アイカツフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
情けは人の為ならず! 友誼のアイドル道をひた走る主人公・友希あいねは新たなステージを目指し、手作りのファンミーティングを企画する。
しかし好事魔多し、思いがひた走り喉を痛めたあいねに、マネージャー・環は『アイドル失格』の判断を…というお話。
というわけで、あいねちゃんのアイドルとしての成長と未熟、自力と他力を掘り下げていくファンミ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
あいねが持つ『アイドル』としての強みがしっかり描かれ、限界オタク製造装置っぷりに説得力が出る回であった。ファンのリアクションが多めに切り取られることで、何が刺さってるか見える。
色んなものが盛り込まれている回なんだが、やはりお仕事アニメとしての切れ味が鋭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
第7話で『外側から与えられる仕事』を書いておいて今回『自発的に作っていく仕事』へとステップアップしている、ビジネスキャリアの描写は、段階を踏んでいた。こうやって積むと、サクセスストーリーに説得力も出る
プレミアムレアドレスをただの『キラキラしたアイテム』にするのではなく、『より優れたアイドル』という抽象的な価値の象徴にした上で、それを獲得するにはどうしたら良いか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
先輩アイドルの助言なども受け取りつつ、自分の意志で、自分のアイデアでイベントを組み立てていく頼もしさ。
ブレインストーミングの口火を切りつつ、あいね自身がアイデアを出すことを重視してるエマの描写とか、ド素人であるあいねの想いをどう形にしたらいいか、既に『アイドル』である三人が筋道を付けたりとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
主役の間にある経験者と素人のギャップを、キャラを光らせる素材として活用する描写だった。
その後はプレゼン資料をまとめ、アイデアを大人の力を借りつつ具体化していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
女児アニらしいパステルカラーで描かれているけど、アイデアを形にし、他人に届けるための手順や努力は丁寧に切り取られ、説得力があった。
あいねの自力を引き出しつつ、しっかりサポートしていく大人が頼もしい。
千春さんがあいねの口づけを見て、もうひと踏ん張り気合を入れるシーンは、大人と子供、『アイドル』とファンの関係を鮮明にスケッチしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
あいねは脇目もふらず、自分のためファンのため必死にやっている。そのひたむきさ、真摯さが、見守る人の心を打ち、新しいパワーを引き出す。
あいねが持つ他人を動かす力を、身近な距離で書いておくことで、それがファンとの距離感に拡大していく後の描写にも、しっかり芯が入った気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
あいねは他人の心を動かすパワーを、強くしっかり持っている。そしてそれは、時にマイナスの結果を引き出すこともある。
ファン一人一人に向き合い、手渡しで思いを届ける。そんな必死さが雨の中傘もささず駆け出し、商売道具を痛めてしまう結果を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
携帯電話を手渡しされたファンが、ズブズブ『あいねの女』になっていく描写が最高であったが、それはそれ。たまきさんの言うとおり、それは『アイドル』失格である。
未だ『アイドル』のことを知らないあいねは、分を飛び越えた過剰な優しさで自分を傷つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
しかしそれは必要な失敗でもあって、失敗を生み出したあいねの優しさは、ウェブ上で超バズる。いやー、あのファンミはバズるよ…間合い、体温、質感。全てが限界人間製造装置だよ…。
たまきさんが厳しい態度を見せつつ、あいねの見えないところであいねの良さ、それが生み出したポジティブな結果を心から喜んでいるのが、バランスの良い描写だと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
あいねを『アイドル』にするためには、失敗の重さを背負うほうが良い。そのためには、厳しさの仮面を綻ばせるわけにはいかんのだ
あいねはグイグイ前に出ると同時に、適切な距離を見つける賢さも持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
これまで主に人間関係で描写されてきた目の良さは、今回内省として発露し、たまきさんの言葉を重たく受け止める。その真摯さ、素直さもまた、あいねの『強み』なのだろう。
荒天そのままに重たいシーン…なんだが、可愛いナイトウェアやペンギンデフューザーなど、小物の強さで上手く空気を抜いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
フレンズはキャラデザ含めたビジュアルの強さを、巧く振り回してムードを作れている感じがある。重くなりすぎないよう、軽くなりすぎないよう、『絵』を使う巧さというか
フリップ芸とか大根すりおろしとかDJ-PENGINの手紙朗読会とか、細かいアクションの可愛さ、面白さも生きていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
テーマや展開やや重めな回なんだけども、ポップな面白さをちゃんと入れ込んで、必要なだけの軽みを生み出すバランス感覚は、フレンズの強みかな。
そんな感じでバランスを取りつつ、ハラハラした状況は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
『友希あいね・最強の限界オタク』ことみおちゃんがトンチキなパワーを発揮し、謎のキノコでぶっ飛ばすのは、アタマ弱くて良い展開だった。
みおちゃん、どんどんストイック貯金崩してネタ方面に投資してるな…キャラの多角経営だな…。
前日は『忙しい仕事の合間を縫って~』みたいなムーブだったのに、あいねが喉傷めるや即座にジャージ装備、山に分け入ってキノコ採集なあたり、ほんとみおちゃん限界過ぎて最高。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
しかしそれも、しっかり物事を調べ覚えている、彼女の『強み』が生み出した解決だったりする。
あいねのひたむきさはプレミアムレアドレスという結果に結びつき、たまきさんもOKを出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
『ファンに甘えるのは、今回限りよ!』ときっちり締め、あいねを『アイドル』に鍛え上げていく姿勢を緩めない彼女は、マジ信頼できる。あいねがその厳しさの意味を取り違えてないのがホントに良い。
かくして半人前の『アイドル』は、沢山の人に支えられてステージを終えた。ファンやスタッフ、家族が心配そうに見つめる視線、それをぶっ飛ばして笑顔になる様子がちゃんと描かれていたのは、世界が広がっていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
やっぱファンサイドの描写は、アイドルアニメには大事だと思う。
果てしないアイドル道を走り始めたばかりのあいねは、何も知らないのだから当然失敗する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
そんな彼女を色んな人が支えてくれたのは、『友達』というあいねだけの『強み』が生きた結果だ。今回の失敗であいねは、『友達』のさらに先を見据えることになった。価値のある失敗と成功だったと思う。
ファンミ回をキャラが解ってきたこのタイミングでやるのもドンピシャである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
視聴者も楽しい物語と可愛いムーブで愛着が生まれ、両腕組んで後方彼氏面(あるいは最前列で親衛隊っ面)し始めた頃合い(だと思う)。
作中の出来事と、画面外の感情がシックリ噛み合うと、作品へまえのめりにもなる。
視聴者(つうか僕)がちょうど『あいねちゃん好き…あいねちゃん知りたい!』と請い願う動物になった頃合いで、そういうイベントをやる。キャラを掘り下げ、地金を見せ、そこから生まれる可能性と危うさを成長に繋げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
フレンズらしい長期的視野の広さが、うまく機能したエピソードだと思いました。
あいねの『強み』をディープに掘ることで、その輝きが周囲の人々を照らし、キャラを光らせてもいた。お兄ちゃんが妹限界勢過ぎて面白かったなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
失敗を素直に受け止める自分、支えてくれる仲間、失敗の意味をちゃんと教えてくれる師。
あいねは人に恵まれているし、人に恵みを与える子だと思った。
今回の経験を経て、あいねはただ『友達』を求める素人から、『ファン』に向き合う『アイドル』へと変化していくだろう。その時、魂の根っこにある『友達百万人』は消えない。それは多くの『ファン』を呼び込み、笑顔にする強力なパワーだからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
大事なのは、『強み』をどう使いこなすか。
そういう未来への課題もしっかり見え、フレンズ確定候補であるみおちゃんとのディープな絆も描き。色んな方向に目配せの効いた、いいシナリオでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月31日
そして次回は舞花&えまのフレンズ結成回。尖った個性が生み出すフレンズ・ビッグバンを、どう魅力的に描くか。来週も楽しみです。