ウマ娘を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
数多の祝福と夢を背負って、あの子がターフに帰ってくる。秋のオープン特別、サイレンススズカ復帰戦。
無事に走ってくれるだけで十分との暖かな声援に、駿馬の魂が抗う。
勝ちたい。先頭で見たい景色がある。
そんな場所まで帰ってこれた、スズカとみんなの大レース。
というわけでスズカ復帰戦である。スペスズの捻れた関係を丁寧に追いかけた結果、復帰前よりも強く、健やかに成長した精神がくっきり浮かび上がり、疾走に新たな説得力の出る回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
あのすれ違い、あの停滞があってこそ、この『走り』がある。超正統派、スポーツフィクションの王道である。
丁寧なお膳立てもあり、スズカの復帰戦は『勝って欲しい、勝つはずだ』という思いで見守ることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
しかしいい具合に不安の種も埋め込んであって、レースの結果は最後まで読みきれない。そんなサスペンスで引っ張って、最高の結果で〆る作りが心地よい。
万事快調、勝つべくしてターフに立つ順調な流れは、第7話を思い出させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
あの時も…という思いが一点の曇りになって、『もしや』を打ち消さず最後まで見させるのは、良い作りだった。
今回はその予感がちゃんと裏切られ、心地よく走りきって終わる所も。ハッピーエンドは良いもんだ。
スピカの面々は勿論だが、かつて席をおいたリギルの仲間、同年代の友人もスズカの活躍を祈り、勝利を祝う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
そこに、ジャパンカップを控えたスペがいないことが、第10話でスペが選んだ寄り添い方を思い起こさせ、とても良い。
前半脚をため、ラストの直線で一気にまくる。一年のブランクを反映したレース運びであるが、これは第1話でおハナさんが理想としていた、スズカの走りそのものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
離れても、かつての教えが思わぬ形で実現される奇縁。快勝の裏に、密やかな絆を感じた。
オハナさんは同じトレーナーとして、スピカトレーナーの不安を受け止める役も担当してくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
自分は何もしてない。走るのはウマ娘だ。
あくまでヒトの立場を忘れない謙虚な男は、一年間溜め込んだ感情を涙として溢れさせ、優しい嘘を自白する。
復帰不能と診断されたスズカの足を、トレーナーは当人に告げなかった。告げられなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
それはスズカ自身の不屈、チームメイトの期待、自分自身の夢に、背中を向けれなかったからだと思う。
もう一度、オマエで夢が見たい。
それが全てではないが、ほんの少しのエゴイズムが視線に交じる。
むしろ個人的な熱があればこそ、絶望的なリハビリを自分の胸一つにしまい込み、時に見守り、時に熱くぶつかり、スズカとチームを鍛え上げ立ち直らせる歩みを走りきれたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
一人の夢が誰かの夢に、みんなに夢になる。スズカの復帰は、そういう奇跡のゴールであり、スタートなのだ。
ただ走りきってくれればいいと、願う人々がいる。トレーナーもその立場なんだが、ウマ娘達はその意見に角を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
ウマ娘は『走っ』て、勝つ生き物なのだと。その貪欲さが、スズカのポテンシャルを信じるチームの力強さを感じさせ、爽やかで熱かった。まーたゴルシくんが良いこと言ってる…SUKI…。
アナウンサー&解説コンビも私情入りまくり、世界中がスズカにアイ・ラブ・ユーな空気の中で、一人勝ちに齧りついたサンバイザーは、勝負を予定調和にしない大事な仕事をやってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
久々に聞いた『釘宮っぽい釘宮』であり、負けん気の強さと勝負への真摯さ、走りの後の素直さが良い。
サンバイザーだってウマ娘、『走っ』て勝つのが生き方だ。どんなにドラマがあっても、勝負と競技はそれ自体独立した厳しさと尊さを持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
スズカに正面から向かい合うサンバイザーがいた事で、真実スズカが『ウマ娘』に戻れたことを考えると、今回の殊勲賞と言えると思う。いいキャラだった。
第9話のブロワイユもそうなんだが、踏み込みの迫力、息吹の力強さが『走り』に説得力を出していて、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
BGM含めた音響の強さは、ウマ娘アニメの武器だなぁと思う。『走る』存在の胸に吸い込まれ、エンジンを回して出ていく熱い呼吸。その熱量が、スズカの復帰を下支えしている。
そんなブロワイユは、ラスボスの強キャラ感を随所に出して、来週のジャパンカップへの期待を高める立ち回り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
やっぱ壁は高いほど乗り越え甲斐があるわけで、憎たらしいほどに堂々と君臨して、決戦の値段をバチバチ跳ね上げてくれると、温度上がって素晴らしい。
ブロワイユ攻略ノートを巡るやり取りは、8話9話の混迷を乗り越え、スペチャンがたどり着いた境地を見せる上で大事だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
友の思いを受け取って、燃え上がる心。しかしそれを制御して、あくまで自分の足で走り切る決意。冷静に勝負に挑み、胸に滾る闘志。理性と情熱のバランス。
そこにたどり着けたからこそ、スペちゃんはスズカの側でレースを見守るのではなく、自分のレースを走る。遠く離れても、強い息吹と踏み込みが確かに聞こえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
二人は、スピカは、そういう場所にたどり着いて、ジャパンカップに挑むのだ。うーむ、熱い。
スペとスズカが運命共同体であると話を進めてきたから、スズカが壊れてスペが調子を乱し、スズカが復帰戦を勝利で飾ることがスペの背中を押すことにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
迷ってタメた部分をしっかりバネにして、物語を高い感動に到達させる。一つの到達点が、次のレースのスタートにもなる。
そういうドミノ倒しの面白さも込みで、非常に熱量のあるエピソードでした。トレーナーさんが内心に秘めていたもの、表に出しては壊れてしまうものを、一つのゴールを前にようやくこぼすシーンが、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
あのポジションのキャラを、一人間として成長させ好感させるの凄いね、ホント。
スズカの復帰戦勝利は、ゴールでありスタートでもある。君だけの新しい道を駆け抜けていく一歩は、とても涼しげに踏み出された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月4日
その歩みが、掛け替えのない強敵(とも)の背中を押すだろう。数多の夢を背負い、次回ジャパンカップ。非常に楽しみである。