を決めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
オーナー書き換え可能な器官を自分で潰した以上、レイシアに新たなオーナーはない。アラトに真実を見せて破綻するなら、二人の関係も自分自身も、その程度のもの。
スッと冷えた遠山さんの演技が、そういう現状認識と賭けを巧く反映し、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
都合のいい女を提示し、アナログハックを仕掛ける時代は終わった。日常の中で積み上げた信頼を種銭にして、こっからはよりタフな未来を掴むための一発勝負だ。…レイシアさんは男らしいなぁ…。
犯罪現場の映像に、こめかみに突きつけられる銃。土壇場で冴える推理・交渉能力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
レイシアさんの厳しい試練は、アラトをちょっと『男』にしているようにも見える。ムチでビシバシシバいた後には、甘い言葉で飴ちゃんあげるのも忘れないぞ!
あれでハックされちゃうアラトは、ほんとどっか壊れてるネ。
抗体ネットワーク、HOO、警察機関。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
アラトが世界の深層に踏み込んだことで、レイシア級を巡るアクターの顔も見えた。
みーんなアラトのことを『チョロすぎて人形に魂握り込まれた、哀れなオーナー』と見てるのは…まぁしょうがねぇな事実だからな…。
ここら辺も『知らぬはアラトばかりなり』である
今回は全自動車の内部、あるいは警察の尋問室でストーリーが進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
コントロールを握り込めない、息苦しい閉鎖空間。アラトが飛び込んだ新しい世界の窮屈さは、他のアクターもまた同じだ。
紅霞撃退作戦の直後から、生存のために情報活動しなきゃいけないHOO。
高校生マトにかける以外に手がない警察。
みな自動化された状況の中で、息苦しさを感じつつ脱出口を探している。その足掻きが、他のアクターの喉を塞ぎ、社会的な溺死に追い込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
絡み合った糸を手繰り寄せるような、もつれた陰謀の絵図。超AIの演算能力を駆使し、単独で糸を操り絵を書くレイシアの不気味さ。
レイシアももちろん、全ての糸を操れるわけではない。というか、最後の糸を一番脆弱なアクターたるアラトに預けることで、意図的に脆弱性を引き受けてすらいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
それはこの謀略戦にただ『勝つ』のではなく、なんらかの目的や価値を達成して『勝つ』ことが、彼女の勝利条件/製造目的だからだ。
冷たい計略と、秘めたる熱意と。レイシアは鋼鉄の意志で現実を泳ぎつつ、クールにバランスを取っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
今正に、新しく見えてきた現実に溺れかけているアラトは、恋するロボットのしたたかな賢さを、しっかり認識できているか。学び取れるのか。
そこら辺が、来週以降の課題だろう。
日常に背中を向けてでも伸ばしたアラトの手を、ケンゴは弾く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
それは持たざるもの…紅霞の死が世界に刻んだ赤い疑問符に、強く共感する存在、せめてもの矜持だ。
特別な存在に選ばれた、普通じゃない考えの持ち主とは全く違う自分。それでも、心の中に譲れないものがある。
アラトは自分の特別性も異質性も、しっかりは認識していない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
ケンゴの言葉、直面した現実によって、自分を取り巻く世界と自分自身、そこに秘められている望みが、ベールを剥がされていく。
あどけないロマンスを求めたレイシアとの関係に、どういう欺瞞があったかも。
幸福なギャルゲーコメディーは、狙い通り揺らいでいる。その先に待つ破綻と、それが露わにする揺るがない真実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
スノウドロップの襲撃により、状況はさらにハードな方向へと転がり落ちていく。紅霞の死が、スノウドロップの行動を後押ししたのは、なかなか面白いドミノだ。
つくばを襲った電脳ゾンビ渦が、人口密集地で再現された時、何が起こるかは想像しやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
『進化の委託先としての道具』が元請けの制御を外れ、人類を必要としない進化に突き進む。レイシア級二番機が指し示す、鋼鉄色の悪夢。
『お前らはもう、終わった種族だ』という最終通告。
それはアラトが夢見ていた、鋼鉄のボーイ・ミーツ・ガールの陰画だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
人間のかたちを完璧に模倣できる機械は、人間と恋もできれば、人間と絶滅戦争もやれる。嘘を付くことも、目的のためにどこまでも冷酷になることも。
そういう都合の悪さもひっくるめて、ヒトと機械知性の関係はある。
友を助けるため、己の意志で踏み込んだ一線。その先には暴力混じりの息苦しさと、不都合な真実と、嘘と拒絶が待っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月22日
ハードな通過儀礼を飲み込む間もなく、ドミノは倒れていく。加速する状況の中で、アラトはレイシアを、チョロい自分を信じきれるか。来週も楽しみですね。