ルパン三世 PART5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
取って取られて、騙し騙され。
銃弾と悪態でコミュニケーションする男たちのブロマンスも、遂にクライマックス。白兵戦、銃撃戦、カーチェイスに謀略戦。血しぶきと昂奮がたっぷり詰まったアクション回だッ!
敵のキャラが立っていて、スカッと楽しい回だった。後味も良し。
というわけで、黒革の手帖編最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
一癖も二癖もあるライバル、アルベールのキャラを掘り下げつつ、バリバリ殺し合いする決戦回である。
水を得た魚のように、色んな殺し方する五右衛門ちゃんが良かった。次元ちゃんはちょっとワリ食ったわね…オープンのメルセデスカッコいいけど…。
今回の五右衛門は剣にこだわりつつ剣を捨てれる、戦士としての顔が鮮明でとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
車の屋根を貫通し血に染める殺し。死中に活を求める武人の立ち回り。アクションでキャラを見せる殺陣。どれも五右衛門を格好良く見せてくれ大満足である。気合声少なめで淡々と獲ってくのも良い。
そんな『今の仲間』のアシストを受けて、『昔の仲間』『今日の敵』と背中合わせに疾走するルパン三世。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
当意即妙の当てこすり合い。ハメられたらハメかえす泥棒の意地。ライバル同志の呉越同舟だからこそ生まれる、アルベールとのピリッとしたコンビネーションが、見ていて心地良い。
こういう距離感はとっつぁんとやるには、ちと二人は魂が繋がりすぎていて。PART5からの新参だからこそ、本気で撃って本気で背中を預ける距離感が生まれてる感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
今のアルベールにしか出来ない見せ場をたっぷり詰め込んで、濃厚なブロマンスで飲み込ませる視聴体験は、なかなか濃厚だ。
技術はルパン以上ながら、魂の根っこが泥棒になり切れない。アルベールのコンプレックスは憧れの裏返しで、しかし素直にじゃれ合える時間は過ぎてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
古城の決戦は、黄金時代を過ぎてしまった二人のルパン候補が、子供に戻ってじゃれ合える時間だったのかもしれない。
こういう懐旧は、冷静に『ルパン三世』を批評する目の良いPART5らしい味わいである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
アミ相手に見せた、枯れ果てた王子様としての表情。それと似た、でももうちょい血生臭くて熱い顔で、ルパンはアルベールを見ている。去ってしまった時代を諦めつつ、その予熱がまだ怪盗を走らせる。
それはルパンとアルベールというキャラクターの生き様、一つのドラマでありつつ、同時に『ルパン』という長い長いサーガ全体への眼差しを含む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
どうやっても、ルパンが若者文化の真ん中で熱く蠢いていた時代に、時計の針が戻るわけじゃない。それでも、ルパンはルパンだ。
そういう状況下でアルベールというキャラを出し、黒革の手帖編四話をしっかり走りきったのは、とても意味のあることだと僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
女好きとゲイ、ワルサーとルガー、泥棒と警官、魂と技術。お互い背中合わせだからこそ、弾丸も撃ち合えば背中も預ける。そんな男との、対立と共闘。
フランスの国内政治を絡めつつ、キャラの立った強敵と情け容赦のない血しぶきで、薄暗い昂奮をしっかり作り込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
トンチキ殺し屋軍団はなかなか油断のならない相手で、逆転のカタルシスも含め良い敵役だった。ジョゼが命乞いなどせず、最後まで憎い悪人として散っていったのが、とても良い。
セクシュアリティとしては、アルベールはルパンを恋人に出来る。それこそ不二子とルパンのように、恋を追いかけ騙し騙されつつの関係にもなれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
しかし、アルベールは恋の甘さより矜持を取る。警官という道を選び、泥棒の技術と精神性でフランスをポケットに入れる。その道を誇る。
橋の上で分かたれた道。強く惹かれ、だからこそ反発し、『ルパン』に飲み込まれないために正反対の職業を選んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
それは恋人として同化するより、強敵としていがみ合うことで相手の心に刻まれる道を、アルベールが己の意志で選び取った、ということだ。
そんなアルベールの選択をルパンも尊重し、実力も認めている。分かたれた道は運命の導きで交錯し、昔のように背中を預け、しかしまた別れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
前々回の銃撃も、今回の盗みも、遥か過去の離別も。男たちは必ず橋の上で、背中合わせに分かれていく。そのリフレインが良い。エロティックですらある。
俺の中に『ルパン』を刻み、『ルパン』の中に俺を刻む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
その強い思いは、『ルパン』が好きだからこのアニメを見てる僕とも重なる部分があって、なおかつ激烈で新鮮で、とても良いものだった。
次元とも五右衛門とも不二子とも、銭形とも違うところに、上手くキャラを造形したなぁ、と思う。
アルベールというソリッドなライバルが居ることで、ルパンの厳しい表情も浮かび上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
尋問の時バッスンバッスン撃ちまくりだったり、アイアンメイデンでエグい殺しをしたり。アミ相手に白馬の王子様やってた時とは違うが、この血生臭さも『ルパン』なのだろう。
沢山の作品群で顔を彫り込まれ、関係が煮詰まってしまっているルパン一味。時間を過去に戻したり、画風を変えたり、色んな工夫をして風を入れてきたわけだが、アルベールという新入りもまた、その一環かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
そしてその試みは、見事に成功した。黒革の手帖編が終わって、つくづくそう思う。
PART5はまだまだ先がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
依頼し、裏切り、撃ち、騙し、共に鉄火場を乗り越える。アルベールとルパンが踊った複雑なダンスが、また別の場所、別のエピソードで掘り下げられることもあるだろう。
一連の物語ですっかり彼が好きになった僕としては、それがとても楽しみだ。
ルパンゲーム編と違い4話で終わってるのも、形式に物語を合わせるのではなく、物語に形式を合わせる意識が見え良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
アルベールとの第一章は、この間尺がベストと判断したから四話。たしかに、ここで終わるのが後味も満足感も堪能できてちょうどいいと思う。食べたりないくらいが良い。
スタイリッシュにキメつつ、犠牲となった男へのメロウな感情を秘めて走り切るルパンも、ハードボイルドでよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
黒革の手帖編は結構酷薄な話なんだけども、カミーユを殺ったトンファーガンマンに執着を見せ、最後に薔薇とお宝で弔うことで、ウェットな感情がしっかり乗り、共感を生んでくれた。
ルパンを騙したアルベールの声帯模写がジョゼを獲ったり、敵の武器を逆手に取ったり。逆転のカタルシスも巧く予感され、収まりの良いアクションだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
『敵の武器奪う→目潰し』が二回重なったのは、少し残念だったかな。でも目を狙うのは、エグくて本気度が見えていいね、やっぱ。
というわけで、アミを鏡にした時とはまた違う、陰影が濃いルパンの表情を堪能させてくれる、アルベールの自己紹介でした。とても面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
すれ違うからこそ質量を高め、羨望と反発がお互いの背中を追いかけ回す感情の濃さを、全身の毛穴で受け止める。やっぱ俺、こういう話好きだな。
次回は赤ジャケを羽織り、少しエロティックな気配を漂わせる不二子回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月5日
PART5では枯れた関係を強調している不二子とルパンだけども、熱い火花が飛び散るか、はたまたまた別の色彩で魅せるか。
単話でどういう勝負を仕掛けてくるかも楽しみなPART5,次回に期待が高まりますね。