ルパン三世 PART5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
サムライが、アニメイベントで浮かれる田舎町を行く。
地道な監視任務、袖すり合うも他生の縁、散財、ロマンス、また散財。
生っぽくスタイリッシュなフランスの風景と、クールでチャーミングな五右衛門の化学反応が面白い個別回。
というわけで、ゴエちゃんエピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
あまりに武力極振りすぎてアクションシーンがあっという間に終わっちゃうので、なにかと枷を付けられがちな五右衛門。あるいは、女に弱い二枚目半な五右衛門。
そういうイメージを守りつつ、反復を巧く使ってテンポと独自の味を出してきた。
五右衛門と女子供の交流という意味では『峰不二子という女』第3話、海外から見た日本(と『ルパン』)のイメージ回収という意味では2015第21話などを踏襲しつつ、のびのびと五右衛門を歩かせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
”FFXの”というより、”神宮寺三郎の”野島一成だったかな、という印象。
冒頭、アニメと現実が混在するコミコン会場で、”アニメの登場人物”である五右衛門は浮く。斬鉄剣はセキュリティのために没収されかけ、客寄せパンダのような扱いを受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
フランスの片田舎で、日本人・石川五右衛門は”異物”である…と見せておいて、五右衛門は”異物”なりに馴染んでいく。
ユーロ札が持っている、問答無用の世知辛さを巧く使って、”アニメの登場人物”でしかない五右衛門にリアリティを握らせていくのが凄く面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
デザインも存在も大嘘のはずなんだが、何かと銭金が絡む世知辛さ、そこを突っぱねようとはしない五右衛門の在り方が、剥き出しの現ナマから見える。
”アニメの登場人物”なら無視できるはずの眠気に悩まされつつ(これを強調するべく、”時計”が幾度も重なる演出も面白い)、五右衛門は女を見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
しかしそれは泥棒一味としての薄汚い仕事であり、正義の味方、ってわけじゃない。気になる女も、事情と欲望を抱えてはいる。
書こうと思えば、アニメアニメした五右衛門が現実の中で道化になったり、あるいは現実をアニメに寄せて人情噺フランス味にしたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
色々できそうなんだが、今回の話しはリアルとフェイクの間をフラフラ彷徨いながら、五右衛門の表情を掘り下げていく。その曖昧な手触りが良い。
不思議の国の異邦人だろうが、むしれる限りむしる。黄色い忍者服で日本への友好を示しつつも、宿屋の少年は現実的だ。それはイネスもブルーのもそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
地方色を残しつつ、全てがユーロで繋がるフランスの風景。誇りも愛も、銭なしでは回らない。
『でも、それはそれでいいじゃん』という声が、エピソードからは聞こえてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
過剰なサムライ主義に陥るでも、現実に耽溺するでもなく。
肩の力を抜いて、五右衛門はあくまで”ルパン一味の石川五右衛門”のまま、現代的なユーロに位置を見つけていく。
女の未練を背中に受けて、風のように去っていく。これまでの五右衛門ならそう終わると思うけど、今回のお話はかなりギャフンだ。散財の結果宿代が無くなった五右衛門は、フランスに居残り、人斬りではなくギャルソンやって稼ぐことにする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
それは五右衛門が、五右衛門のまま現代に馴染んだ結果だ。
途中経過と結末、話の全部が一人間としての”石川五エ門”をしっかり見据えて、いかに現代にサムライを馴染ませるか考えていた。それは愛情ゆえなんじゃないかなと、僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
愛刀ではなくアプリ越しのミサイルで、五右衛門はルパンに勝つ。そういう石川五右衛門が、あっても良いじゃないか。
今回ルパンは徹底的にワル…しかもあんま尊敬できないワルである。仕事はどうやら不二子にいいとこ見せるためっぽいし、一服は盛るし、仲間の顔は足で蹴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
でもその身勝手な姿が、どうにも憎めない。ユーロ札を印象的に使うことで、お話全体のムードを作れたからだろうか。人間、みんなそんなもんだ
ゼニに踊り、欲に走る。五右衛門に味方する人も、向こうに回る人も、みな生臭い現実から抜け出さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
でもそれって、良くないことなのだろうか。面白くないものなんだろうか。
肩の力を抜き、丁寧に”世知辛い現実”と”ルパン”をなじませた今回のお話は、そういう疑問を静かに、僕の心に浮かべてくる。
それはなんか、とっても良いな、と思った。人間臭くて、強いけど強くなりすぎない五右衛門。小悪党だが憎めないルパン。善人だけど聖人じゃない隣人たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
”ルパン”の型にはまってはいないかもだけど、でもこういうテイストでキャラを照らすのもまた”ルパン”の味わい、懐の深さじゃないか。
そんなことを感じさせられる、凄く好きになれるエピソードでした。ゴエちゃんのパブリックイメージを大事にしつつ、ちょっと違う角度から愛情込めて描いてくれたのが、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
ほんとPART5は、色んな手段で”ルパン”という偶像と取っ組み合いだなぁ…誠実な奮闘を応援したい。
そして次回はアミちゃん再登場。女学院を舞台に、まーたトンチキなプリンセスが状況をかき回すらしい。予告の段階で後方保護者ッ面のルパンがおもしろいな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月19日
色んな”ルパン”を見せてくれるPART5、凄く面白いです。一回休みなのが妬ましい…ウギギ…。