HUGっとプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
クライアス社の軛をちぎり、一人間として歩き出したルールー。しかし視界には塊根と無明が広がり、不慣れな心を抱えてどう振る舞えばいいか、困惑は深まる。
そんな思いに寄り添うように、唸るZO-3友情の握手。ルールー・オーバークロック・エピソード。
というわけで、悪役がベビーターンするための馴染ませ回であり、ルールーちゃんが今後にっこり笑い続けるために邪魔なものを全部ぶっ飛ばす回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
えみるとの超絶友情が目立つが、野乃家とのわだかまりを取り除き、パップルさんとの関係を描き、やっぱり一話にいろいろ載せるのがHUGっとイズムだな
今回ルールーは良心の呵責とか、手に入れた心への戸惑いとか、人間社会への不適合とか、色々と足が止まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
それはクライアス社の社是である『止まった時間』から開放された結果生まれた違和感であり、活きた時間を踏み込むための必要経費である。
その解消に一話使えるのは、一年モノの強みだと思う。
止まった時間が動き出す回なので、カメラは幾度も『時計』を写す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
ヒトの都合で動いたり止まったり出来る機械から、勝手に進む生き物へ。ルールーの内面の変化は、経時的変化を生み出す。
こうして考えると、はながルールーの心に触れるシーン、必ず時間が凍りついてたのは、心が止まってたからなのね
クライアス社の機密情報はコンプライアス規定に則って削除されてたり、すみれママンが菩薩のような心で全てを許したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
ポトフカレーを象徴に、凸凹色々あっても受け入れる寛容な心、それを常時保っている野乃家の包容力を、スマートに見せていた。ホンマ野乃家の人々は人間力高いで…。
悪役の転身は結構扱いの難しいネタで、一回死んで心が綺麗になったり、根性ドブゲロのまま馴染んだり、色々手筋はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
ルールーはアンドロイドという『個性』は失わず、クールな部分も残したまま、周囲の手助けと自発的な意志で『時計が進む』人間社会に馴染んでいく感じなのかな？
ルールーを過剰に指弾する展開はトゲトゲして面白くないし、描きたいのはそこじゃないとも思うので、しっかり悔いて迷って来週から切り替え！ という今回の作りは後を引かずにいい感じだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
クライアス社時代のルールー、扱いとしては『備品』だし…パップルさんはそう思っていないようだがッ！
ルールーが製造された世界では、歌も心も不要なもの。誰も教えてくれなかったソウルのシャウトに戸惑い、計算機械はオーバーフローする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
ここで大事な仕事をするのが、傑作回となった第15話で濃厚な関係を作っていたえみるである。強めのパスをキッチリ外野に運ぶ、良いリレーであった。
身長や外見、知能を見ると、ルールーはえみるより『上』である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
しかし家や性別の抑圧を受け続け、それにどう向き合うか考え続けてきたえみるのほうが、人生経験や情緒という意味では『上』だったりする。
誰もが長所と欠点を兼ね備えていて、それを合い補うからこそうまくいく。凸凹感の見せ方が巧い
ルールーに『歌』を与えていくえみるも、当然完璧な存在じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
つーかこれまではコミックリリーフの色合いが強かったところを、今回音楽的才能だったり思慮の深さだったり、ただの道化じゃないところを見せた、というか。
ギャグキャラの真面目さをこういう形で見せるのは、意外性もありとても良い
これも第15話が生きてるところなんだが、ルールーの止まった心が動き出した象徴として『歌』を使うことで、こっち方面にアドバンテージがあるえみるが先導役になる展開が、スムーズに飲める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
バカでおっちょこちょいで思い込みが激しいかもしれんが、歌と正義では誰にも負けないのが愛崎えみるなのだ
えみるの強いところは、自分の感じたことを迷わずまっすぐ言葉にするところ。脅威にめげず、前を向いて言いたいこと、言うべきことを言える強さが、ルールーに『ヒーロー』を教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
そんな彼女も、お家でギターは弾けない。立ち向かえない大きな壁が、まだまだある。
プリキュア候補生が目立つ今回、プリキュアはバックスに下がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
戸惑うえみるに、はなの『エール』がしっかり届くシーンは、何かとドジで幼い描写が多いはなの『お姉さんな部分』が強調され、良い見せ方だった。
凸凹感が生きているのは、えみルーばっかではないのだ。
ルールーの方はエンジェルさあやがきっちりカバーし、心の泉から溢れ出る感情を、素直に表現する大切さを教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
さあや自身も、情熱の赴くまま突き進む強さとは距離があって、だからこそ憧れている部分もあるので、ルールーの戸惑いに共鳴できたのかもしれん。優等生ゆえの悩み、というか。
プリキュアへの憧れを強調して、今後二人がアムール＆マシェリに変身する筋道も立てていたし、情感込めつつ未来も見つつな、HUGっとらしい回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
…アンリくんの登場は来週に繋ぐためとは言え、ちょと唐突だったと思うけどね！ ふたりの歌は、接点のない少年の心をも動かす歌だった、てことかね？
今週はパップルさんの描写も良くて、上層部が『備品』扱いするルールーちゃんを『部下』『人間』として扱ってたり、ダークサイドからの誘惑を跳ね除けさせることでぐらついた心を安定させたり、キャラの見えるいい動きだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
想像以上にルールーちゃん好きだなこのおばちゃん…いいよそういうの。
新幹部もお目見えして、そろそろ退場タイマーがピカピカしとるパップルさんだが、チャラリートくんの引き際を思い出すと、結構いい感じに使い切ってくれそうではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
アムール＆マシェリお目見え回と、パップルさん退場回が同時になるかなぁ…『私を愛してくれたアナタを、私の愛で殺すッ！』的な。
やっぱり田村さんの芸達者は圧倒的で、不器用に人間社会に適応しようとするあがきとか、溢れ出した感情が心を潤す瞬間とか、機械の喉から出る音の連なりが『歌』になる瞬間とか、見事に演じていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
はい、田村ゆかり信者の贔屓目ですが何かッ！（開き直りガイ）
プリキュアTVシリーズ初の特殊EDでエモく終わって、初代リスペクト溢れる『二人で手を繋いでプリキュア』もやって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
えみるとルールーが『ふたり』でいること、一緒に『歌う』ことがとても特別なのだと、しっかり印象付けられるエピソードでした。
漏れ聞こえる今後の展開を考えると、大事よねそこ。
えみルー強化月間はまだまだ続いて、次回は定番ファッションショー回。まさかの半レギュラー化な吉見デザイナーも続投し、どんな事件が飛び出すやら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
今回心を支える確かなものを、いくつも手に入れたルールーの変化も含め、来週が楽しみですね。
あ、えみるとルールーがお互い、プリキュアの理想像を自分ではなく相手に投影している『憧れの凸凹感』が、圧倒的に『強い』描写で素晴らしかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
自分にないものを見つけた相手だからこそ、手を繋いで一緒に走り、遠い背中を追いかけたくなる。『感情』ですよ、極大の。
心が転がりだすための欠落を、ルールーは機械という出自に、えみるはプリキュアチームの妹分という年齢に、それぞれ背負わせてるのも良くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
キャラの根源的な部分から、相手を求める感情が湧き出ている。溢れ出る水を止められないのは、さあやもルールーもエミルも同じなのだろう。
遠い場所にあるきれいな水を羨ましく見つめるうちに、気づけば自分の姿がよく見えるってことも、おそらくあるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月3日
今は憧れでしかないプリキュア衣装が本物になった時、えみるとルールーは何を感じるのか。プリキュアを続けていく中で、どういう自己像を手に入れていくか。そこも楽しみなのです。
