ラストピリオドを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
タップ一つであらゆる世界へ。虹の向こうには、夢の学園生活が広がってる!
メタな毒気を味わいに変え、僕らを楽しませてくれたラスピリアニメが放つ自社コラボ多重メタサスペンス。短編ホラーとしての仕上がりが良く、切れ味鋭いエピソード。
というわけで、ハピエレ『怪』に相応しい多元世界ホラー回である。自社コンテンツの宣伝になるエピソードで、こうもおどろおどろしいエピやって良いのかと心配になるが、そもそもラスピリアニメ自体が素直な販促アニメではけしてないのであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
仕上がり良けりゃ宣伝になるのは、WIXOSSで実証済み!
今回はルルナちゃんとチョコを狂言回しに、ガチャが暴走して世界観の壁がぶっ壊れる回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
スマートフォンを窓にして、ゲームと現実、ゲームのキャラクターが現実だと思っているゲーム、ゲームのキャラクターが迷い込んだ別のゲームという現実が、多層的に描かれていく。
これまで現実を当てこすりダイナシ感を出していた、ラスピリアニメのメタ視点。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
それは今回、何が現実で現実とは何かをグラグラ揺るがす、ホラーの根っこになる。『プレイヤー』という特権的立場を享受してきたちょこが、最後にひっくり返されるオチも良い。
あんガル→あんハピ→メルストと世界を移動していく作りだが、あんハピパートが分厚いのもある種のメタと言うか、一番稼げるやつが一番尺貰うというか…世知辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
あんガル世界でちょっと艶笑混ぜて、気楽な雰囲気を出しておいてからあんハピのメタホラーで冷やしていく運びは、温度差があって良い。
あんハピ世界では、ちょことリーザの認識差は笑いのタネである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
タップは透明人間のお触りに、ディスプレイ越しのPL視点は巨女に。現実とゲームの境界線は明瞭に惹かれ、リーザはそこが異質な箱庭であることを認識しない。
これに対し、ハルは主人公特権で『本当の世界』を認識し、段々と思い出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
イケメンに包囲された超かっこいい学園世界ではなく、緩い感じのポワポワファンタジー。それこそが『現実』のはずなのに、世界の壁は壊れない。
ちょこが見ているデバイスよりも更に上、『超現実』としての三次元からこのアニメ(が取り込まれているメタ構造)を見下ろす僕らは、ハルが正しいことを知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
しかしハル自身は、何が『現実』か確証を持ちえない。狂っているのは、世界か自分か。疑念と恐怖は、ゲームキャラだけのものではない
古くは莊子・胡蝶の夢の時代から、自己認識と現実規定の距離感は曖昧であり、人類は時にそこに面白さを覚え、もしくは恐怖した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
自分が見ている現実と真実が、他者とズレてしまう怖さ。狂人として排斥されていく不安。あんスタ編は、幾度も繰り返されたパラノイアック・ホラーの最先鋭と言える。
不協和音を活かしたピアノBGM、イケメンのスカした態度が何処か非現実感を加速していくと、箱庭の息苦しさを活かす演出も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
コラボ回なんだが、元ネタ知らなくても楽しめる仕掛けを丁寧に組み上げていくのは、ひぐらし回やら水着回と似てるか。そういう真面目さ好きよ、僕は。
ハルは結局、ガジェルという『現実』との縁を略奪され、同じ村瀬歩声の少年を相棒としてあんスタ世界に適応してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
二度目の目覚めを果たしたハルにとって、『現実』はあんスタ世界であり、ラスピリ世界はアプリの中の幻想でしかなくなった。
世界に食われたのである。
そういうハルの苦闘と敗北を見せておいて、主体はちょこへと移る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
特権的に『ゲーム』を操作してたちょこが、実は既に『ゲーム』という現実の中にいて、もう出れない状況であると示して、今回のお話は終わる。
檻は無限に広がり、出口はない。全ては仮想と現実の合間、あやふやなダンスの中だ。
今回キャラクターが囚われる多層な檻が成立しているのは、これがアプリ原作のアニメだからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
気楽なコラボ回と思わせておいて、不安感を煽るスッキリしないオチで〆る暴走は、その実ハピエレ自身が作り出している。キャラは世界の垣根に阻まれるが、根本たる運営会社は自在に世界を作り出す。
僕ら視聴者もそこに近い場所にいて、しかし紡がれる物語に手出しはできないポジションだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
これまでの物語でも露骨なメタネタを操り、PLに近い特権的存在だったちょこの操作はしかし、『ゲーム』に囚われた仲間も、自分自身も開放しない。
見てる歯科、取り込まれるしかないプレイヤーの無力感。
『ゲーム』と『現実』からもう一つレイヤを重ねた部分に、ひっそり横たわる恐怖。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
ちょこのキャラ性を活かし、幾重にも重なり出口がないメタ構造を、綺麗にホラーに変換する運び方で、非常にクレバーだった。こういうクレバーさは、ラスピリアニメの特徴だと思う。醒めてて強い感じ。
今回の話しが今後に影響するのか、一発ネタとして投げっぱなしにされるかは次回見ないと分からんけども、なかなか新鮮な一発だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
『ゲームの枠を超えた自社コラボ』ってネタを、メタホラーとして使い切る目の付け所、成立させる演出の腕。おちゃらけたラスピリ世界を離れたからこそ、強みが出た。
それはそれとして、ルルナとちょこが納屋に取り残されて、一生キャッキャしてる絵面は最高に良かった。ジト目ダウナー不思議少女コンビってお前、マジお子様ランチ(自分スラングで『好きなものしか乗っかってない』)じゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
リセットするにしても、ルルちょこの絆値上がったのは残して欲しいネ。
おなじみのキャラがコラボ先のルールに乗っ取り、意外な顔を見せる楽しみもあったし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
その喜びが、思考を勝手に規定される恐怖に変換される流れが自然なところとかも、今回の話が良く出来てるところだ。恐怖は安心から生まれる。ビビらせっぱなしじゃ、落差がないのだ。
『どーせヌッルい宣伝アニメなんだろ?』という予測を、毒気とメタな知性で蹴っ飛ばしてきたラスピリアニメ。それが『自社コラボ』に挑むときの正解を、120点の大正解でぶん殴ってくる回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
やられてみると、確かにラスピリアニメで『自社コラボ』ならこの裏切り方、納得感しかないよなぁ…。
あんガルに魂を捧げた方々、あんスタに現在進行系で狂ってるお姉さん方、メルスト楽しんでるユーザーがどう感じたかはさっぱり分からんが、ラスピリアニメが好きないち視聴者としては、とっても楽しかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月13日
はー、面白いもん見れるいいアニメだなぁ…来週も楽しみです。