HUGっとプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
天を割って現れた伝説の戦士。意見衝突の大先輩が見守る中、ようやくお互いの気持をぶつけ合うえみる&ルールー。その背後で進行する、追い込まれた女のハートブレイクストーリー。
圧縮率超高めでお送りする、えみルー編に一つのピリオド回。
つうわけで、むちゃくちゃ色んな事が起きるエピソードである。なぎほのは虹の橋を渡って異世界転生してくるし、えみルーの初友情喧嘩(ラヴゴロ)は暴れまわるし、パップルさん周辺の演出はエモいし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
HUGっとは元々圧縮率の高いシリーズだが、今回は特にてんこ盛りだったのではないか。
3つの軸の内、えみるーと初代は同じステージで展開する。つうか、なぎほのはあくまでゲストであり、アドバイスにステゴロにと、ワンポイントリリーフな起用。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
主役サイドの軸はあくまで、愛ゆえにぶつかり、愛ゆえにすれ違う親友一年生たちである。
ルールーは人間経験が薄いし、えみるは友達少なかった上に家の抑圧があったしで、お互い感情の取扱が巧くはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
イイコちゃんなコミュニケーションだけを知っていたわけだが、前回から描写を引き継ぐ形で、怒りや失望もひっくるめて感情であり、黒く見えるものが白い愛から出ていることを学んでいく
この学習の補助役を務めるのが、伝説の八話を経験しているなぎほのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
『あなたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!』という核弾頭を投げ込んで、友情の荒野に花を咲かせた経験が、いいアドバイスを生み出す。
何分展開が推してるので、えみルー初喧嘩と仲直りまでの流れはちとスムーズすぎるきらいもあったが、感情の色んな表情を子供らが学んでいく展開も、複雑な気持ちを形にするべく手を動かす流れも、かなり好きだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
チーム理系が力を合わせ、ギターを削り出すシーンのトンチキ真心が好き。
ハリーの『仲直り用のプレゼントなら、いっぱいあるで!』という真心を『ありがとう』と受け取りつつ、『でも、自分で作りたいのです!』と返すえみるも好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
ハリーは喧嘩が深刻化する前にストップ入れたり、相変わらず正解しか実行できない男すぎる…。頼りになるなぁホント。
今回地味にはぐたんさんが人間関係のかすがいになってて、えみるが気まずい空気から脱出する理由になったり、喧嘩でブルブル泣きそうになったり、初代プリキュアを応援したり、頑張った子供を褒めたり、獅子奮迅の感情表現だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
いろんな反応を返すようになってきて、ベイビーちゃんの成長が眩しい
えみるがはぐたんのおしめを替えるのは、ルールーとのギクシャク、あるいは自分の本音を見たくない”逃げ”なんだが、弱者を慈しむ気持ちもちゃんとあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
ただ感情が荒れているわけではなく、愛ゆえにすれ違ってしまう複雑な段階に彼女が差し掛かってるのを見せる、面白い運びだった。
怒りの後ろに愛があり、後ろめたさの裏には喜びが隠れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
複雑怪奇な感情を、白黒わけないまま全部受け止めること。その複雑さを接着剤にして、人間関係を豊かに伸ばしていくこと。
プリキュアも人間も一年生な二人が、どういう発育段階をたどってるか見える、いい仲直り回でした。
そんなポジティブな方向の関係構築に対し、クライアス社の空気は最悪。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
キツめの詰めをぶっ込まれるパップルさんは、愛を支えに苦境を乗り切ろうとするが、トレンディドラマ全開の攻めた演出で”見るなのタブー”が発生し、地獄のハートブレイクである。
朝には言えないアレソレを”理解れ…理解ってくれ!”と言わんばかりの間接照明。ちょっとウテナっぽい、詩情のあるセクシーなほのめかしがよく効いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
愛する人のために機を織っていたのは、真実が暴かれれば消えるしかないのは、一体誰だったのかという謎掛けとか、凄い好きよ。
過去映像の引用とか含めて、かなり分かりやすくストレートに進行する主役サイドに対し、パップルさんの傷は複雑かつ大人向きで、表現も分かりにくい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
子供と大人、二つの愛とその終わりが同時進行するわけだが、それは果たして混ざりあったのか、否か。
怪物化したパップルさん(破滅を引き寄せることで、止めてもらうのを期待しているのがあまりにも感情ブラックホールである)の顔には、クラウンのように涙の跡が刻まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
初代に良い作画でステゴロされ、赤子のように泣きじゃくる怪物を前に、えみルーは闘志よりも哀れみを覚える。
これは第11話で『剣よりも歌』を求め、チャラリートくんを抱擁して魂を救ったエールと、同じ心向だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
先輩たちが既に歩いた頂きを、道は違えど登り直す。新アイテム登場回という共通点もあるが、何より描写の重ね方が作品のテーマを色濃く見せる。
子供が知る由もない、パップルさんの複雑怪奇な愛と挫折。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
人生はじめての喧嘩を乗り越えたえみルーは、その薄暗さ、生臭さを当然知らない。
しかし現実にすり潰され孤独になってしまったパップルさんに、手を差し伸べなければ”リアル”なのか。若人が手に入れたばかりの輝く理想は、意味がないものか。
パップルさんの心に巣食ったトゲパワワは、えみルーを傷つけない。そんな力は、疲れ果ててしまったパップルさんの悪意にはないのだ。もしあの弱々しい毒が誰かを殺せるのなら、それは唯一自分だけなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
そういう哀れな状況で、えみルーは学んだばかりの”愛と対立”を、真っ直ぐに奏でていく。
友情の道を15年早く歩いてきた先輩から、学んだ強さと優しさ。それをパップルさんに必死に、嘘なく伝えることで、えみルーは哀れな年上の女を救い、抱きしめようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
泣きじゃくるパップルさんと、最初少し距離が空いているのがなかなか上手い。ゼロから至近距離ってのは、なかなかないのだ。
パップルさんの拒絶に『それでも!』というのが、小さなヒーロー・キュアマシェリなのがとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
ルールーはアンドロイドコンプレックスが強く、相手の事情を推察しすぎてしまう智慧もあるので、そこで踏み込んで”正義”を背負うのは、情熱のロッカーの仕事になるのだな。
ロジックで言えば、そら他人のことなんてわからない。立場も年も違う、より複雑な事情に身を置く大人に、ガキが掛ける言葉なんてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
でも、そこで理屈を飲み込んで背中を向けても、巧くは行かなかった。心に踏み込んで、トゲトゲに少し傷ついても抱きしめ合うことで、手に入るものがあった。
子供らは子供らなりに、学んだことを必死に咀嚼し、目の前で泣きじゃくる哀れな仲間に、どうにか手を差し伸べようと思ったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
自分が手に入れた大事なモノを差し出して、『あなたの中にもあるんじゃないの?』と赤心を見せたのだ。それは、とても勇気のいる、ヒロイックな一歩だ。
ツインギターが出たことより、先輩プリキュアから薫陶を受けたことより、判らないなりに真心を差し出し、傷つけ傷つけることに怯えず愛を伝えようと二人が踏み込んだことが、長く続いたプリキュア修行時代、最後の卒業証書かな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
パップルさんも、それを跳ね除けない優しさが残っていたのだ
まぁもともと可愛げのある人で、ルールーのこと気にかけている描写も太かったので、生き直しルートに入ったのは嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
こんだけ感情質量を抱え込んだ、愛のブラックホール爆弾だとは思わなかったが…ホント、ほのめかす演出のエモさがすごかったな、今回のパップルさん。
かくしてえみルーは”戦うより抱き合いたい”プリキュアの精神を証明し、『オラッ! お前らが画面に残るといろいろ不都合なんだよ!!』と言わんばかりのはぐたん送還術で初代は帰った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
唐突な異世界召喚/送還慣れしてるところが、15年の歴戦を感じさせ頼もしいやら、哀れやら。10月にまた会おう!
初代から若き戦士へ、幼い子供から擦り切れた大人へ。否応なく傷を受ける心と、それでも輝く愛の力が受け継がれていくエピソードで、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
ちと早足な感じは否めないが、このスピード感がHUGっとの持ち味な感じもする。えみルーが約二ヶ月、どう育ったかも見せれていたし。
その勢いを殺すことなく、来週ラスボス顔見世大ピンチである。初代様、後一週間逗留してもらったほうが良かったんじゃないかな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月1日
えみルーという優秀なエンジンを使い切って、次はどんな魅せ方で走るか。それを占うスターティング・グリッドにもなりそうで、とても楽しみですね。