アイカツフレンズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
ファム・ファタルの引力に惹かれ、遂に運命の女・蝶乃舞花とユニットを組んだ日向エマ。二人なら最強、新しい世界にもどんどん飛び込める!
…とは、簡単には行かないフレンズ世界。ユニットの個性、ドレスデザイン。次々上がるハードルに、エマおねーさん大ピンチ!!
というわけで、ハニーなキャッツの新婚生活を砂かぶりで堪能できるエピソードである。フレンズが恋愛の隠語なのは知ってたが、まさか同居した後の生活習慣衝突まで盛り込んでくるとは…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
寝言はさておき、人間二人いればそら喧嘩もする。大事なのは衝突をどうパワーに変えるか、というお話。
『エマちゃんは周辺視野が広く、色んな人の事情を勘案出来る子だ』というのは、ここまでの描写でよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
後輩の問題を瞬時に見抜き、必要な助け舟を速攻で準備して、巧く乗っけて自分で漕がす。グイグイ引っ張るわけではなく、当事者の自発性を導く助力は、彼女の人格と知力あってのものだ。
しかし今回はその視力が、ある意味鎖ともなる。二つの個性が衝突した時、解決の筋道がよく見えてしまうエマちゃんは、自分を引くことで道を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
ゴツゴツと角を出して、道が狭くなることを好まない。空気を読めてしまうし、空気に最初に従ってしまう『イイコ』なのだ。
一般生活ならば利点であろうが、今回エマちゃんはデザイナー業に飛び込む。自分含めたモデルの可能性を引き出し、観客を引きつけるためには、物分りの良さなんぞイヌに喰わせる仕事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
後ろに引いて、相手を立てて。そういうサポーター気質では乗り切れない問題が、エマちゃんを悩ませる。
一方舞花は情熱と衝動の人、空気は読まない自分は出す。そんな彼女が、自分と違うエマにどこか通じる部分を見つけたからこそ、ハニーキャッツは生まれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
巧くまとまればいい、問題が起きなければいい。そう考えて『我』を引っ込めるエマは、舞花が惚れ込んだ『アイドル』ではないのだ。
ラクロスの試合で、あるいはアイドルステージで。エマちゃんが主役になる場所では、エマちゃんは強力な『我』を見せる。それに惹きつけられた人がいるから、動画も百万再生なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
『私はいいよ』なエマちゃんの態度は、実は『アイドル』を見てくれるファンも、『アイドル』としての自分も貶めている
舞花ちゃんはそこら辺を理性で判るわけではない。とにかく体を動かし、崖に登ってテキトーな草を収集し、がむしゃらに突っ走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
その中でたどり着いたのは、『私の好きなエマは、自分で気づく』という信頼だった。『スマートハーブでトンチキ展開か!?』と警戒させておいて、心で繋がる運びが好き。
エマちゃんもまた、持ち前の賢さを自分に向けて、問題がどこにあるかを見抜いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
みおちゃんのクレバー&スマートなデザイナー力もそうだが、今回『このキャラはこういうキャラです』という強味と弱味の描写が、かなり鮮明だった。出来ることと出来ないことで、キャラの陰影は生まれる。
エマちゃんは最新デバイスを使いこなせない。アナログに紙に描いて、ハサミで切って、糊で付けるのが自分のスタイルだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
頼れる先輩だからって、万能ってわけじゃない。穴があるなら努力で、そしてかけがえのないフレンズとの友情で、ぶつかって塞げばいい。安易に万能の神様作らないのは、とても良い
黄金の川岸で、迷いと向き合った二人はもう一度出会う。女たちの潤んだ視線が交錯する旅、風は吹き鐘は鳴る。フレンズのロマンス主義は絶好調だ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
今回は瞳がうるりと輝く描写が多めで、なにかに出会った瞬間の表情が強く切り取られていた。出会いと発見が、成長を生む。青春ドラマの醍醐味であろう。
こじれた二人の関係をぶっ飛ばし、さらなる高みに登る。その起爆剤になったのは、エマへの信頼感だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
私が好きな日向エマなら、なんだって出来る。自分を譲らず前に出ることで、ファンを、私をもっと魅了してくれる。ラクロスも、アイドルも、デザイナーも、全部やり遂げてくれる。
アツい言葉に宿る舞花の情熱の炎が、エマに着火する。相手の個性を至近距離で受け取って、新しい自分に生まれ変わる特権もまた、フレンズの強みである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
エマちゃんは舞花の炎を灯火にして、空気が読める今までの自分を引っ込めて、あえて前に出る自分を見つけ直したのだ。
今まで見つからなかった自分と出会える。自分だと思いこんでいたものを壊し、可能性を増やしていく。それこそが、自分とは全然違う他人と、片手を繋いで見つめ合う意味と価値なんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
愛ゆえに衝突し、夢ゆえに出会い直すハニーキャッツの神話は、そういうことを伝えてくれる。
今回の話が巧いのは、他人と違うことで生まれてしまう衝突自体は、話の真ん中に据えてちゃんと描いていることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
人それぞれ自分のイメージを持っていて、それが食い違うことで衝突が生まれる。それは人間の必然であり、嫌なら他人と関わるのをやめるしかない。しかし、少女たちはフレンズの手を取る
大事なのは、生まれた衝突を良い方向へ導くこと、衝突に見えるものの奥にある意味をしっかり見据えることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
喧嘩の奥にある愛情を引き出すために、ピュアパレットの二人が鏡役をやってたのが良かった。そうやって、こじれた関係を外からほぐしてくれるのも、違うからこそな他人のありがたみだ。
エマちゃんが最初舞花に譲りまくったのは、『私は他人に譲って、道を整えていく存在なんだ!』という自己イメージを、保護したい気持ちがあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
未知の世界に飛び込み、新しい自分に出会うのは難しいし、怖い。デザイナー業務と同じだ。
だけどその未知に、地図を与えてくれる人がいる。千春さんは真面目に講義をしてくれるし、みおちゃんだって自分の経験を教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
日向エマの体から知らずのうち『我』は溢れていて、それはとても強く、魅力的なものだという事実を、舞花が情熱的に伝えてくれる。
そんな他人のありがたさに支えられ、未知は可能性に、恐怖はワクワクに変わっていく。舞花から溢れる情熱、いい意味での身勝手さを学んだエマちゃんは、より多くのファンを増やしていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
今回のお話、パートナーシップと同時に一個人、一児童がどう成長するかを、大事に描いていた。
エマちゃんの成長はハニーキャッツの躍進であり、舞花の株も上がる。そしてそれは、誰よりもエマちゃんが大好きな舞花が、なんの打算もなくぶつかっていった結果だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
情けは人の為ならず。自分が納得できないから衝突した舞花の行いは、結果として舞花を更に高め、輝かせることにもなる。
ノイズの多い現実世界じゃ、そんなに上手くいかないかもしれないけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
でも。想いが結果を連れてきて、身勝手が他人のためにもなるような理想を照れずに書ききるのは、僕はとても大事だと思う。
己を顧みる謙虚さと知性があれば、エゴはアガペと繋がれる。みんなでより高く、より楽しくなれる。
そういう綺麗事を、明るく楽しく真面目に、色んなものを盛り込みながら描いていく。フレンズのしなやかなスタンスが見える回だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
エマちゃんがデザイナー一年生として、コミカルに苦悩する描写、デザイナー業務の結構真面目な書き方が、とても好きだ。
同時に抜くべきところは抜いている。ギスギスしそうな衝突描写をトランポリンで笑いに包んだり、問題の根源を当事者がちゃんと把握していたり。ストレス過剰にならないコントロールの腕前も、フレンズの強みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
キャッツは常時綺麗じゃなくても良いのが、逆に強みだな…ぽわプリ的というか。
エマちゃんの3Dモデル初お披露目となった”個×個(きみかけるわたし)”は、とても良いステージだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
まず曲名が良い。どこまで行っても、私は私。それは寂しく怖いことだけど、でもひっくり返せない人間の必然で、別れてるからこその喜びだって、星の数ほどあるのだ。だから、君と私はバラバラが良い
挑発的なへそ出しペイント、クロスレンジで混じり合う身体。キックとキックが重なり合うと、楽しい音が鳴る振り付けがポップでいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
ギスギス表現として、スペシャルアピールの練習シーンを積んできたことが、本番で成功した瞬間の『やったね!』感にも繋がっていた。スポ根要素も、貪欲に盛り込む。
今週は細かい仕草の描写も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
川辺りで舞花が座り直す時のスカートの扱いとか、ステージ前説で燃え上がった情熱が思わず体を揺らしてる様子とか、細かい感情が動きに乗っかっていた。
エマちゃんは歳上なのに抱きつきたがり、泣き上戸だなぁ…そういうところ好きよホント。
全然違う君と私。出会ったからこそ、生まれる可能性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
ハニーキャッツ初のフレンズドレス、日向エマのデザイナー挑戦を通じて、フレンズがどういう存在なのか、ハニーキャッツという集団、エマと舞花という『我=個』がどういう特長をもっているかを、巧く示すエピソードでした。
ミライさんの”チガカワ”推しといい、フレンズは他者との差異に寛容であること、衝突から生まれる喜びを、かなり押し出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
明るく楽しいアイドル物語、女と女の神話を本気でエンタメしつつ、より後半な価値観にも手を伸ばす。そういう貪欲さもこのアニメの特徴なのかなと感じた。良いことだ。
観客席のピュアパレットも、ハニーキャッツが生み出した熱量に当てられ、自分たちを見つめていた。ほんとに愛があるなら、ぶつかっても大丈夫。世界を揺るがすビッグバンは、衝突からしか生まれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月5日
今後来るだろう、ピュアパレ正面衝突回が今から楽しみです。面白いなぁ、フレンズ。