少女☆歌劇 レヴュースタァライトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
乙女花咲く歌劇学校、聖翔音楽学園。主役としては輝けなくても、華やぐ青春を謳歌していた愛城華恋の前に、彼女の星が舞い降りる。
穏やかな日常を切り裂くレヴュー、武器取りて奪い合う主役の座。とにもかくにも、運命の幕は上がった!!
そういう感じの、スーパートンチキ舞台劇バトル少女ジュブナイルである。意味がわかんない角度から、意味のわかんない圧力と既視感と新規性でぶん殴られ、非常に心地よかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
アニメ企画の発表から結構長くて、高まってた期待を120%でカウンターされた感じ。大満足。
さて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
いろいろ言いたいことがあるが、まずはメタ的な部分から。
このアニメはブシロード&ネルケ&シネマキトラスが合同で立ち上げ、現実とフィクション二層構造で展開する企画。そのアニメパートである。
二次元と三次元の並列疾走って時点で、かなり発想がトンチキ。
アニメの声優さんは実際の舞台で飛び跳ね、殺陣をこなし、演技を見せてもいる。そういう生身の感覚がアニメにどう取り込まれるかも楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
しかしアニメはアニメ、企画の特殊性とはまた別に、単品で殴りつける火力があるかが大事になる。
二層構造は現実/フィクションだけでなく、フィクション内部にも存在している。穏やかな学園生活と、作画と予算大暴れなレビューバトル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
不思議なエレベーターが超現実的世界にぶっ飛ばしてくれる地下の塔、観客のいない舞台が、不意打ちに視聴者を殴ってくる。いやー、ビックリした。
ここにメリハリを付けるべく、劇伴やレイアウト、演出が総動員され、くっきりした対比が生まれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
スタジオパブロの圧倒的美術力は、日常パートでもレヴューパートでも極限に唸る。靄がかかったような柔らかな日常と、劇烈に鮮明な舞台の書き分け。
かなりのゆるふわ調で始まる学園パート(何しろ『むにゃむにゃ主人公を起こす健気系幼馴染』から開始だ)は、かなりみっしり密度の高い絵に、強めの音楽が乗っかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
明るくて、楽しくて、しかしどこか不鮮明な。温かい檻のような、優しい世界。
ひかりが転校してくることで、その印象は一変する。カメラは大きく引いて世界を切り取り、多動的な蓮恋と微動だにしないひかり、その周辺でよるべないまひるを写していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
BGMもやや抑えめに、静かに展開しだす。
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ひかりがいる世界/いない世界は主人公の中で明瞭に区別されていて、彼女の物語は星が帰還することで動き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
主役になれなくても、立ち位置ゼロをつかめなくてもそれなりに楽しい、柔らかな世界から、全てが劇的で、ケレンとドラマに満ち溢れた舞台へ。
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東京タワーの赤い鉄骨を、作品全体を貫く見事なフェティシュとしておっ立たている第一話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
高みに登ればこそ、墜落の恐怖も生まれる未来へ。星を追って蓮恋は踏み出していく。その瞬間、スポットライトが灯り、主役に光が当たる。
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(『明かりが灯る』という演出は、ひかりを追いかける中ですでに先取りされている。秘密のレビューに向かう道のりで、外灯はスターティンググリッドのようにひかりを照らす。物語が始まるのだ)
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誰かが選ばれ、誰かが選ばれない残酷な舞台。一人しか立てない立ち位置ゼロを巡って争う地下のレヴューが、このお話のメインステージなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
しかし、その外側にある当たり前の日常にも、当然選別の厳しさは隠されている。
高い高い跳躍で示される、ひかりの圧倒的な才。ぬるま湯のような仲良し雰囲気を、『入ります』の一言が切り裂いていく。天然光が切り分けたステージは、暗い舞台袖と脚光を浴びるメインが、はっきり別れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
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練習着のカラーリングで集団への適応度/ソロとしての強さを暗示するところとか、結構好きな演出である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
ひかりは白鳥の群れに馴染めない、孤高なオディールなのだろうか。ならば、プリマたるオディット役は誰が背負うのか。優しく清らかな華恋か。”プリンセスチュチュ”めいてきたな…(高まる期待感)
全体的にパの書き方が良く、リッチな作画が生きていた。少女たちの柔軟なフォルム、それが滑らかに変化する動きの気持ちよさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
バレエの身体美をアニメーションに取り込み、面白く見せてくれると俺によしである。レビューバトルは殺陣というより、ギラギラした生っぽさが全面に出てたけども。
弓VS短剣のバトル、距離を奪い合う有利の押し付け合いがしっかり描かれていたのは、とても面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
あのバトルが一体どんな意味を持つのか、なんとなーくは把握しているがさっぱり理解はしていないので、そのリッチさがどう生きるかは、まだ判別しきれないけども。
前半のぼんやりした印象と、後半の劇烈さ。地上の学園と、地下の闘技場。ニ層構造は様々に世界を切り分け、しかし独立はしていない。断絶は繋がりあい、交流し交雑する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
それはキャラクターレベルでもそうだ。華恋とひかり、華恋とまひるを巡る情念は、可愛らしい装いの中に重たさを隠し、すれ違う。
まひるちゃんが天然系にズブズブ行ってる黒髪の重力源なのは一発で判るが、華恋はその思いに報いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
別の女と寝泊まりを同じくしてるのに、テーブルに飾るのは思い出の星。それほど強烈なものが、華恋の中には刻まれている。だから、現実と非現実の境界を超え、レヴューにも参戦する。
主役を賭けて血を流す、本気の舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
『もう一度楽しいスタァライトが出来ればそれで良い』と思っていた華恋は、かつて見た星が傷つくのを見てられなくて、光の中に飛び出す。
そんな純愛が一方通行ではないのは、最後の表情を見ると何となく分かる。
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グイグイ系天然とツンツン系黒髪。すでに仕上がっている関係性に、第1話で敗北したまひるちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
地獄の三角関係が寮で唸る予感がビシビシしておるが、さてはてどうなるか。華恋の鈍感主人公力は、かなり情念系の展開しそうなこのアニメだと凶器だな…確実”ある”でしょ、華恋VSまひるのレヴュー。
主役になれなくても良かった少女は運命の怒涛に押し流され、ステージに上った。もう脇役ではいられない。そこから何が始まるか。レヴューの勝敗は、現実にどういう影響を及ぼしていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
ケレン味強い部分が目につくけど、実は控えめ少女の自分発見物語が軸なんだと思う。そういう芯があるのは大事
監督の経歴的にも、巨大学園と超常演劇の二層構造にしても、やっぱ”少女革命ウテナ”と比べられるのは仕方がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
しかし予算をやりくりする工夫でもあったウテナの演劇演出と、演劇空間を作画パワーでアニメートしてくるこのアニメの方法論は、かなり真逆な気もする。
兎にも角にも、一気に始まってしまったこのアニメ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
演劇学園での地味な交流、人間関係の変化、地下レヴューの劇烈な空間。一見バラバラに見えるものが、どう連動しあるいは断絶するか。
そこで唸る感情のドラマは、リッチな作画と大胆な演出でどう輝くのか。
なかなかすげぇアニメが始まったぜ…。
一話は一気にアクセル踏んでぶっ飛ばしてきたんで、次回はペースを落として作品を噛み砕き、飲み込ませてくれると助かるかな。ケレンで押し切ってくれてもいいけど…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
動き出してしまった黒髪×天然×黒髪の、女女女地獄絵図の行方も気になるし。ぜってぇ地獄!(予測であり期待)
来週も楽しみです。
追記 ファンタジーという表現はいつでも、現実を描くよりも強く現実を描ききるために選ばれる。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
華恋が特別な主人公に選ばれた暗喩(あるいは超現実)として描かれる、レビュー服の再生産シーン。
過去の思い出を再整形させるスペシャルな変身であり、同時にあくまで工場製品でしかない鎧を着て、主人公は何と戦うのか。何が武器なのか。
そこは結構楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
ケレン強くていろいろ見落とすけども、存外プレーンでオーソドックスな青春物語をやるんじゃないかと、現段階では感じている。
どれだけ超現実的でも、そこは誰かが用意したステージ。踊らされてるだけじゃ、真実主役とは言えない。なら、自分の意志でゼロに踏み出せ。
華恋の変身シーンは、その第一歩のアヴァンギャルドな表現であり、同時にそれが第一歩”でしかない”ことを示していたように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月12日
学園とレヴューの二層構造、それ自体とバトルする感じになるのかなぁ…それとも、地下闘技場はあくまで舞台装置(文字通りの)か。今後の運び方はすごく楽しみ。